チョコレートって、どうやって作るの?カンでカカオ豆から作ってみた_PR

ブノワ・ニアンさんにチョコレート作りのコツを聞く前に、3人がそれぞれカカオ豆からチョコレートを自作しました。ブノワ・ニアンのチョコの美味しさの裏にどのようなこだわりがあるのか。一番大事な事は「美味しい豆を探す」という工程とのことです。

チョコレートをカンで作るハメになってしまった。

知人から「ヨッピーさん、チョコレートは好きですか?」と唐突に聞かれた時にコンマ2秒で「大好きです!!!!」と返答した。こういう時は「なんか良いやつ」をくれたり、もしくは仕事の相談だったりする可能性が高いからだ。良いやつも欲しいし、仕事だって欲しい。

だから僕は「馬肉好きですか?」って聞かれたら「大好きです!」ってすぐに答える(良い馬刺しが手に入ったからあげましょうか?とかの可能性が高い)し、「北海道好きですか?」って聞かれたら「好きです!」って答える(北海道に行く仕事の可能性が高い)。

そんなわけで脊髄反射で「チョコ、大好きです!」と答えたら知人から「実は、あのブノワ・ニアンの仕事でしてね……?」みたいに言われ、「ええっ、まさかあの、ブノワ・ニアンの!?」と大袈裟にリアクションを取ってみたのは良いのだけど、

「僕、ブノワ・ニアン、知らない」

と心の中では西部劇に出てくるインディアンみたいになった。
ブノワ・ニアン?
え? 誰?
「タイのキックボクサーみたいな名前だな」くらいに思った。

チョコレートの神様、ブノワ・ニアンさん。

なんでも、ブノワ・ニアンはベルギーのチョコレート職人で、世界中のチョコレート好きの人たちの間では神様みたいな存在らしい。試しに「ブノワ ニアン」でTwitter検索したらブノワ・ニアンについて呟いてる人がマジで全員絶賛しててビビった。誰?とか言ってマジですいませんでした。

ブノワ・ニアンのチョコレートは日本でも時折、期間限定の催事なんかで発売される事もあるらしいのだけど、そのたびにすぐ売り切れるので「日本にも支店を作ってくれ!」と日本のチョコレートマニアが暴動を起こす勢いらしい。

そのブノワ・ニアンはものすごい手間暇をかけて1つのチョコレートを作るらしく、その話を聞いた僕がふと「そもそも、チョコレートってどうやって作るんですかね?」という素朴な疑問を投げたところから苦行がはじまった。

「え?知らないんですか?」

「知りませんよ。カカオ豆から作る、ぐらいは知ってますけど、あの豆をどうやったらチョコレートになるのか見当もつかないし、そもそも普通の人たちの知識って僕とそんなに変わらないと思いますよ。知ってる人の方がぜったい少ない」

「じゃあ1からチョコレートを作ってみたらどうですか?そしたらブノワ・ニアンのすごさがわかりますよ」

「マジか……」

そんなわけでカカオ豆が届いた。これを使ってチョコレートに仕上げろ、という事らしい。ルールは以下の通り。

・他の食材を追加してもOK。
・ネットで作り方を検索したりするのは禁止。
・もちろん知ってる人に聞くのも禁止。

以上。

僕だけでやるより、ライターを集めてみんなにやって貰った方が色んなチョコが出来て面白いかと思ったので、ライターの大北栄人さん、作家の岸田奈美さんにもチョコ作りにチャレンジして頂いた。それぞれがどんなチョコレートを作り上げたのか見て頂ければ幸いである。

大北栄人さんの場合

※ここからは大北さんが執筆しています。

豆からチョコレートを自力で作ることになった。これでもバレンタインデーにチョコレートを作ったことはある。そのときのレシピには「チョコレートを溶かして生クリームを入れてから冷やして固めろ」と書いてあった。元々チョコレートだったものを使って形の違う別のチョコを作る。レシピというよりは何らかのロンダリングではないのか。納得がいかなかった。

なので豆、どんとこいだ。豆から作ってこそのバレンタインデーだ(そもそもなんでバレンタインにチョコを作ったのか忘れた)。そして豆が家に届いた。

でかくてくさい。一応は豆というかタネみたいなものなのにこんなに個性が強いものだったのか。ためしにかじってみた。

すっぱい。強烈な匂いだ。油性マジックをなめているようだ。チョコレートってそもそもそれ自体、味が濃いものだが、こんなに尖りまくったものからできているのか。どんとこいとも言えなくなってきた。

 

とりあえず砕いてみよう。コーヒーミルがあったので細かくする。

ある程度のところまでは細かくなったがそれ以上は機械が空転するようになってしまった。

なめてみる。コーヒーより味が強い。本来のチョコレートはこんなにすっぱくないものだ。

ここでコーヒーのことを思い出してみる。浅煎りのコーヒーは深煎りのコーヒーよりすっぱい。つまりこの強烈な酸味は焙煎によってとれていくのではないだろうか。焙煎だ、焙煎。コーヒーの作り方でやってみよう。

