遊園地を温泉にするって別府市長は何考えてるの? 問い詰めてきた
世界でも有数の温泉地帯、別府市がクラウドファンディングで資金を集め、湯~園地という温泉テーマパークを開設するとの情報を聞き、市長に直接話を伺いました。遊園地を改造するというその計画は果たして本当に実行できるのでしょうか。
※本日の記事は、クラウドファンディング「CAMPFIRE」の提供でお送りします
こんにちは。ヨッピーです。ごらんの通り、激怒しております。
激怒している理由についてですが、皆さんは別府市の「湯~園地計画」というのをご存知でしょうか?
詳しくはこちらの動画を見て頂ければと思います。
こちらは別府市にある「ラクテンチ」という遊園地で撮影されたもので、
画像のように遊園地が温泉に改造されているというイメージ動画なのですが、
なんでも別府市長がこの動画が100万再生を突破したらこの温泉遊園地をマジで実現させるっていうのを公約してしまったらしい。
そしたら……、
“湯~園地”にワクワク 「動画再生100万回」3日で達成 大分合同新聞
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/11/25/JD0055229093
3日で達成しちゃったんですよね。
やらかしてしまった戦犯こと別府市の長野市長。
※【別府市長も登場】別府温泉の観光まとめ&おすすめ温泉決定版!現地で取材してきた より
https://travel.spot-app.jp/beppu_yoppy/
ちなみに、僕は何故か別府市長と面識がありまして、詳しくは上記記事を見て頂ければわかるのですが、別府市長に対して「別府市の魅力が全国にまだまだ伝わってないのは市長の怠慢ではないか!?」とクレームを言いに来た事があるわけです。
その時は市長が「何事もやりすぎは良くない」みたいな事を言っていたので納得したのですが、今回は「やりすぎちゃいました!笑」とか「クラウドファンディングで1億円集めます!」みたいな事をしれっと言い出したので「一体どういうつもりなのか」という部分を問い正したいと思います。
そんなわけで……、
市長が来たぞ~~~~!
別府市長 長野恭紘(やすひろ) 1975年生まれ。別府市出身、日本文理大学卒。
2006年、2011年に市長選に立候補、落選するも2015年の市長選で当選。
当時40歳、史上最年少の別府市長となった。現在1期。今回の騒動の戦犯。
クラウドファンディングCAMPFIRE代表 家入一真 1978年生まれ。福岡県出身。
元ひきこもりの社長として株式会社paperboy&co(現GMOペパボ)を創業。
29歳の時に史上最年少でJASDAQに上場。その後連続起業家として様々なウェブサービスを立ち上げる。言わば今回の騒動の共犯。ヨッピーの古い友人でもある。
「ちょっと!なんなんですか!僕が以前来た時は『何事もやりすぎはよくない』とか言ってたくせに、今回の件はどう考えてもやりすぎでしょうよ!遊園地を温泉にするとか、パッと考えても『あれ、本当に出来るの!?』って思いますよ!」
「いや~~~~~~、」
「やらかしてしまいました」
「ほらーー!」
「いやね、動画の100万再生ってね、もちろん『100万再生行くだろう』と思って作ったんですよ?そうじゃなきゃ作った意味もありませんからね。ただね、まさか3日で達成するとはこっちも思ってないわけですよ」
「元々はどれくらいで想定してたんですか?」
「3か月くらいはかかるかな?、って。だから、とりあえず動画は公開したけど、準備についてはその達成するまでの期間で色々練ったり、関係各所と協議したりっていうのを進めるつもりでいたのに、3日で達成したもんだからこっちもビックリしちゃって!」
「ちなみに、達成した時の根回しは事前に進めてたんですか?」
「全然やってません」
「しろよ」
「この動画はラクテンチさんっていう別府に古くからある遊園地で撮影したんですが、撮影の時『これこれこういう事情で~』って説明して許可を頂いて撮影して、すごく前向きにご協力頂いたので私としては『ラクテンチさんも乗り気なんだろうな』って思ってたんですけど、達成した時にテレビのインタビュアーがラクテンチさんに『本当に実現出来るんですか?』って聞いたら『無理です』『こんな量の温泉ラクテンチに無いです』って答えてて僕もビックリしちゃった」
