今人気の”御朱印集め”。神社への正しい参拝方法などについて聞いてきた!【押上・高木神社】
御朱印集めのもらい方やマナーを、東京で御朱印がかわいいと人気の高木神社の神職さんに聞いてきました。神社を巡り、参拝するにあたり、正しい作法で行うにはどうしたらいいでしょうか。
神社や寺院で頂くことができる御朱印。ここ数年、そんな御朱印に注目が集まっていることで、神社やお寺に参拝する人も増えているのだそうです。
私は年間100社くらいのペースで日常的に参拝しているのですが、ほんの数年前までは、初詣や観光などでしか神社を参拝する機会がありませんでした。なので今でも、「自分の参拝方法は本当に合っているのかどうか?」と不安になることがあります。でも今さら人にも聞きづらい……。
そんなわけで、神社への参拝方法や、御朱印初心者や御朱印が気になっていた方向けの御朱印の集め方はもちろん、御朱印集めを既にやっている私が普段から気になっている疑問などを神職さん、御朱印ガールさんの力を借りて解決してみたいと思います!
今回企画にご協力くださったのは、東京・押上にあるかわいい御朱印が人気の高木神社さん(@takagi_jinjya)の神職・田中さん。
高木神社の御祭神は造化三神にも数えられるタカミムスビノカミ。スカイツリーからも近い神社です。
それに、高木神社のお手伝いもよくしているという榎本さん(@mokomo_3)は着物姿で参加してくださりました。
榎本さんはいろんな神社を参拝して話を聞いている参拝社兼御朱印ガール、それに神社のお手伝いもしていて内情も詳しいという立場で参加していただきました。ご自身で着る着物の組紐を編んだりもする榎本さんは「みんなde共有御朱印マップ(仮) 」内に和小物サイトを開設予定なのだとか。
以上のふたりに、執筆担当の私、御朱印大好きライターの井口エリという3人で御朱印や神社のことについて話していきます。
目次
御朱印の頂き方をおさらいしてみよう
神社への参拝方法、そして御朱印の頂き方についてまずおさらいしてみましょう。
御朱印を頂くルールも神社や寺院によりけりなので、順序なども含めてそちらに従っていただければと思うのですが、ここでは基本的な順序と、最低限ここを押さえておけば参拝客も神社側も気持ちよく過ごせるよね、という手順を説明します。なので、必ずしもこれが正しい! 絶対!! ってわけではないので、その点はご了承いただければと。
鳥居をくぐる
鳥居を潜る時は、まず「神域で神様のいるところにお邪魔する」という気持ちをもって鳥居の前で一礼ですよね。
そうです。俗世間から隔絶された神社にとって鳥居は「境界」で、その先は神様がいる神聖な地とか、そういう認識で結構です。
参拝している方には一礼しない方も見かけますが、神社めぐりをするようになる以前は、自分もしてなかったんです。というのも、恥ずかしながらそうするものだと知らなくて。
神社の参拝方法は学校とかで教えてくれるようなことでもないですもんね。単純に知らない人は多そう。
あとは多分、“恥ずかしい”という方もなかにはいると思うんです。友だちと参拝していて、友だちは一礼していないし、周りの人やってないしみたいな感じで。たくさん境内に参拝客の方いる中で、自分だけ一礼するのはなんだか恥ずかしいみたいな方ももしかしたらいるかもしれない。
でもこれ、「鳥居の前では一礼するものだ」という解釈がもっと広まってみんな知っていたら恥ずかしくないわけですよね。もしかしたら意外と知られていないのかもしれない。
あと、帰る際に鳥居をくぐる時もくぐってから一礼ですね。誰かの家に行ったときに「お邪魔します」「お邪魔しました」って言うのと同じ感じ。
手水舎で手と口を清める
次に手水舎で手を清める。
ちょっとおじぎをして、右手で柄杓を持って、左手を洗って持ち替えて右手を清める。再度柄杓を持ち替えて左手で口をすすいでまた左手を洗って、柄杓を立てて水を流して柄杓の柄を清める。最後にまたちょっとおじぎをする。大事なのは一連の動きを一度汲んだ水で行います。あと柄杓に口をつけるのもNGですね。
たまに拝殿でお参りしてから手水に行く方がいるんですけど、それだと意味がないんですよね。大事な人に会う時に、その前にお化粧したり髪を整えたりすると思うんですけど、手水が後だと「大切な人に会った後にお化粧する」みたいな感じなんです。
それすごくわかりやすいですねーーー!!!! そういう解釈が頭に入っているといいですよね。手水をする時、“神様に会う前に身を整えておこう”という気持ちがあったら順番間違えなさそう。
もともとは“清め”だったので、大昔は全身を清めてました。 かといって、神社の手水舎で全身バシャバシャ洗われると神社的にも困ってしまう。現在はそれが簡略化されて、手と口だけになっています。
古事記のエピソードでありますよね。イザナミに会いに黄泉の国に行ったイザナギが、帰ってきて穢れを清めるために川に行って清める。
愛したイザナミに会ったけど、黄泉の国の食べ物を食べたイザナミは完全に黄泉の国の住人になっていた。手水で清めることはイザナギが黄泉の国から帰ってきて、黄泉の国の穢れを体を洗って清めたことからきてるんです。
手水って古事記のそのエピソードからきてるんですね!! 知らなかった。
神様は穢れを嫌うので、もーっと丁寧にお話しすると、入浴とかシャワーを浴びて簡易的に清めてくるとよりいいですね。
あと、移動中は参道の真ん中は神様が通る道だから開けるんですよね!