コーヒーとちがうのは匂いがきついことだろう。なんの匂いか考えたところ屋台の匂いだった。焼きとうもろこしの屋台の醤油がむせ返るほど焦げたような匂いである。

皮がはがれている。コーヒーでも焙煎をすると皮がはがれていく。これははがしていくべきなのだろう。チョコレートを作っているはずがどんどんコーヒーに近づいていく。皮をちまちまむいていく。

1時間くらい皮をめりめり剥がしていく。剥がし終わったらミルで挽いてペーパーフィルターに入れてお湯を入れる。

ここまではコーヒーである。コーヒーと同じように豆の成分をお湯に溶かして下にお湯ごと落とすのである。コーヒーと違うのはここから水分が下に落ちていかないことである。

ふきんに入れて絞る。するとふきんが破れたのでもはやあきらめた。一時間ほど待って落ちてきた量がこれだけ。

これがチョコレートをコーヒーとして扱ったものである。もしかしたらこれが本物のココアというものなんじゃないか。明らかに水っぽくてここから固まりそうにない。砂糖を入れて一回飲んでしまおう。

これが…なかなかに美味しい。だがチョコレート味ではない。プルーンとチョコレートの間くらい。どちらかというとプルーン側。最初はおっかなびっくり飲んでいたけど、安全を認識してからはめちゃくちゃ美味しい。コーヒーよりもおいしさだけでいうと上な気がする。カカオ豆の力はすごい。やすやすとコーヒーを超えてきた。「カカオ湯」みたいな新しい商品になる気がする。ビジネスチャンスだ。

しかしこれはどうしたらいいのだろう。

全く減らない。

下に落ちていかないということはこのボデっとたまっているところにチョコレートらしさがたまっているのだろう。ここで気づく。

「もしかしたら成分を抽出するのではなく豆ごと固まらせるのでは?」

「水分が落ちない」そこからこれだけのことがわかった、人間はかしこい。だがやり直しである。もう一度焙煎し、豆の皮をむいて挽いたものを煮る。

ごっぽごっぽ泡立ってくる。これがどうやって固まるのだろうか?

一つ思ったのがバターである。チョコレートの原材料には「カカオマス(豆)、ココアバター」と書いてある。カカオマスはこの豆だろうから、あとはココアバター? なんらかのバターっぽいものだろう。ということはバターを溶かしてまた冷やせば固まるのではないだろうか。そしてミルクチョコレートというものがあるくらいだから乳製品は入れてもかまわないだろう。無塩バターを入れた。

おいしそうだ。砂糖もドバっと入れてからバットに移す。そして冷蔵庫へ。さあ、できたぞ。人は豆からチョコレートを作れるのだ。わくわくしながらその日は寝た。

冷蔵庫で寝かせて翌日。絶望が待っていた。このくぼみの部分をご覧いただきたい。ゆるゆるなのだ。まったく固まっていないのである。じゃあどうやって固めるんだ?

凍らせてはどうか。一回冷凍庫に入れて凍ったままで食べる。

やはり冷凍は冷凍だ。しかも粒子が粗い。コーヒーの粉をそのまま食べているような感じだ。これはチョコレートではない。だが、うまいのである。

チョコレートってこんなにフルーツっぽいものなんだろうか。木になっている果実を想像しながらもう一口食べてみる。うん、やっぱりフルーツだ。甘さは砂糖によるものだが、酸味や香りが口の中からはちきれんばかり。え、こんなに美味しいのか!

なんだか鼻がでかくなったような気がする。香りを感じるスペースが奥に3倍くらいに広がっている。チョコレートがめちゃくちゃ香っているのか、鼻がでかくなっているに違いない。そこにほどほどの酸味が加わる。これはもうフルーツだ。

カカオ湯に続いて冷凍カカオ。またしてもビジネスチャンスだ。

その後カカオ豆をネットで買う場所を探した。こんなぐしゃぐしゃな食べ方でも、あまりにも美味しくて継続して買う気満々なのである。

さんざんネットで「カカオ豆 購入」などと検索してからふと我に返った。チョコレートができてないのだ。やり直し。今度はフライパンで煎ったものを皮をむいてコーヒーミルで挽いた。

ここまでは大差ないがここからすり鉢ですりおろした。粒子を細かくするのだ。

30分ほどやってから火にかける。

砂糖、バター(固まらないながらもバター的なものがないと美味くならないと信じ切ってしまい…)を入れる。さあ、これをどうやって固めるのか。固めるといえばもうゼラチンではないだろうか。

「こんなかでチョコレートの中にゼラチン入れるのひよってるやついる? いねーよなあ!」(最近見たアニメの一場面です)
そんなイケイケの気分でゼラチンを入れた。ゼラチン自体は無味無臭だから言わなければばれないだろう。なにがなんでも固めるのだ。後には引けん! ええい、反対されたっておれの東京五輪は開催する!

