勝沼ぶどう郷に7年通ったライターがぶどうの楽しみかたを教える!

勝沼ぶどう郷はぶどう狩りに大人気のスポット。勝沼ぶどうの丘ではワイナリー飲み放題もある他、お土産や温泉も。様々なぶどう農家やワイン、アクセスからどんな品種が取れるかまでを徹底解説します。この記事を参考に、ぜひとも勝沼のおいしいぶどうを味わいつくしてくださいね。

たくさんのシャインマスカット!

200種類のワインが1500円(税込)で飲み放題!

 

ここは、天国なのでは……???

さて、この天国はこちら!

「勝沼ぶどう郷」こと山梨県は甲州市勝沼に来ております。

いま、ぶどう狩りが人気なのをご存知でしょうか。勝沼に7年間、毎年通っているライターの少年Bが、今日はぶどう郷のたのしみかたをお教えいたします!

 

勝沼へのアクセスは?

勝沼へのアクセス方法はJR中央線の勝沼ぶどう郷駅を利用するか、高速バスの勝沼バス停を利用するかがメインになります。もちろんマイカーでも!

ただ、休日の中央道はかなり混みあうので、個人的はJRをおすすめします。

駅にもぶどうが実る「勝沼ぶどう郷」

7月~11月のぶどうシーズンには、休日下り3本、上り4本の特急「かいじ」が勝沼ぶどう郷駅に臨時停車します。(9月~11月は平日にも毎日1往復が停車)

山梨と言うと遠いイメージがありますが、特急を利用すれば新宿から1時間半で来れてしまうんです。

ぶどう園の密集する勝沼地区は、駅から徒歩20分~40分のエリア。

歩いてもいいのですが、おすすめなのは、甲州市レンタサイクル「ぐるりん」。電動アシスト付きの自転車で、勝沼ぶどう郷駅・塩山駅・甲州市役所勝沼支所の3ヶ所で自由に貸し借りができます。

こちらは事前登録がなくても、1日1,000円で借りることができますよ。

レンタカーを借りて回りたい!という場合は、勝沼ぶどう郷駅周辺にはお店がないので、ひとつ山梨側の塩山駅を利用するといいでしょう。

また、「ワインも飲みたいから運転はしたくない!」という方には、駅からは4つのコースを通る「甲州市市民バス」が毎日各3本ずつ、計12本運行しています。

ハイシーズンの9月半ばから11月末までは、土日に限り富士急バスの運行する「勝沼周遊バス」が4往復増えるため、さらにバスが利用しやすくなります。

どちらのバスも1回300円、1日券は1,000円です。

 

ぶどう狩りに行こう

さらに、いくつかのぶどう園では駅までの送迎サービスを行っている場合があります。駅に到着する時間を連絡すれば、駅まで迎えに来てくれますよ。

送迎サービスとバスとタクシー。この3つをうまく組み合わせることで、勝沼はもっと自由に楽しむことができます。

マイベストぶどうを探せる久保田園

送迎サービスを行っている「久保田園」にやってきました。駐車場の上には「甲州」というぶどうがたくさん実っています。

この久保田園では、40種類以上のぶどうを栽培。久保田園で交配してつくったオリジナルの品種もたくさんあります。

時期によって変わりますが、入場すると1~3種類の試食ぶどうが配られるシステムになっています。今回はスーパーでもおなじみの「ピオーネ」。

このぶどうを食べたあとは、ぶどうの直売コーナーに。

おなじみの「ピオーネ」のほか、粒の大きさが巨峰の2倍もある「藤みのり」。

マスカットの香りがする「早生甲斐路」に、さっぱりした味わいが特徴の「ベージャーガン」。

よく見るものから、勝沼でしか買えないような品種まで。

みんな大好きな「シャインマスカット」に、緑色のぶどうでもっとも大粒の実がなる「翠峰」。

時期によって品種の数は異なりますが、これらのぶどうはすべて味見ができます。

たまに、園主さんが裏から貴重な品種を持ってきてくれることも……

取材本日のぶどう狩り対象品種はシャインマスカットでしたが、特別に他の品種の畑を見せていただきました。

園主の久保田さんは久保田園の4代目。

「豊富な知識、豊富な品数であなたの『MY BEST ぶどう』探しを お手伝いいたします。」

こちらはオリジナル品種の「シャインローズ」。いま大人気のシャインマスカットに、皮ごと食べられる「紅バラード」を交配して久保田さんが作った、世界でここにしかないぶどうです。