そう。正中(せいちゅう)というのですが、参道の真ん中は神様が通る道なので、端を通るのが望ましいです。
参拝する
清めた後は参拝。賽銭箱に神様への供物である賽銭を奉納して、鈴をならしてから拝礼ですよね。
拝礼の基本的な作法は、「二拝二拍手一拝」です。「二礼二拍手一礼」は、拝殿の前でまず軽く一礼。鈴緒を引いて鳴らし(鈴がある場合)てお賽銭を賽銭箱に納めます。背中を90度くらいの深い礼を2回(二礼)、両手を胸の前で合わせて二度拍手(二拍手)、その後もう一度手を合わせます。次に90度の深い礼(一礼)をし、最後に拝殿から少し離れてから軽く一礼して、拝礼が終わったことを知らせるというものです。これも神社にもよるので違う場合もあります。神社の参拝方法に従って参拝してくださいね。
寺院では胸の前で合掌し軽く頭をさげる(宗派にもよる)のみですね。お参りの途中までがほぼ同じなので間違えやすいのですが、寺院での拍手はNGです。
観光的な寺院に行くと、拍手をしてしまっている方は結構見ますね。気持ちはわかる。正直、以前は私も参拝するときに友だちに「これどっちだっけ?」と確認していたこともあります。
久しぶりに神社に来て、御朱印を新しくはじめたという方もいるので、わからないことがあるなら神社のことや参拝手順、御朱印の頂き方なども神社としてはなんでも説明しますので。「こんなこと聞いていいのかな?」と思わずに遠慮なく声かけて欲しいです。
さて、これで神社での基本的な参拝ができました。参拝が終わったら御朱印を頂けますね!
御朱印をいただく
参拝が済んでから、社務所で御朱印を頂きます。御朱印帳を神職の方にお渡しするときは、御朱印を書いてもらいたいページを開いて、神職の方の方から見て正面になるようにするとお互いにスムーズです。神社で頂ける挟み紙やしおり類は取り外してお渡しした方がより丁寧。
御朱印の初穂料は300円~500円ぐらいの神社が多いものの、見開きのものなどで1000円のものなどもあり、神社によりけりです。
鳥居をくぐって、社務所に来て、御朱印帳を預けて「参拝してきます!」という方は多いです。「参拝してきます」と言うだけまだ良いかもしれませんが、本来は先に参拝するべきですね。
御朱印帳を受け取って、その方が急に目の前からいなくなっちゃうと困りますよね。
ただ、観光地にもなっている大きな神社や寺院だったりすると、「先に御朱印帳を預けてください」という案内されることもありますね。そういうところに関しては、そこのルールや案内に従うべきですよね。ただし、あくまでも基本は先に参拝を済ませてから御朱印を頂くのがルール。そういう案内をしている神社や寺院は広くて、社殿と社務所がめちゃくちゃ離れていたりと「先に御朱印帳を預ける理由」があったりするわけで。
そういう特別な事情がない限り、基本は「鳥居→手水舎→参拝→社務所」ですよね。それが頭に入っていればきっと全国どこの神社に行っても困りません。
あとは、急がなくていいし、焦らなくていい。つまり境内を走らなくてもいいんですよ。私も逃げないので。
お正月などは境内を走っている方いましたね……気持ちはわからなくはないんですけど。
社務所に「境内は走らないで」って掲示するのもなんか嫌ですね……。「ここは学校か?」っていう。
限定御朱印を出すところが多くなって、1日に複数個所回らなくちゃいけなくなったからなのでしょうか。でも、神社としては限定を出している神社のひとつに入っているのも事実だから、あまり強く言えない部分もあります。難しいですね。
御朱印、どこからはじめたらいい?