ドロドロになったものをバットに入れて置いておく。すると固まっていた…!!

固まった! かじってみるとまだまだ粒子が残るものの固形である分、チョコレート感はある。味は以前の固まらなかったものよりだいぶ苦くなった。だがこれも「ダークチョコレート」と思えばなんとかそんな感じがする。チョコレートを知らない人に口頭で「大人向けのビターなチョコレートだよ」などと説明してからこれを食べさせたら「チョコレートだ」と言うだろう。

これが正解だとは言えないが、おれのチョコレートはできた。何より正解が知りたい!

岸田奈美さんの場合

※ここからは岸田奈美さんが執筆しています。

自宅にカカオ豆が届いた。届いてしまった。

ここからどうすればいいか、さっぱりわからない。とりあえず袋を開けてみたら、「香ばしさ」を0.2秒後に「酸っぱさ」が追い越し、鼻腔の奥へとんでもない酸味が駆け抜けてくる。

「ぶえっ」と呻いて、あわてて袋を閉じた。昔、理科室でアンモニアを嗅いだ時と同じリアクションだ。この酸っぱい物体をどうすればいいかさっぱりわからない。

しかし脱出ゲームから学ぶならば

「最初に配られたアイテムと会場を隅々まで観察する」

が鉄則なのだ。

 

パッケージを裏返す。そこにヒントがあった。やはりチョコレート作りは脱出ゲームだ。

産地である「タンザニア国モロゴロ州キロンベロ県ムビング村」からは、「口に出すと意外にかわいい響きがする」ということ以外なにひとつ得られなかったが、よく見れば「焙煎してお使いください」と書いてあるじゃないか。

「よし!焙煎だ!」と思った直後に「でも焙煎ってなんだっけ?」と思った。焙煎……?
しかし焙煎という響きは聞いたことはある。あれはどこだ。どこで聞いたんだ。

 

「バンバンバンバン、バンサンカン……」

 

脳裏におぼろげな、三匹のエプロンをつけた牛の姿が浮かぶ。

 

「焼き肉焼いても家焼くな……」

 

牛たちが歌っている。もっと先、もっと先だ。

 

「晩餐館 焼き肉のタレ 焙煎にんにく 新発売!」

 

それだ!

 

一気に記憶が鮮明になる。直火で香ばしくあぶられているにんにくの絵。つまり、カカオを火をあぶればいいのだ。やはりチョコレート作りは脱出ゲームである。知識と直感が明暗を分ける。

そこで一旦カカオを取り出し、自宅にある太宰府天満宮の御札の前にお供えした。太宰府天満宮は学問の神を祀っている

ちなみにお菓子づくりが絶望的に下手であるわたしが今回意識したのは「とにかくええ素材と道具を使う」ことである。京都に移住して初めて訪れた日本料理屋の店主がいっていた。「京都は採れる素材がええから、シンプルに料理しても美味いんや」と。「包丁も平安時代から代々続く京の職人が作っとるから、美味いんや」と。これに倣ってみる。

オーブンは新品のバルミューダだ。新幹線でいえばグリーン席で移動しているようなものである。カカオも満足そうにしている。

カカオ豆を洗って、18℃0で10分焼いてみた。酸っぱい匂いがわずかに残っているけど、香ばしい匂いが勝ってきた。いい感じである。ここからどうしようかと、カカオをつまみあげると。

「あれっ?」

パリッと軽い音がして、殻が弾けた。カカオは固い殻に覆われていたのか。熱で乾燥して、ヒビ割れたみたいだ。

よし、剥こう。

だが、さっきのはたまたまパンッパンッに中身が張っていたワンパク豆だったようで、他の豆はちょっとやそっとじゃ全然割れない。皿に親指の腹で押しつけるようにして、なんとか割る。

殻の中のさらなる豆みたいななにかが、砕け散った。思ってたんとちゃう。つるんと枝豆みたいに剥けてほしかった。殻の薄皮がついたままのものもあり、ピンセットで取り除いていく。

10粒に1粒くらい、つるんと剥けるのがあって、それに当たると声をあげるほど嬉しい。

ぜんぶ剥くのに、四時間かかった。指先がふるえ、目がしょぼしょぼし、後半はもう薄皮がだいぶ混じっている。作業のお供にとテレビで流していた「ルパン三世 TVスペシャルシリーズ」を三作も連続で観てしまい、noteで考察を書くまでになってしまった。

ここからチョコレートっぽい液体にするには、どうしよう。

個体から液体にするには、たぶん、アイスクリームを溶かすみたいに温度を上げるか、フルーツジュースを作るみたいに粒子を細かくするかの、どちらかだ。

溶かすにしても細かい方が溶かしやすいはずなので、3万円で買ったフードプロセッサーで細かく砕く。

はずだった。

電源を入れて10秒で、フードプロセッサーがウンともスンともいわなくなった。

壊れた。

ショックで気を失いそうになったが、手で細かくできる気がしなかったので、今度はコーヒーミルで砕いてみる。フードプロセッサーより少量しか投入できないが、コーヒー豆がいけるなら、カカオ豆だって砕けるはず。

南無三。

砕けた!砕けたぞ!