シャインマスカットよりも甘く、熟すにつれて徐々に黒糖みたいな風味の出てくるのが特徴です。8月末~9月が旬で、この味を求めていらっしゃるお客さまも多いのだとか。

広い園内は、遊具や卓球台もあり、家族でのんびりと過ごせます。

赤い「早生甲斐路」と珍しい「ベージャーガン」をお買い上げ。

スーパーで売っているぶどうよりも倍くらい大きいので、食べごたえもじゅうぶん。

珍しいぶどうもたくさん。とにかく色んな種類を食べてみたい!というかたに、ぜひおすすめのぶどう園です!

久保田園

住所 山梨県甲州市勝沼町勝沼1611
営業時間 8:30~17:00
営業日 シーズン中は無休

 

こだわりとあたたかさのあふれる信玉園

こちらの信玉園も、送迎を受け付けているぶどう園のひとつ。

中規模のぶどう園で、お店のおばあちゃんが「あら、あんたよく来たわねぇ~!」なんて、気さくに話しかけてくれます。

今日の試食は上から時計回りに甘さと酸味のバランスがいい「翠峰」、おなじみの「ピオーネ」と「シャインマスカット」、園主がいちばん好きという「ゴルビー」。

こちらの信玉園は試食のときに野沢菜のお漬物が出てくるのが特徴。甘いぶどうにこのお漬物が実に合うんです。

このお漬物はおばあちゃんの手作り。「これを食べにきた」なんてファンもたくさんいるそうですよ。

「今年は梅雨が長引いた上に雹の被害に遭い、苦労してるんですが……」と話す園主の窪田さん。

例年なら8月1週目に開園するところ、「このぶどうではお客さまには出せない」と今年は8月の2週目まで開園をずらすなど、フレンドリーなだけではなく、味には妥協をしません。

こちらでは強い甘味とポリポリとした食感が特徴の「ルーベル・シードレス」を狩らせてもらうことになりました。

リフトで上がってぶどうを狩ります。

おいしい「ルーベル・シードレス」が獲れました。こちらも顔と比べてもこれだけの大きさ!

あたたかい空気感と、たしかなこだわり。信玉園には、それがあります。

信玉園

住所 山梨県甲州市勝沼町勝沼1973
営業時間 8:30~17:00ごろ
営業日 シーズン中は無休

 

心のふるさと金珠園

こちらの金珠園は小規模な直売所。

ぶどうだけでなく、ももやいちじくといった果樹全般を栽培している果樹園です。

園主の雨宮さんは、定年退職をしてからこちらのお店をオープン。

長年農協に卸していたという自慢のぶどうは、見た目も味もばっちりです。

「はい、ありがとごした」と甲州弁で話すご夫婦に、こちらもついつい笑顔になってしまいます。

この日は4種類のぶどう。シャインマスカットの子どもで大粒の「雄宝」や、パリッとした食感が魅力の「クイーンニーナ」など。

植える品種の選定にも各園の個性が出ているので、ぶどう園はいくつか回ってみるのがたのしいんです。

ハートのかたちで、見た目にもたのしい「マイハート」というぶどうを見せてもらいました。

「いつごろ獲れますか?」との問いに「まーだお天道さんに聞かなきゃわかんないねぇ」と笑う雨宮さん。収穫の時期が楽しみです。

金珠園

住所 山梨県甲州市勝沼町等々力1778−1
営業時間 8:30~17:00ごろ
営業日 シーズン中は無休

 

ワイン工場を見学しよう

ぶどうと言えば、勝沼にはワイン工場もたくさん。

今回は山梨県内で最大規模の生産量を誇るマンズワインの工場を見学させてもらいました。

1962年に誕生したマンズワインの勝沼ワイナリーは、11時から15時半まで30分間隔(12時・12時半はお休み)で予約不要の無料ワイナリー見学を行っています。(10名以上の場合は事前に予約が必要)

