1人でローソク10,000本を吹き消すために、三重県亀山市に行ってきた
三重県亀山市まで、1人でローソク1万本を吹き消すために行ってきたライター・ツマミ具依のレポート。なんでも一般社団法人10000日記念日、カメヤマの協力のもと、生誕10,000日を記念してチャレンジすることになったそうな。三重県亀山市はカメヤマローソクとゆかりの深い場所で、いろいろなキャンドルが購入できる「カメヤマキャンドルハウス」も。合わせて、「カメヤマキャンドルハウス亀山店」「カメヤマキャンドルハウス オアシス店」もご紹介します。
突然ですが、生まれて10,000日目って何歳か知ってますか?
…27歳4カ月半です!
そこで、自身の生誕10,000日記念日を記念して、
わたくしツマミ具依(@tsumami_gui_)は
東京から三重県亀山市へ向かい、
夕日に映えるこの美しい
総数10,000本のローソクを
全て一人で吹き消してきました!!
目次
1つのツイートから始まった
「なぜ、こんなことが?」という点がまず気になるところかと思います。
きっかけは、約半年前のツイートでした。
と、まぁ割と本気で考えていたのですが…無謀ですね。
すると、知らないアカウントから「いいね」の反応が!
「一般社団法人10000日記念日」
…ってなんだ!!?
調べると「10000日記念日」を世に広めるために活動をしているようです。
ほどなくしてDMが届き、
!?
なんでも、大手ローソクメーカーのカメヤマ(株)とつながりがあるとか!
「ウソでしょ!?」としか言いようがありませんでした。
10,000本という規模は想像以上
DMをいただき、(社)10000日記念日さんとお会いすることに。
後日わかったことですが、「変な人じゃなくてよかった」とお互いに思っていたよう。このときは、Twitterでやりとりしただけだったので……。
いろいろとアイディアを出していきましたが、当然、こんなイベントの前例なんてないわけでして……
- 10,000本もローソクをつけられるのか?点火している間にローソクが消えるのでは?
- 1秒1本だとしても…2.8時間もかかる!!
- 安全性は?
- 予算は?
- 場所は?
課題は山積み!! 何から手を付けたらいいかもわからない!
手探りのなか、まずは場所から考えてみました。
天候が悪かったときのことを考えると、野外は厳しいだろう。
そうすると、やるのは室内。しかも、広くて火気が使えるところ…。でも、そんな条件の場所はまず見つからない。
「ここの倉庫!!火気使用可能でかなり大きいです!」
「お!!」
しかし、ローソク10,000本分のスペースを計算してみると…
倉 庫 に 入 ら な い !!
ちなみに、後日、カメヤマ(株)さんとお会いしたとき、この話をしたんですが
「ローソク10,000本の規模、ナメてますね」
と思ったそうです。…だって、そんな量、見たことないですもん!
それから一カ月。
会場さえ見つからないし、やっぱり無謀だよな…とほぼ諦めていた頃、電話が入りました。
「会場、見つかったよ!」
「え!!ほんとですか!!」
「うん!亀山まで来られる?」
なんと、カメヤマ(株)さんが「それなら、うちの工場使いましょう!」とかなり大胆な提案をしてくださったのでした。
神か…!
10,000本を吹き消すための体力づくり
「え?ツマミさん、スポーツ経験もなくて、普段も運動してないんですか…?
ローソク10,000本あるんですけど、肺活量とか大丈夫ですか…?」
やばい…めっちゃ不安がられてる…。
少しでも身体を鍛えなくては…。
そこでローソクを10,000本吹き消すため、ジムを契約!
ほぼ毎日ランニング…こんなまともに運動したのは人生はじめてかも…。
また、インストラクターから、吹き消すのに効果的な呼吸法を習いました。
トレーニングを習うや否や「この呼吸法を習得するには半年以上かかります」と言われ、この世界は甘くないと痛感…。
それから、事前のリハーサルも行いました。
これで40本。10,000本はこの250倍…。
数字が大きすぎて全然想像つきません。
京大卒の懸念
当日までいろんな人から心配する声をいただきました。
- 「安全第一でね」
- 「風邪とか引いてないよね?」
- 「体調は?」
- 「絶対に無理はしないでね?」
- 「酸欠に注意して!」
- 「本当に具合悪くなったら救急車呼ばなきゃいけないから」
救急車…?