フタを開けると、一気にチョコレートを彷彿とさせる香りが充満する。うっとりするような甘ったるさはまったくないけど、これはチョコレートだ。よーし!チョコレートの影が見えてきた!

しかし、しばらくガリガリガリガリやってても、これ以上細かくならない。

 

バットに広げてみたが、粉だ。

粉っていうより、砂だ。

夏の甲子園で球児がこんなのを袋に詰めていた気がする。

電子レンジでチンしてみたり、すりこぎでゴリゴリと潰してみたりしたが、一向にまとまる気配がない。

指も腕も疲労がたまっている上に、ご飯も食べそびれていたので、気分転換がてら外に出たら蚤の市が賑わっていた。

京都の骨董屋や古道具屋がこぞって、テントの下で品物を披露している。

どこを観ても、京と和のテイストが漂っているので、チョコレートにまつわるヒントはなさそうだなと思っていたら。

おっ、これは。

しばらく眺めていると、文庫本を読んでいた店番のお兄さんが近づいてきて、言った。

「京都の老舗和菓子屋から払い下げてもらった落雁※の型です。今はもう滅多に作られていない、めずらしいやつですよ」

※落雁……米粉とお砂糖などを混ぜ、固めて食べる和菓子。おばあちゃん家に行くと出てくる。

「ほう……」

「これ、いくらですか」

一番かっこいいと思った、玄武の型を手に取る。

三千円だった。

迷わず買ったのは、ひらめいたからである。学問の神がわたしに舞い降りる。

その足で、和菓子用の材料が多く売っている高級問屋へ寄る。

「粉」という大雑把すぎる名称の棚に、ありとあらゆる粉が陳列していた。

しかし、京都ならではの上等な粉といえば、やはり。

和三盆だ。

「砂糖」より「上白糖」より、なんか「エエもん」感を放っている。これぞ京都だ。あとから調べたら和三盆は京都ではなく香川の名産だったけど、細かいことは気にしない。

「この勝負、もらった!」

駆け足で引き返し、砕けたカカオの粉と混ぜる。

カカオがかなり苦くて、和三盆を控えめに入れていても全然甘くならないので、1:1くらいの割合でドサドサと入れた。

さらに粉っぽくなってしまったが、ぺろりと指につけて舐めると、味は……チョコレートだった。ホロホロとする食感はまったく違うものの、甘くて香ばしい。味の方向性はたぶん間違ってない。

ただひとつ弱点があるとすれば、それは、固まらないことだ。

さっき買ってきたばかりの型に、ギュッギュッとチョコレート粉を入れて、押し固める。これであとは取り出せば、玄武の形になっているという天才の寸法だ。

「お前、それはチョコレートじゃなくて、落雁やろがい」

そんな声もどこからか聞こえてくる。

タンザニア国モロゴロ州キロンベロ県ムビング村のみなさんは、突如として無理やりねじ込まれてくる京の作法に、きっとポカンとするに違いない。しかし固まらないものは仕方がないのだ。

「京都の落雁からインスピレーションを受けました」「日本とタンザニアの架け橋となるお菓子です」とか言えばなんだか押しきれそうな気もする。

砂、もといチョコレートの粉が半分ほど余ったので、ボウルに入れて常温のまま置いておき、わたしは明日の試食会に備えて眠りについた。

そして、目が覚めると、予想もしないことが起こっていた。

ボウルに入れていたチョコレートの粉に、なぜか、粘り気が出ている。なにもしていないのに。レンジでチンしても溶けなかったのに。放置していただけで、なぜ?

混乱しながら、湯煎で熱をくわえてみると。

ネチョッ、ネチョッと、昨日は聞こえなかった確かに水っぽい音が鳴る。これはチョコレートだ。少なくとも、落雁もどきよりは、チョコレートだ。

それにしても一体なぜ?

わたしはふと、太宰府天満宮の御札を見る。もしかして、夜の間に、あなたが。

戸惑いながら、スプーンとスプーンで丸めて見ると、とてつもなくチョコレートのようなものが完成してしまった。

一粒ずつ袋に入れてみると、どこからどう見ても、バレンタインのチョコレートになった。本命じゃなくて、義理でばらまく方のやつ。ノスタルジーがすごい。

これはもう優勝してしまうんじゃないだろうか。己の才能と、太宰府天満宮の御利益におののきながら、試食会の会場へ向かった。

ヨッピーの場合

※ここからはヨッピーが執筆します。

すいません!初手でうっかり完璧なチョコレートを完成させてしまったので、のちほど発表します!