「御朱印ってどこからはじめればいいんですか?」みたいなことも聞かれますが、神社の場合は御朱印帳のはじめは伊勢神宮(内宮・外宮)で、次が自分の住んでいる氏神様のところ。その次が自分の崇敬神社という流れはは確かにあるにはあります。けど、全部が全部そうもいかないと思うので。
かつては有無を言わせず最初のページを伊勢神宮さんで頂くためにあけてくれていた神社さんも多かったけど、最近ではそういう神社さんも少なくなった感じですね。
うちも、最初のページに書くときは「最初のページですがいいですか?」と確認する感じですね。でもそれこそたくさん回っていて、御朱印帳を何冊も持っている人となると、(全部伊勢神宮始まりにするのも難しいので)「最初でいいですよ」って。
伊勢に行く時に、大量に御朱印帳を持っていかなければいけなくなるんですよね。私が御朱印集めをはじめた時は1ページ目をあけてもらう機会が多かったので、最初があいてる御朱印帳が多いんです。それを全部確認して漏れのないように、最初のページを伊勢神宮で書いてもらわなくちゃと思っています。
伊勢神宮は遠方で参拝出来てないのが事実です……。しかも最後に伊勢神宮行ったのは御朱印をはじめる前なので、一冊はちゃんと伊勢神宮はじまりの御朱印帳を作りたいと思っています。それとは別に、人に御朱印集めを勧める時は、「デザインが好きな御朱印帳を手に入れるとモチベーションが上がって楽しく参拝できる」と言ってます。
この榎本さんがお持ちくださった御朱印帳めちゃくちゃ可愛くないですか!? これとか持ち歩きたくなるし、参拝する気分も上がりますよね。
神社で日々いろんな方の御朱印帳を見ているけど、これはあんまり見たことないかも。逆によく見る御朱印帳は千葉神社さんですね。青い地に星がキラキラってやつ。
どういうのだろ。(検索して)あ、これ千葉神社さんだったんですね。
よく見ますよね。社務所に並んでいる前の人が持っていたりする(笑)
こういう「神社あるある」も面白いですね。よく見る御朱印帳はこれだ、みたいな(笑)
参拝客の方が多く持っている御朱印帳、時期によっても波がありますけどね。あ、豊川稲荷東京別院さんもよく見ますねー。
豊川稲荷東京別院さん、稲荷だけど神社じゃなくてお寺なんですよね。
豊川さんは寺院だけど境内に鳥居もあるし、神仏習合が色濃いんですよね。
御朱印の楽しみ方
神社としては、参拝者の方はどういう気持ちで御朱印というものを楽しんでいるのかというのは気になります。
パターンが結構あって、私はたまたま出かけた先で神社を見つけて参拝して、その神社がいいなと思って御朱印も受けられるようであれば受けますし。あとは用事があって行く方面で、事前に調べていて周辺神社をまわることもある。
私は、ネットの御朱印好きが共有している情報を見て行くこともありますし、榎本さんみたいに、行った先でたまたまというのも多いです。そっちの方が多いかな? 初めて行く土地だからその周辺で事前に参拝できる神社がないか調べる。旅行でも有名な神社とか以外にも、行った周辺で神社があれば参拝させてもらったりとか。記念という気持ちもあって、日付が残るから後々残せて、どんな小さい神社でも自分の記憶に残って、あとで思い返せる。
写真を現像して思い出を思い出すのと感覚は似てるかも。その時に一緒に行った人のこととか、その日食べたものとかも思い出すことができる。話した神職さんとの会話も。何日も過ぎたのに、詳細に思い出せる。
鳥居くぐってそのまま社務所直行して、御朱印だけもらって帰ったというのだと見返しても何にも思い出が残らないですよね。じゃあその神社には何があったんだろう? というのは残らない。御朱印は“その神社が記憶に残る”というのがいいのかなあと。
御朱印を見返していて、もらった神社のことを考えている時ってその神社との縁みたいなのを感じます。
あんまり境内を見なくて滞在時間が短い人も多いですよね。そこは人によって差が大きい気がします。
だいたい神社って発見がありますからね。今参拝してる神社が、自分の好きな歴史上の人物と意外な接点があったりとか。「今回はどんな発見があるんだろう!?」って今はそれが一番楽しいかもしれません。御朱印はあくまでも、参拝の副産物みたいな気持ち。
神社は地域に根ざしているので、その土地のこともわかったりしますしね。
あとは私、旅先で枕が変わると寝られなくて怖いって思っちゃうんで、御朱印帳広げたりする。お守り感覚……?