待って、私が思っている以上にハードなのかも…。不安がものすごい勢いで膨らんでいく…。
そして、京大卒の友人がこんなことを言い出しました。
ヤバイ。頭が良すぎて何言ってるか全然わかんない。
途中式の訂正で「62.5mol」とやらが「62500mol」に爆上がりしちゃったけど…なんなのその単位は。
とにかく、かなり危険ってことが言いたいんだろう…。
そして当日直前。
ガチすぎる…(それでも亀山まで応援に来てくれるからスゴイ…)。
いろんな意味で冷や汗が出る状況でした。
ドラマチックな本番前
本番前日。
「明日の天気はくもり!前後も雨予報じゃないんで大丈夫ですね!」
と梅雨時期だったこともあり、胸をなでおろしました。
ローソクという繊細なあかりがあって成り立つこのイベント。
天候による影響が非常に大きいので、雨は絶対に避けたかったのです。
当日、10,000本のローソクを設営していきます。
文字の形をチョークで描き、使用する本数分をバランスよく並べるのが難しいです。
1本1本にチャッカマンで火を点けていきます。
サーモグラフィを使って、安全確認もバッチリ!
しかし、
突然、雨が降ってきました。
慌てて雨よけのビニールシートを被せるスタッフ。
いつの間にか天気予報は雨マークに。
設営の雰囲気も雨雲が立ち込めるように暗くなっていくのがわかります。
(昨日まで天気は全く問題なかったのに…なんで…)
本番前の緊張に加えて、どうすることもできない不安が襲いました。
――1時間後
「大丈夫そうだ!天気予報が変わった!」
なんと、この1時間で天気予報が雨からくもりになったのです!!
本番ギリギリ2時間前のこと!
(よ、よかった…天気よ、憎い演出をしてきたな…!)
灯る10,000本のローソク
様々な苦難を乗り越え、10,000本のローソクが設営された光景がこちら。
美しすぎませんか…?
通常のキャンドルナイトのイベントで使用されるキャンドル数は3000~4000個。
その倍以上が並んでいます!!
何度も深呼吸をして迎えた18時半。
スタートしました!!!
室内、スタンド、キャンドルホルダーと3コースに分かれた10,000本のローソク。
1000本程度じゃ、まだ息は切れません。
息切れの心配より室内に充満した熱がスゴイ。汗がだらだら流れます。
端にあるローソクをつい見落しそうになりますが、すべて消していきます。
室内のコースは順調。問題は野外。
このスタンド、きれいだけど、めちゃくちゃ消しにくい!!
ローソクが足元から顔の位置まであるから、腰がものすごく痛い!
こんなに腰に負担がくるとは…
途中、尻もちをつく始末。
カメヤマローソクは炎が強く、しっかり息を吹きかけないと消えません。
息が弱かったせいで「フーッ」「フーッ」と1本に何度も吹き消すこともしばしば。
どんどん体力がやられていきます。
最後はキャンドルホルダーで灯りが守られた文字型のコース。
消して、
消して
消して
消して
消しまくります!!
そしてついに
「フーッ」
無事10,000本、吹き消せました!!!
かかった時間は3時間半!
でも無我夢中で体感時間としては1時間半くらい。
あっという間でした…!
新聞社やテレビの方々に囲まれ、まるで政治家の囲み取材…。
悪いことせずに体験できてよかった。
身体が耐えられるのかという不安と、夢を実現させてくれた方々のためにも絶対成功させたいという気持ちで押しつぶされそうでした。
ですが、その分やり遂げたときの達成感!
‟生まれてきてよかった”とはこういうことをいうのか!と思いました。
最高の10000日記念日を、ありがとうございました。
これから27歳4カ月半を迎える人は、生誕10000日記念日、絶対に祝ったほうがいいです!
(あと、周りの人はサプライズでお祝いすると絶対喜ばれますよ!!)
ちなみに、京大の友人は終了後、こうコメントしてました。
京大の頭脳にカメヤマローソクは勝った!
「なんで亀山?」なんてもう言わせない!
このイベントを友人に誘うと、こんな反応をもらうことが少なくありませんでした。
友「10,000本のローソクを吹き消す!?すご-い!その日なら空いてるから行きたい!!場所は?」
私「それが…三重県の亀山なんだ!」
友「遠っ!!!!!さすがに行けないわ…。なんで亀山なの?」
私「カメヤマローソクだから!」
友「あ!!カメヤマローソクって亀山にあるんだ!」
そう
って知られてない!!!
(私も知らなかったけど…)
実は日本のローソクの半分はココ亀山市で作られてるんですよ!
何を隠そう、カメヤマの社名の由来は、90年前に亀山市でローソクの製造をはじめたこと。創業者の谷川兵三郎氏は、もともと伊勢の宮大工の頭領で、とても三重県にゆかりが深い企業なんです。
谷川氏が高齢になり宮大工を引退し、新しい仕事を探していたところ、信心が深いのもあってローソクに目をつけたことがきっかけでした。
今後、
「出身地どちらですか?」
「三重です!」
という会話になったら
「三重と言えばローソクですね!」と返してみてください!