というわけで試食会

そんなわけで思い思いのチョコレートを作ってきた3人が集まった!
「どれだけチョコレートに近づけたか?」を競い合ってみよう。


僕、正直に言うと完全に正解のルートを偶然見つけてしまったので、最後に出したいです。最初に僕のチョコレートを食べさせたら「あー、これが正解かあ」ってみんな落ち込んじゃうから。


じゃあ最初は僕から出しましょか。正直「ちょっとわからんな~」という部分があったのであんまり自信無いんですよ。

大北チョコレート

こちらが大北チョコレート。

なんかテカテカしてる!とりあえず、食べてみましょうか。

うわっ、硬っ!


噛めない!


そう、ちょっと硬いんですけど、ちゃんと食べられますから!

あーーーーーーーー!

うわ!まっず!


めちゃくちゃ苦い!

これ、焦げてません!?


あー、きつい……。

まずすぎて落ち込みはじめた岸田さん。


最後に煮詰める前までは美味しかったんですけどね……。カカオと、バターと砂糖を入れたんですけど、全然固まらないから苦肉の策として寒天を入れて固めたんですよ。


えっ、チョコレートに寒天なんて入ってます?

寒天が成分表に入ってるの見たことない。


わかってます!わかってますって!だから苦肉の策って言うてるじゃないですか!もーー、うるさいな~~。


このテカテカしてるのとか、やたら硬いのは寒天の成分か~~。


それにしても苦すぎません!?


最後の方のお好み焼きみたいな味ですもんね。完全に焦げてる味。


そうそう。三宮駅の高架下みたいな匂いがする。


バターと砂糖っていうお菓子の王道ルートなのになんでこんな味になるんだ。

ちょっとムッとする大北さん。


うーん、炒めすぎたんですかね……。


香りだけはいっちょまえにチョコレートなのに……。

「やっぱ寒天はダメっすか」とチョコレートに詳しい担当の人に聞き始める大北さん。


まあまあ、正解はあとでちゃんと聞きましょう。

岸田チョコレート


私はこれです!


えっ、なんですかこれ。


これ、落雁の型なんですよ。私、京都に引っ越したんで京都らしい上質なもので作ろうと思って。この型を外すと……。

 


崩壊しとるやんけ。えーーー!これをチョコレートだって言い張るつもり!?


おかしい……。本当は玄武の形になるはずなのに……。


これ、チョコレートですか?なんでこんなに白いの?


聞いてください! 私は、「とにかく高級志向でいこう」と思って、まず、カカオ豆をオーブンで焼いて、皮を剥いてから3万円のフードプロセッサーにかけたら10秒で壊れたんですよ。


3万円ですよ!? これ経費請求して良いんですか!?


いやそれは知らんけど……。


仕方ないからコーヒーミルを使ったんですけど、結局粉のまんまで全然固まらないから、すごい高級な和三盆と混ぜてこの落雁の型で固めた、っていう。


ほーん、とにかく食べてみよう。


あ、手でつかめないからスプーンで食べてください。


ますますチョコレートには思えん。


うん、ただの甘い粉。


なにこれ?


チョコレートですよ!


いや、チョコレートではないかな。粉だもん。


落雁でもないしチョコレートでもないし、なんだろう?落雁とチョコレートの間……?


ほんのりチョコレートの香りはする。


そうですね、チョコレートと言われればそういう気もするし……。


うん、失敗ですね


ちょっと!失敗ちゃうわ!わかりました!ちょっと!ちょっと待って!もうひとつあります!

岸田さん
これです!これは文句なしにチョコレートでしょ!


本当だ。義理チョコっぽさすごい。


これは、さっきの落雁チョコレートの残りを常温でおいておいたら、次の日に何故か溶けてチョコレートっぽくなってたんですよ!なんにもしてないのに完成した、奇跡のチョコレート!


おおなるほど。これはチョコレートですね。


確かに!さっきのに比べたら断然チョコレート!ただなんて言うかな~、ちょっとパサパサしてません?あと、酸っぱい!


そうなんですよ。確かにザラつきがあって……。


仕方ないな~~~。


では、真打ちの登場ということで……。いやー良かったな~~!二人とも失敗してて!僕はあまりにも簡単に成功しちゃったのであっさり全員成功してたらどうしようかと思った。


ちょっと!失敗してないですよ!


なんでサングラス?