そんな使い方する人はじめて聞いた(笑)
高木神社が御朱印で有名な神社になるまで
ちなみに御朱印は流行っていると言われてますけども、実際神職さんとしては体感的にどうですか?
私は神社に戻って禰宜(ねぎ)に就いて4年弱なんですけど、4年前や5年前は御朱印客が週にひとりかふたりぐらいで、ほぼ無かったですね。
今は社務所の開いているギリギリの時間まで、平日でも御朱印客の方がいらっしゃいますよね。
朝から夜まで、あまり途切れる感じもなく参拝と御朱印で訪れてくださる。ありがたいことに、週末には遠方からもわざわざ来て下さっています。
期間限定の御朱印授与がある週末には、境内に行列が出来るし行列が鳥居を出て伸びてしまったこともありましたね。今は他の神社さんも、限定のものの授与がある際にはそういう感じでしょうね。
それこそ4年前、インスタで神社のアカウントを作ってはじめた時は、SNS初めて投稿して、いいねっていうのも2、3件しかつかなかった。
え、 高木神社公式アカウントで?
そうです。でも日々ずっとやっていて、フォロワーも増えてきて、いいねもいただいて……。とはいえまだ4年なので。もっともっと時間をかけて発信して、この神社を好きになってくださる方を増やしたいと思うんだけど。神社としてはこういうことやってもいいのかなという気持ちもありつつ、神社を盛り上げたくて日々試行錯誤しています。
それ、神職ならではの悩みですよね。
新しいことをするには痛みも伴いますからね……。始める前は氏子さん(ある地域を鎮守している神道の神様が氏神で、氏子というのはその地域に住み、その神様を信仰する者同士のこと)に相談したりしているんですか。
氏子さんには行事について相談したり、協力してもらったりはするけど、御朱印や授与品などをはじめる前に相談というのは基本してないですね。というか周辺の人でも若い人は“こういう神社がある”ということすら知らなかったかもしれないです。
神職に就いて、まずはこの神社を知ってもらおうと思い、それにはどうしたらいいか考えました。当時は地域の人にもあまり知られていない神社だったんです。内の人が知らないなら、外から知ってもらうしかない。知ってもらった結果、最近は内の人もどんどん来るようになりました。七五三やお宮参りも増えているのですが、名が知れないとそういうことにはならないので。
お祓いに行こうってなったときに、名の知れない地元の神社と、ちょっと遠い有名な神社だとちょっと遠いけどそっち行こうかなってなりそうですもんね。
だから地元の人に知ってもらえたのがすごくありがたいですし、もっと知ってもらいたいです。
逆転現象ですね。御朱印もそうだし、外の人が広げてくれたおかげで地元の人も来るようになった。
「いつも前を通りすぎていたけど、最近はいつも人がいるから来てみました!」とか。あとはそれまでも毎日参拝に来てくれていた方が「最近賑わってるね」と言ってくださったりも。ありがたいことですね。
高木神社さんの賑わいぶりは地元の人から見ても実感できるような感じだったんですね!
名前が知れるのは嬉しいし、もっと広げてもらいたいんですが、神社として参拝はきちんとして頂きたいし難しいですね。今は地方の神社さんからインスタ経由で、「それはどうやってやればいいですか」「そのデザインはどうやったら作れるんですか」など質問されます。
いい流れですね!! 今や地方の神社さんのお手本になったりもしてる。いろんな神社さんが新しいことをしようとしているんですね。
いろいろな御朱印
カラフルだったり見開きだったり、いろいろ増えましたけど高木神社さんがはじめた頃はまだ受けられるところは少なかった気がします。
期間限定で見開きの御朱印を2017年3月にはじめました。その時はまだ見開きの御朱印は少なかったんです。
えー! これ風鈴で有名な川越の氷川神社さんですか? 見開きの御朱印されてたんだ。かわいい!