おそらく三重県出身の人は「赤福」とか「伊勢神宮」という反応をもらうことが大半でしょうから、差がつけられますよ!(?)
絶対成仏できるローソク!?
ゆかりの地、亀山市にはカメヤマローソク直営のショップが2店舗あります。
こちらはそのひとつ、「カメヤマキャンドルハウス亀山店」第1号店。亀山駅から徒歩15分ほどの場所にあります。
昔からあるので、地元のおじいちゃんおばあちゃんが多く利用し、商店街のお店のような親しみやすい雰囲気があります。
観賞用のキャンドルよりお供え物の線香やローソクが充実しているのが特徴です。
なかでも「故人の好物シリーズ」というローソクがすごい!
亡くなられた方が好きだったものを形にしたもので、「これは、食品サンプル?いや食べ物そのものなんじゃないか?」と思ってしまうようなローソクがズラリ!
ごはんとみそ汁
えだまめ
お寿司のローソクはロウが溶けてくると、緑色の中のわさびが見えてくるんですよ!芸が細かい!
お酒の種類も豊富!!
ペット用の猫缶まで!
「家族のイベントの一つとしてお墓参りを見直してほしい」という思いから作られたこのローソク。「ビール好きだったよね」というように思い出話に花も咲きますし、好きなものが供えられれば亡くなられた方も天国で喜んでくれるでしょう。
お店の方とお客さんとの楽しそう会話が聞こえてきました。
常連の方で、お祝い事があるといつもこのお店に訪れ、キャンドルをプレゼントしているそう。
亀山店では、メッセージカードを入れるサービスも行っており、店員さんは、その作業をお客さんと話しながら進めている様子。店員さんのフレンドリーな対応のおかげで、待ち時間があっという間に過ぎていきそうです。
出来上がりにご満悦なお客さん。こうしたひと手間を加えるとキャンドルに込められた想いが伝わってすごく素敵ですね。
お話を聞いていたら「好きなの買ってやるよ!」とキャンドルをプレゼントしてもらっちゃいました!
お店に訪れた人同士が自然と仲良くなるのも、お店のアットホームな雰囲気の良さからなんでしょうね。
おじちゃんありがとー!!
カメヤマキャンドルハウス 亀山店
- 所在地:三重県亀山市野村4-1-10
- 電話番号:0595-82-8961
- 営業時間:11:00-17:00
- 休業日:木曜(年末年始を含む)
「実用的でかわいい」それがキャンドル!
もう一つのオアシス店は、上りの亀山パーキングエリアにあります。
キャンドルショップがあるサービスエリアは他にないので、ぜひ立ち寄ってもらいたいですね!
看板には「亀山土産はキャンドル」の文字が!!
みてください、
この
かわいい
かわいい
とにかくかわいいキャンドル!!!
かわいい通り越して食べてしまいそうです…。
火を灯すのがもったいないくらいのかわいさ…!!
女の子へのプレゼントにしたら、絶対外れないですね!!
音がなるというキャンドルを発見!
火をつける芯の部分が木でできているのがポイント。実際に火をつけると、たき火のようなパチパチと鳴る音が心地よく響きます。ローソクの灯に加えて音まで楽しめるとは…癒し効果抜群です。
こんなかわいいキャンドルが5つで1,000円!!!
おみやげにぴったり!!
ついつい買いすぎちゃいそうです!
こちらはベーシックなローソク。
「使っていくうちにロウの形が変わってどんどん味が出てきます」とオアシス店店長の若林さん。
「ショップを通じてもっとキャンドルが身近なものになってもらえれば」と笑顔で語ってくれました。
店員さんからの癒し効果もすごい。
カメヤマキャンドルハウス オアシス店
- 所在地:三重県亀山市布気町801-1 亀山ハイウェイオアシス館内(東名阪自動車道 亀山PA)
- 電話番号:0595-84-0880
- 営業時間:9:00-20:00
- 営業日:年中無休
このように、伊勢海老や松坂牛だけでなく、ローソクも堪能できる三重県亀山市。
あなたが誕生日ケーキで吹き消すそのローソクも、仏壇に備えるそのローソクも、亀山市から作られているかもしれませんよ。
ちょっとマイナーな三重県だけど、ローソクを使うときには思い出してみてください!
54歳の20,000日目も、20,000本のローソクを吹き消しに、亀山へ行くぞ!!
※一部始終の様子はここでご覧いただけます!(https://freshlive.tv/10000thday/126515)
【写真提供】
- ガヂヲ(@kizi_kizi)
- 西谷格(@nishitanitadasu)
- 平田朋義(@tomo3141592653)
- 茂木響平(@amagoyukikiyo)
- 山崎テツロウ(@tetsuroya)