現在は建て替え工事が進行中。2020年4月にはリニューアルオープンの予定とのことです。

こちらのワイナリーでは日本古来の品種である「甲州」や日本で交配された品種「マスカット・ベーリーA」のワインを主に作っています。

「世界では生産されるぶどうの80%以上がワイン用で10%がレーズン用。生食用は10%行かないくらいなんです」とのこと。

見学ツアーではワイン造りの行程だけでなく、世界のぶどう事情も学ぶことができます。

見学ツアー参加者限定で、実際に樽で熟成させているワインや、50年以上前のワインを見ることができます。

見学のあとはショップへ。

こちらではワインの試飲や購入ができます。

高級ワインの「ソラリス」シリーズは有料ですが、その他のワインはすべて無料で試飲ができます。

いろんなワインを飲みくらべて、お好みの1本を見つけるのも楽しいかも!

白ワインに使われる甲州を、赤ワインと同じように皮と種を一緒に仕込んで作った通称「オレンジワイン」も試飲ができます。

人気のワインをうかがったところ、「酵母の泡」シリーズが、日本ワインのスパークリングワインとして2017・2018年の国内売り上げNo.1(日経POSデータによる)とのこと。

こちらも試飲ができるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

マンズワイン勝沼ワイナリー

住所 山梨県甲州市勝沼町山400
営業時間 9:00〜17:00
見学受付  9:00~11:30 / 13:00~15:30
営業日 年中無休(年末年始・特定休日を除く)

 

食事やお土産は勝沼ぶどうの丘へ

勝沼で食事やお土産を買うのに最適なのは、勝沼ぶどうの丘。

その名の通り、勝沼の市外を一望できる丘の上にあります。絶景~~!!

店に入ると、勝沼で作られたワインが所狭しと並んでいます。

お土産も「ぶどうカレー」や「ももカレー」といった変わりダネや……

国産ぶどうのドライフルーツも。品種ごとに味のちがいを楽しめます。

そして何よりおすすめしたいのが、

このタートヴァンという専用の試飲容器を1,500円で購入すると……

ワインカーヴにある約200種類のワインが飲み放題です!

タートヴァンは持ち帰ることもできるので、家でもソムリエ気分を味わうことができますよ。

ほかにも、広い敷地内にはレストランや、景色も楽しめるバーベキュー場も。

山梨名物ほうとうのお店もあります。

敷地のなかには美術館もあります。

食事のあとは絵画鑑賞もいいですね。

美術館の隣には34種類のジェラートを販売する「氷の果子処」も。

34種類のうち、ぶどうは品種ごとに5種類もあります。

ぶどうジェラートを選んでみました。

みんな大好きな「シャインマスカット」は甘くてさっぱり。下段は昔ながらのワイン用ぶどうの「アジロン」。香りが強くて、独特の風味があります。

おなじぶどうでもまったく個性がちがっていて、楽しいです。

氷の果子処

住所 山梨県甲州市勝沼町菱山5093 甲州市勝沼ぶどうの丘 美術館横
営業時間  10:30~16:00
営業日 年中無休

天然温泉が楽しめる「天空の湯」やホテルも併設しているぶどうの丘。

勝沼に行った際はぜひ一緒に立ち寄ってみると、落ち着いた時間が過ごせますよ~!!

ぶどうの丘

住所 山梨県甲州市勝沼町菱山5093
営業時間  8:00~20:00(施設により異なります)
営業日 年中無休

 

まとめ

勝沼のぶどうをたっぷり味わい尽くす3つのコツを、最後にあらためてもういちど。

・お酒を飲まなければレンタサイクルが便利!(レンタカーは塩山駅で)

・ぶどう園の送迎、バス、タクシーをうまく使えば移動がラクに!

・ぶどう園ごとに品種や見どころがぜんぜんちがうので、ハシゴをするとたのしいよ!

みなさまもこの記事を参考に、ぜひとも勝沼のおいしいぶどうを味わいつくしてくださいね~!!