「なんたること……!いやね、僕も宇宙一別府を愛する男として、あの動画が公開された時にすぐ見たんですけど、素人目に見たって『これを実現するのは無理じゃない?』って思いましたもん。だって、お湯ってめちゃくちゃ重いじゃないですか。一般的な家庭の浴槽でも200リットル、つまりは200kgのお湯になるわけですよね?そんな重量載せてジェットコースター走らせたり観覧車まわしたりって耐荷重の問題で不可能なんじゃないかって」
「その通りです」
「その通り、じゃねぇよ!」
「他にも問題はいろいろありますよ」
「安全性の問題に、温泉をどう確保するかっていう問題、あとは衛生面の問題もありますね。他にも当日のスタッフをどうしようとか、そもそも資金はどうしようとか」
「問題が山積みじゃないですか。無理ですよ!」
「ヨッピーはさっきからネガティブすぎるよね。『やる!』って決めたんだから何がなんでもやるぞっていう気合が大事だと思う。最終的には気合だから」
「気合で全部なんとかしようっていうのは完全にアホの発想」
「でも、市長自らチャレンジする姿勢っていうのを打ち出さないと、閉塞感が漂う地方行政を打破できないじゃないですか」
「そうそう。クラウドファンディングって、背中を押したいっていう人達の声が力になるわけだから、支援したくなるようなチャレンジが無いとダメでしょ?『こんなの簡単に出来るわ』っていうものなんてそこまで支援したくならないじゃん」
「まあそうだけど……現実問題としてあれこれあるわけで……」
「だからね、ひとつひとつ解決して行こう、っていう。例えばこれなんですけど」
「アストロファイターっていう、飛行機がグルグル回るような乗り物があって、動画中だと確かにお湯を張ってそれに入って乗ってるんですが、やっぱり耐荷重の問題で難しいっていう事なので、スプリンクラーみたいなものを設置して、内側に温泉水を撒いてその中を飛ぶっていうミストサウナみたいなイメージですかね。これなら温泉に入りながら乗り物に乗れるじゃないですか」
「なるほど」
「あとは衛生面の問題ですが、ラクテンチに入る時に長い吊り橋を渡るので、ここで温泉のミストシャワーをかける事で『かけ湯』として使って頂くとかね。ここで綺麗に汚れを落として頂いてから遊園地で遊ぶようなイメージです」
「服装はどうするんですか?動画みたいにタオル巻きでっていうわけにもいかないですよね?」
「開催時期が7月29日、30日、31日の3日間を想定していて、真夏ですから水着の上にタオル巻いても良いですし、水着+Tシャツとかでも構わないかな、と。要するに濡れても良い恰好で来てね、っていうことにします。とにかく、開催時期が真夏なので濡れても別に寒くはないじゃないですか。ディズニーランドなんかでも夏場は水がたくさんかかるショーがありますし、夏ならびしょびしょに濡れて遊ぶのも楽しいと思うんですよ」
「確かにそれはあるな~~」
「他にも観覧車にお湯張るのは重量的に難しいから足湯ならどうか、とか。ジェットコースターは難しいからラクテンチの中の斜面に温泉のウォータースライダーを設置しよう、とか」
「そうそう。その、夏に開催するっていうのがポイントで、湯~園地の開催って、別府の夏祭りの開催と重なってるんだよね。湯~園地が7月29日、30日、31日、夏祭りが28日、29日、30日で打ち上げ花火は30日。だから、例えば2泊3日くらいで遊びに来て、湯~園地で遊んで、海で泳いで、30日の夜は打ち上げ花火を見るっていうのは夏の思い出としてすごく良いじゃん?温泉だっていっぱいあるし」
「そう!最高の夏になると思いますよ!」
別府の打ち上げ花火と縁日。確かに楽しそう。
「ふーむ、肝心要の温泉と資金についてはどうするんですか?」
「温泉は、廃湯を利用します。それこそ別府中の温泉にご協力頂いて。別府は自噴している温泉もたくさんあるんですが、営業時間外に沸いた温泉はそのまま捨ててるんですね。この未利用の温泉をタンクローリーでもなんでも使ってとにかく集めて別府のオリジナルブレンド温泉にしてラクテンチにあるプールを全部温泉にします」
「ほ~。じゃあこのイメージ通りになるわけですね。資金はどうするんですか?」
「そこはもう、クラウドファンディングでなんとかご支援いただきたいなっていう」
どうせやるならやりすぎたい!温泉×遊園地=前代未聞の”湯~園地”を別府に実現!!