いや、ここからは謎のチョコラティエ「ヨノワ・ピアン」という事にしておいてください。


サングラスかけてるお菓子職人なんて見たことない。


爆買いしに来てる中国人富裕層みたい。


うるさい。

ヨッピーチョコレート

制作風景。


ええと、カカオ豆とコーヒー豆って、赤道近辺の南米で採れるじゃないですか。だから回転焼きと大判焼きの違いみたいなもんで、あれって実は同じ種類の豆なんちゃうか、って思ったんですよ※。だから、コーヒーと同じく焙煎して、砕いて、それにお湯をかけて、出てきたものに砂糖を混ぜたらチョコレートになるんちゃうかな、って。

※編集部注……ヨッピーさんはこう言ってますが、同じ種類ではありません。


ほうほう。それは僕と同じ発想ですね。


だから試しに、少量のカカオ豆をフライパンで炒めて、中の実を取り出して、コーヒーミルでゴリゴリ砕いてみたらあっさり出来ちゃったんですよ。ほら。

初手でいきなり「正解」を引いてしまい、「もう出来てしもうてんけど!」って爆笑する僕。


えー!なんでー!? 私がやっても粉のまんまだったのに!


「なんで?」とか言われてもそんなん知りませんよ。出来ちゃったんですもん。


とは言え、このままだと苦いし酸っぱいしで全然美味しくないから、いったん冷やして固めたあと、牛乳と黒糖を入れて、水分を飛ばすために湯煎しながら5時間死ぬほどかき混ぜたら良い感じのチョコレートになったんですよ!マジで!


つまり、僕の場合、もはや「チョコレートを作る」という部分は初手で成功してしまったんですよね。だからそこから発展して「もっと美味しいチョコレートを作る」という試行錯誤のフェーズまで到達してるんですよ。


えー、本当かな~~~。


いや本当に!生クリーム、ハチミツ、カルピス、マシュマロなどなど色んなものを混ぜて究極のチョコレートを目指しました。そんな中でも、自信作がこちら!黒糖生クリームチョコレートです!


うん、間違いなく美味い!絶対に!僕が優勝!市販品のチョコより美味いもん。


ね?どう?美味いでしょ!?


うーん……。


なるほど……。


えっ、なんか反応薄くない?


うん、ちゃんとなめらかになってますね。


でも、最後の方は少しザラつきが残りません?


ちょっと!味は!?味はどうなの!?


まあ、チョコレートですね。確かに美味しいけど……。


あんなに自信満々に来てたから本当にすごいのが来るかと思ったけど、「まあ、こんなもんか」っていう。


えー!ひどい!みんな舌がバカなんじゃないの!?

答え合わせをしよう


とりあえず、「正しいチョコレートがどんなものか」を知るために「ブノワ・ニアン」のチョコレートを用意しました!これ、めちゃめちゃ高級品なので心して食べてくださいね。


あー!ブノワ・ニアン!昔、めちゃくちゃ嫌な取引先のおじさんが居て、何かあるたびにネチネチ怒られるから、「いつもすいません……」ってこのチョコレート持って行ったら「岸田さん、わかってるね~~!」ってめっちゃ上機嫌になったの覚えてます!


そう、チョコレート好きの人たちの間ではめちゃめちゃ有名らしいんだけど……。ちなみにこの板チョコ、1枚2,000円以上します。


そんなに!


うわー!めっちゃ美味しい!


あー、これは全然違う……。


なんかね、このブノワ・ニアンのチョコレートを食べてから、普通のコンビニで売ってるチョコレートを食べると違いがわかるらしいですよ。持ってきたんで食べてみましょう。


ほんまや。市販品のほうはなんか味が薄いですね。っていうか僕らが作った手作りチョコレートにすら香りが負けてる。


そう!カカオの香りが全然違う!っていうか、僕らの、市販品のチョコよりずーっと香りが強いし味も濃いですよね!たぶんこれが本来のチョコレートの香り……!


ちなみにこの、ブノワ・ニアンの板チョコ、味がそれぞれ違うんですね。不思議~!


ブノワ・ニアンのチョコレートって、「bean to bar」、つまり「豆からチョコレートバーまで」を一貫生産してるらしいんですよ。契約している農園の豆を、他の豆と混ぜる事なくチョコレートに仕上げるから、豆の違いがそのまま味になって伝わるとかなんとか。例えばこの種類のチョコレートは「なんか京都っぽい味がするな」と思ったんですけど、これ、ニッキみたいな味がするんですよね。


あー!本当だー!ニッキっぽい!