とにかく参拝客が多かったですし、年齢層が若かったですね。大学生ぐらいが多かったんじゃないかな? 社殿のライトアップもしててすごくきれいでした。
この神社さん、御朱印が注目される前から風鈴とかで人気ありましたよね。あと5年前ぐらいは境内の川にプロジェクションマッピングもしていました。
風鈴はすごくきれいですし、みんな浴衣ですごく華やかでした。あと神社の近くにあるカフェも、和のテイストのかわいいデザートがあって美味しかったです。
これ新田神社さんの矢口鎮座限定の見開きの御朱印(11月10日で終了)で、見開きって書置きのものが多いけどこれはその場で帳面に書いてくださるものも選ぶことができました。書き手さんが手一杯の時とかは書置きだけど。破魔矢発祥の神社でもあります。
ここ、神社でコスプレできるイベントも以前やっていましたよね。いろいろやられている神社なので気になっていました。
あと「LOVE神社」といっていて境内にグラフィックデザイナーの浅葉克己氏による石の彫刻「LOVE神社」が奉納されていました。
だから御朱印にもLOVEって書いてあるんだ。
本当にカラフルな御朱印が増えましたね~。
最近は、御朱印のあり方も変わってきたなあと思っていて、今は美術展でも御朱印が受けられるんですよ。現在、東京で別の美術館と博物館でそれぞれ真言宗の別のお寺の展示企画をやっていて、本尊の木彫りの像などを全部持ってきて展示しているんですけど、その展示企画で御朱印を出している。つまり、実際にはそのお寺を参拝してないけど御朱印を受けられちゃうんです。
それは、仮設的なお賽銭箱があったり、参拝できる環境があったりするわけではなく?
そういうものもなかったですね。御朱印はミュージアムショップで売っています。前売りチケットで限定御朱印か、限定御朱印帳が付くパターンもあるんです。
すごい。
この御朱印は全部お寺の方で書いてくださっているものなんですよね。本来の現地で受けられるものとの違いは、右上の『東京国立博物館出陳記念』の印が入っているか入ってないか。日付は入ってなくて、一体700円づつです。これは参拝せずに頂けるもので、これが御朱印としてOKになってくると、“参拝して頂くもの”という御朱印の概念自体が変わってくるのかもしれない。もう一方の美術館は御朱印は無くて御朱印帳が売っていますね。
それほど一般的に“御朱印”というものが浸透してきたのでしょうね。御朱印帳が雑貨屋さんでも売っているのはもちろんですが、ディズニーショップなどでも見かけます。
私もゆるキャラの御朱印だったり、お城の御朱印を頂いたことがあります。
御朱印が宣伝の範囲になってきたのかなあと。今後御朱印の概念は変わってくるかもしれないと思います。
きっかけは「楽しそうだから」でもいい
御朱印を取り巻く環境はいろいろありますが、御朱印が神社に来るひとつのきっかけになればいいですよね。
はじめるきっかけは「楽しそうだから」でもいい。それでまた来てくれて、神社のことをもっと知って行ってくれればいいですよね。神社さんでもいろんな個性のある神社さんがあるからいろんなところを参拝して、その中で自分の好きなところを見つけて欲しいです。
歴史の勉強にもなりますし面白いです。今は古事記や日本書紀に興味が出てきたので勉強したいなと思っているところです。
今回の記事で、みなさんがどんな風に思うかが楽しみですね。いろんな考え方に行き着くと思うし、それがきっかけになって、高木神社さんなり地元の神社に行ってみようってなるかもしれないし。
もう少し経つと初詣がありますし! その前に新嘗祭(毎年11月23日)もあるし。冬至(2018年は12月22日)もありますね。
クリスマスやハロウィンに隠れがちですけど、冬は日本も行事がいっぱいですからねぇ。
せっかくだから神社にも参拝してみようかなって思ってもらえたら嬉しいですよね。
そう、実は日本も冬は行事がたくさんなのです! そしてそれに合わせた限定の御朱印も用意されていたりするので、今から楽しみです。
秋や冬の季節は、季節的にも参拝しやすい季節でもあります。紅葉もきれいですし、空気の澄んだ秋冬は神社参拝にもってこい。あとは実際に参拝してみると本当に神社ごとに個性があって面白いので、この記事がみなさんのなにかしらのきっかけになれば嬉しいです。
■取材協力
高木神社
住所:〒131-0045 東京都墨田区押上2-37-9
電話/FAX:03-3611-3455
URL:http://takagi-jinja.com
■参考図書
「イラストでまるわかり! 日本の神様ご利益辞典」 國學院大学教授 平藤喜久子監修
penBOOKS「神社とは何か? お寺とは何か? 日本文化の源流を求めて」 武光誠監修 ペン編集部(編)