https://camp-fire.jp/projects/view/18713
「そうそう。地方活性って、なんだかんだ言って一番問題になるのが財源じゃない。普通なら国からの補助金を利用したりするんだけど、今回は別府市の財源も国の補助金も使うわけじゃなくて、クラウドファンディングで集めて地方活性に利用するので、手法としても新しいんだよね。自分達で集めて、自分達のために使う、っていう。これって地方活性の新しい突破口になるなって思ってる。補助金頼りだとどっかで行き詰るでしょ」
「まあ確かに……市議会の反対とかはなかったんですか?」
「全然ないですよ。市の予算を使うのであれば色々難しい問題があるのかもしれませんが、今回はこうやってクラウドファンディングを利用してね、自分達でお金を集めるわけですから議会の先生方も暖かい目で見てくれていると思います」
「でね、僕が市長とお話してて素晴らしいなって思ったのは、市長は今回のプロジェクトを他県に向けて、とか観光客に向けてやってるつもりは無いっておっしゃってて。あくまで地元のためだと」
「そうそう。私は別府市で生まれ育ったから良くわかるんですが、今回の舞台となるラクテンチって、別府市民からするとすごく思い入れのある場所なんですよ。創業から90年近いので、おじいちゃんおばあちゃん世代から、今の子供たちまで3世代に渡って親しまれていて市民にとっては格別な思い入れがある遊園地なんです。そんな場所に全国から注目が集まってね、何か面白い事をやるらしいぞっていうね。私は地元の子供たちにね、『別府はつまんない所だ』なんて思って欲しくないんです。『ウチの地元は面白いことやってんだぜ!』って思って欲しいじゃないですか。だからチャレンジする。もちろん他県の人達が遊びに来てくれる事で別府の良さもアピール出来て、地元のお店だって潤う、と。こんなに良いことは無いでしょ!?」
「いや~、その通りですね。我々、他県の人間にとっても、夏の、素敵な1日を別府で過ごす良いきっかけになりますから。ヨッピーもそう思うでしょ?」
「なんか丸め込まれてるような気がするな……」
「ちなみにリターン(返礼品)はこんな感じです。この、8000円のについてはそのまま湯~園地の入場券になってるんですね。だから湯~園地で遊びたい人はこの金額を支援してね、っていう」
「ふむ。でも確かに、夏祭りの日と重なってるならここで8000円払って湯~園地で遊んで海で遊んで温泉入って花火見てっていう夏満喫コースみたいなのは最高に良さそう」
「でしょ。更に、30万円以上のご支援を頂いた方には私、市長とサシ飲みが出来る特典をつけます!」
「もうめちゃくちゃだな。市長ってただでさえ忙しいのに……」
「それくらい自分でやらなきゃリーダーとは言えませんから。あ、そういえば、ヨッピーさんは宇宙一別府を愛してるんですよね?」
「はい。そうですけど」
「その宇宙一別府を愛するヨッピーさんはいくら支援して頂けるんですか?」
ハメられたことに気付いた僕。
「これなんかはどうですか?1億円で湯~園地を1日に貸切出来ますよ!」
「1億円なんか持ってるわけねぇだろ!」
「いや、いいですよぜんぜん。支援しますよ!どうせ僕は別府が好きだし、ビショ濡れになって遊んだり海入ったり花火見たりっていうのは確かに魅力的なので、湯~園地の入園券8000円をふたつ、16,000円支援します!」
「え!? 16万円!? 流石だな~~~!」
「わ~~!売れっ子ライターは違うわ~~!」
「ちょっと待って!16,000円って言ったじゃねぇかこの野郎!」
「え?だから16万円でしょ?」
「えーーーーーーーー!待って!マジで待って!だいたい16万円分って、20枚も入園券貰ってどうするんですか!開催期間3日間なのに!使い切れないじゃないですか!」
「そこはほら、ヨッピーさんの人脈でね。SNSの有名人とかにバーッと配ってね!一緒に別府に遊びに来て別府の魅力を全国に発信して頂ければ全員ハッピーじゃないですか」
「16万円も払ったら僕は全然ハッピーじゃないです!」