あとは本当に滑らかさとかも全然違いますね。口の中で溶ける感じとか。


よーし、そろそろ正解について解説して頂きましょ。

正しいチョコレートの作り方

そんなわけで「正しいチョコレートの作り方」について遠隔で解説をして頂きました。

1.カカオ豆を焙煎する

まずはカカオ豆を焙煎するところから。ブノワ・ニアンでは伝統的な機械を使って熱しながら焙煎している。焙煎する事によって豆の香りを引き出し、殻を剝きやすくするそうだ。「焙煎」と言ってもフライパンで炒めると温度にムラが出来る上に焦げやすく、チョコレートが焦げ臭い匂いになるので、家でやるならロースターを使ってムラなく熱するのがセオリーだそうだ。

大北さんのチョコレートが焦げ臭く苦味が強かったのも、直火で仕上げたせいでチョコレートを焦がしてしまったからではないかと推測。

ちなみに、大量生産品のチョコレートはこの焙煎の工程で作業時間を短縮するために「高温・短時間」で処理するすることが多いらしく、チョコレートの香りが飛んでしまうそうだ。量産品のチョコレートの香り、味が薄い原因のひとつがこれ。

2.カカオ豆を剥く


※写真は岸田さんが剥いた時のもの

続いてカカオ豆の殻から「ニブ」と呼ばれる実を取り出す。機械で振動を加えたり、風で殻を飛ばしたりして綺麗な「ニブ」だけにする。家庭でこれをするならもう手作業でやるしかない。岸田さんは4時間、ヨッピーは2時間かかったのでめっちゃ大変!

3.カカオ豆を挽く

そして、取り出した「ニブ」を挽く作業。ブノワ・ニアンは伝統的な石臼を使って根気よく挽く。その際に摩擦熱が発生し、その熱でカカオ豆がドロドロに溶ける。ヨッピーのニブがちゃんと溶けて液体化していたのはこの摩擦熱が発生したからと考えられる。逆に岸田さんは挽く時の目が粗く、摩擦熱が発生しなかったため粉のままになってしまったのではなかろうか。

更に、舌触りをなめらかにするために、ブノワさんの場合はこういった石臼でまず150~200ミクロンになるまで挽いた後、次のコンチングで13~15ミクロンの粒子になるまで細かくする。ものすごく時間がかかるらしい。

4.コンチングする

続いて「コンチング」という、出来たチョコレートをひたすら撹拌する作業。これによってチョコレートの水分および酸味を飛ばすのと同時に、ニブの粒子を細かくする。酸味が強く出るのはこの「コンチング」の時間が足りてないため。すなわち、岸田さんが持ってきたチョコレートが酸っぱかったのはこの「コンチング」の工程を飛ばしたからだと考えられる。ヨッピーのチョコレートの酸味がちゃんと取れていたのは湯煎しながらひたすらかき混ぜた事により、酸味の成分が揮発したからと推測。

とは言え、チョコレートの酸味を好む人も多いので、このコンチングの時間を調整することで酸味をコントロールするらしい。

この、赤枠で囲った所を見て欲しいのだけど、「Conchage 72 heures」というのは「コンチング72時間」つまりは三日間撹拌していたチョコレート、という事になる。酸味が好きな人はコンチングが短めのチョコレートを、酸味が苦手な人はコンチングが長めのチョコレートを、みたいな感じで選ぶと良いそうだ。しかし72時間て。丸3日やで。

5.テンパリング

そして最後に「テンパリング」という工程。チョコレートに含まれるカカオバターの結晶は31~32度が最も光沢が出るためその温度になるように調整しながらかき混ぜると全体的になめらかで光沢のある仕上がりになるらしい。チョコレートを作る時にいったん元になるチョコレートを溶かし、型に入れて再度固めた時に白っぽくなるのはこのテンパリングの工程を省いたために起こる。


なるほどな~~~。直火で炒って焦がして苦味が出たり、撹拌が足りてなくて酸味が出たり、美味しくなくなるには理由がちゃんとあるんですね。


うわーー、これ、家庭でやるのめちゃくちゃ大変ですね。バレンタインで作る「手作りチョコレート」って、だいたい市販のチョコレートを溶かして型で固めただけのものだけど、カカオ豆から作る手間を考えると「それも仕方がないかな」っていう気がする。


マトモに作ったら10時間はかかりますよね。


でも、豆から挽いた方が香りはぜんぜん違いますよね。すごくフルーティでビックリしましたもん。カカオ湯と冷凍カカオは商品化したらめちゃくちゃ売れると思う。


でもね、この正解を見ても、僕のチョコレートはちゃんと摩擦熱で溶けてるし、湯煎しながら5時間も6時間も混ぜた事でちゃんと酸味がとんでるし、かなり正解に近いのではないかと思います!!!!


いやー、ヨッピーさんのは大きな口を叩いてた割に「まあ、こんなもんか」っていう……。

撮影を見守っていた、ブノワ・ニアン正規代理店の犬股さんに、誰のチョコレートが一番正解に近いか最終ジャッジをして頂く事にしました。


うーーーーん……。岸田さんで!


やーーーーーーーっ!!!


ったあああああああああ!!!


えーーーーー!!ウソでしょーーーー!大北さんのは論外としても、僕のが絶対勝ってるでしょ!?


ヨッピーさんのは、酸味を飛ばしすぎですね。岸田さんのチョコレートぐらいに酸味が残ってる方が私は好きなので……。


しかもさ!!狙って作ったのは落雁モドキなのに、偶然出来たやつで勝つってひどくない!?


いやでも面白いですね。3人共同じ豆を使ってるのに、工程でこんだけ味に差が出るんですね。


そうなんですよ。もっと言えば、bean to barで作られたチョコレートは豆によっても全然味が違うから更に面白いですよ。地域によって味が違うし、同じ地域でも農園によって味が違います。


なるほどなー。言われてみればコーヒーとかワイン、お茶なんかに比べるとチョコレートってそこまで産地の違いにフォーカスされてない気がする。

ブノワ・ニアンさんに話を聞こう

そんなわけで遠く離れたベルギーから、遠隔でブノワ・ニアンさんご本人にもお話を聞きました!
もちろん我々、外国語はからっきしなので、現地にいらっしゃる方に通訳を頼んでおります!


こんにちは!ブノワさんのチョコレート、マジでめちゃくちゃ美味しかったです!チョコレートを作る工程もばっちり教えて頂きました!


なるほど。先ほどお伝えしたチョコレートを作る工程で、ひとつ大事な事が抜けています。それは、一番最初にやるべきことで、一番大事な事なのですが、「美味しい豆を探す」という工程ですね。

カカオ豆は世界中で年間400万トン採れるんですが、その99%がNYやロンドンの商品取引所で取引されます。その流通の過程であらゆるカカオ豆が混ざってしまうんですね。そうすると、カカオの木の産地ごと、農園ごとの特性が失われてしまいますし、香りが打ち消し合って特徴がないチョコレートが出来上がってしまうんです。

それに、中央で一括で取引するとなりますと、どうしてもカカオ豆が「量」でしか見られなくなって、「質」がないがしろにされてしまうんですね。そこで我々は、質の高いカカオ豆を提供してくださる農園を探し、直接契約してカカオ豆を仕入れる事でその農園のカカオ豆が持つ長所を打ち消すことなく、じゅうぶんに伸ばしてあげる事が出来るんです。


ブノワさんのチョコレートを食べたあとに、市販品のチョコレートを食べたら「味、薄っ!」って思ったんですが、あれもやっぱりカカオ豆の違いによるものですか?


そうです。それに、大量生産品はどうしても効率を重視して工程を急ぐんですね。高温・短時間で焙煎したり、コンチングにも十分な時間を使いません。そのせいでカカオ豆が持っている、本来の味・香りが無くなってしまうんですよ。


なるほどな~~。


良い農園から良いカカオ豆を仕入れ、その上で全て手作業でカカオ豆を選り分けて、異物を取り除き、時間をかけて焙煎して挽いて、それからコンチングしてテンパリングして、という工程はものすごく時間がかかります。でも、そうする事で本来のカカオ豆が持っている魅力を引き出す事が出来ます。

それに、農園と直接契約する事で農園も量ではなく質にこだわる事が出来ますし、我々と取引する事でその農園に仕事の引き合いが増えれば当然農園の方々の収入も増えますし、それによって労働環境も良くなります。もちろん日本の皆さんが我々のチョコレートを美味しいといって笑顔で食べてくれる事は嬉しいのですが、そういった農園の方に喜んでもらえる事も我々の喜びのひとつです!


いやー、立派や……。ちなみに、ベルギーにあるブノワ・ニアンさんの工房は全部ガラス張りになってて工程を全部外から見られるそうです。


すげーーー。

出店のお知らせ

そんなわけで、まんまと「ブノワ・ニアン」のチョコレート、食べてみたい!って思ってしまった人も多いかと思いますが、朗報です!

伊勢丹新宿店地下1階に、6月23日~7月6日の期間限定でブノワ・ニアンが出店するぞ~!

なかなか日本では手に入らない限定品や、季節に合わせたチョコレートコレクションも販売されるので要チェックや!

◆出店概要◆
期間 : 6月23日(水)~ 7月6日(火)
場所 : 伊勢丹新宿店 本館B1F トレンドスイーツ
営業時間 : 10:00 ~ 20:00 ※営業時間変更の恐れがございます

◆詳細はこちら◆

https://benoitnihant.jp/blogs/news/028

なお、「東京まで行けるか~~!」という人は、こちらのオンラインショップで購入する事も出来るぞ!
こちらも数に限りがあるので売り切れたら次の入荷を根気良く待ってください!

ブノワ・ニアン
https://benoitnihant.jp/

「えっ、この余ったブノワ・ニアンのチョコ、貰っても良いんですか?」「え!僕が狙ってたのに!」と最後にケンカをはじめる二人と、それを冷めた目で見守る大北さん。この機会にぜひ、皆さんもガチのチョコレート作りにチャレンジしてみてください!

本当に、香りや味の濃さがぜんぜん違うぞ~!