「あれ?でも宇宙一別府を愛してるんだよね?宇宙一とか言っておいて16,000円でいいの?」
「完全にカツアゲやんけ……!」
「いやそんな、めっそうもないですよ!ただ、ヨッピーさんがどれくらい別府を愛してくれているのかなー、って!」
「わかりました。もう好きにしてください……」
「いやー、ありがとうございます!」
「こうなったらほんと、絶対成功させてくださいよ!」
「ええ、大丈夫です!しっかりやりますから!地元の企業にもスポンサーを募るつもりですし。支援金額が増えたらそれに伴って、例えば有名アーティストを呼んでイベントを開くとか、どんどんコンテンツを追加していくつもりで、支援して頂いた方々の期待は絶対に裏切らないように頑張ります!」
そんなこんなはじまった別府市の湯~園地計画。
16万円強奪されたせいで僕は完全に浮かない顔をしております。
その後行われた記者会見には新聞やテレビなどたくさんの記者さん達が集まり、
全国的なニュースにもなった模様。
ネット動画で話題「湯~園地」、実現へ資金集め 別府:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASK295RWHK29TPJB01J.html
こうなったら僕も3日間フルに別府市で遊んで楽しもうと思っておりますので、
「私も行きた~い!」なんて人はぜひ支援をどうぞ~~~~!
どうせやるならやりすぎたい!温泉×遊園地=前代未聞の”湯~園地”を別府に実現!!
http://camp-fire.jp/projects/view/18713
【改めて別府について】
そもそも、僕が何故「宇宙一別府を愛する男」を自称しているかと言うと、実は別府ってこんな感じなんです。
温泉の湧出量、全国ぶっちぎりでNo1!更に言えば2位の湯布院も別府の隣にあるわけです。
ちなみに、地球全体で見た時の湧出量1位はアメリカのイエローストーン国立公園で2位が別府温泉なのですが、
イエローストーン国立公園は四国みたいの面積があってめっちゃ広いし、温泉として入って楽しめるように整備されているわけではないので、入って楽しめる温泉という意味では地球で一番なのが別府なんですよね。地球一の温泉ですよこれ。
更に、泉質も多種多様、バラエティに富んでいて、砂湯に蒸し湯、泥湯などといった一風変わった温泉群を抱える温泉天国なのであります。
そして、7月28日から30日までは毎年恒例の別府の夏祭りが開催され、
30日の夜には打ち上げ花火もあるぞ!
僕も市長に16万円カツアゲされてしまったので、この3日間は死ぬほど別府を満喫してやろうと思っておりますので、
「最高の夏を過ごした~~い!」なんて人は、ぜひご支援をどうぞ~~~~~~!
どうせやるならやりすぎたい!温泉×遊園地=前代未聞の”湯~園地”を別府に実現!!
http://camp-fire.jp/projects/view/18713
【支援のやりかた】
まずはCAMPFIREのトップページを開き、右上の「新規登録」に進む。
続いてメールアドレスを入力し、届いたメールからURLをクリックっていう良くある流れで登録を進め、
あとはパスワードなんかを設定すると登録完了!
あとは今回なら「湯~園地プロジェクト」のページから支援する内容を選択し、
クレジットカード、コンビニ決済、銀行振り込みなどから決済方法を選ぶ。
割と一般的なやつなので別に難しいことはない!
そして支援が完了!
ちなみにこれは僕のgmailのキャプチャ画像なのですが、「支援完了のお知らせ」がなんで20件も来てるかと言うと、
市長との約束通り8000円の支援を20回行ったからです。
とりあえず全部7月29日で申し込んだんだけど20枚もどうしようほんと……!
とりあえず7月28日~31日までは別府に行くつもりなんですが、
絶対16万円分モトを取ってやるからなー!
待ってろよ~~!別府~~~!
【制作】
SPOT編集部
【提供】
CAMPFIRE
https://camp-fire.jp
【協力】
別府市観光課