異国情緒感が半端ない『埼玉の台湾』聖天宮へ行こう!

埼玉県坂戸市にある聖天宮のアクセスから見どころまで実際の写真と共にご紹介。コスプレや撮影、ロケなどでも人気で「埼玉の台湾」と呼ばれる聖天宮の魅力を、現地からお届けいたします。

海外旅行に行きたい。でも、行けない。

でも行きたい。

 

海外旅行いきたい。海外旅行いきたい。海外旅行いきたい。

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海外旅行いきたい。海外旅行いきたい。海外旅行いきたい……

 

 

 

 

こんにちは。ライターのシュゴウ(@shugou17)と申します。

 

SNSで「海外旅行 行きたい」と検索すると、上記のように海外旅行を封じられてもがき苦しんでる海外旅行好き達の悲痛な叫びが溢れています。

新型コロナウイルスの猛威は未だ収まらず、観光目的での入国を禁止している国もたくさんあります。また、外務省は全世界に対しての渡航自粛を要請しており、気軽に海外旅行に行けるようなるのはもう少し先になりそうですね。

こんな状況で海外旅行に出かけるのは流石にリスクがでかい……けどやっぱり海外旅行に行きたい!

そんな方におすすめするのが、今回紹介する埼玉の台湾こと「五千頭の龍が昇る聖天宮」です。

外国をモチーフにしたテーマパークや施設は数多くありますが、聖天宮はとにかく異国情緒感が半端じゃありません。

もはや浮世離れしているといっても過言ではない、五千頭の龍が昇る聖天宮の魅力をお伝えします。

 

埼玉の台湾?五千頭の龍が昇る聖天宮とは?

え?これ埼玉なの……?台湾とか中国じゃなくて?と混乱しているそこのあなた。

そうなんです。ここ埼玉なんです!どう見ても埼玉じゃないけど!ここ埼玉なんです!!

五千頭の龍が昇る聖天宮は、中国・台湾の三代宗教(道教・儒教・仏教)の一つである道教のお宮です。日本で言うところの神社のような場所で、だれでも自由に拝観できます。(参拝料:大人500円)

埼玉県坂戸市にあり、日本国内に現存する道教のお宮としては最大級の規模を誇ります。そのスケールと豪華絢爛なたたずまいは、「埼玉の台湾」と言う異名が付けられるほど。

異彩を放つ壮大な外観は、ドラマやミュージックビデオのロケ地として活用されるほか、最近ではコスプレの聖地としても注目が高まっています。

アクセス:畑の中に突如出現!?半端じゃないファーストインパクト!

アクセスですが、東武東上線 若葉駅 から徒歩20分~30分、圏央道坂戸インターチェンジから西に約1.5キロの場所に聖天宮はあります。

のどかな田園風景のなか車を走らせいると、黄色い屋根瓦が目立つ竜宮城のような建物が見えてきました。駐車場に車を停め、門の前に立つと……

あまりの衝撃に、脳内でタムタムの音が鳴り響きます。

タムタムとは、香港映画とかに登場すると、大体ジャッキー・チェンに盾にされてるあのゴングのことです。

門の内側から見た外の風景

というのも、周りの風景とのギャップが凄いんです。

この辺りはこんな感じで、民家もまばらな田園風景が広がっているのですが、そこに突如として黄色に彩られた巨大で豪華絢爛な建物が出現するので、ファーストインパクトがとにかく強烈。

見た瞬間に、「なんかここだけ世界観バグってない???」と脳が混乱しちゃうんです。

この浮世離れした独特な雰囲気は写真だけではなかなか伝わらないと思うので、ぜひ実際に足を運んで衝撃を味わってください。マジで脳内でタムタム鳴ります。

入り口には、天門と名付けられた門が構えています。ここで拝観料を支払い中へと進むのですが、

うわああああああ!

緻密っぷりが凄いいいいい!

門の屋根の内側に、獅子や龍の彫刻がびっしり敷き詰められています。さすが日本最大規模のお宮、入り口の段階で格の違いを見せつけてきました。いったい、どれだけの手間がかかっているんだ……。

門をくぐり、いよいよ埼玉の台湾へ入国!

おまたせしました。いよいよ門をくぐり、聖天宮の中へと入っていきましょう!

超絶技工のオンパレード! まずは前殿を外からじっくり堪能

門をくぐった瞬間、黄色の屋根が眩しい前殿が迎えてくれます。結構な高さがあり、かなりの迫力。ホントにここは埼玉なのか……?

屋根の上には、ガラスとタイルで作られたカラフルな龍や鳥の屋根飾りが施されており、エキゾチックな雰囲気が満点!一つ一つが非常に精巧に造られています。

そして、この前殿正面の壁と柱。すべて石でできているのですが……

なんだこの透かし彫りは!

「最新の3Dプリンターで作ったのかな?」と思いたくなるくらい複雑に入り組んだ構造をしているこちらの柱。

なんと5メートルもある一本の石柱を台湾の一流の職人さんが透かし彫りしたものなんです!

削ったパーツを組み合わせるのではなく、石の塊を手作業で彫り進めてこんな入り組んだ彫刻を造り上げてしまうなんて凄すぎる……。

しかもこの石柱、なんと道教の本場である台湾で採掘された石材を、わざわざ船で埼玉まで運んできたものなんです!

見た目だけでなく素材も本場台湾仕様。そうです、皆さんもうお気づきだと思いますが、この聖天宮、とにかくこだわりが半端じゃないです。今後も怒涛の超絶技巧ラッシュが続くので、覚悟してください。

壁にも石を透かし彫りした装飾が施されていますが……

すっご。

触ったらポキっと折れちゃいそうなくらい繊細な作りの超絶技巧を、間近で堪能しましょう。ほんと、凄すぎていつまでも見ていられるぞコレ。

前殿の中はもっと凄かった!

前殿をじっくり外から堪能し終えたら、今度は中を堪能しましょう。

まず目につくのがこちらの大きな扉。高さ4.5メートルもある一枚の板から彫刻された神様の像が参拝者を出迎えてくれます。

見上げないと顔が拝めないほどのスケール感。ちなみにこの大きな一枚板も、台湾から運び込まれたものになります。

そしてそのまま天井を見上げると……

なんかもうよく分かんないけどとにかく凄い!

八掛天井と名付けられたこちらのドーム型の天井、なんと1万点以上の木のパーツを、一切の釘を使わずに組み立てて作られているんです!

パーツひとつひとつにも、彫刻や金箔等による彩色が施され、非常に精巧。しかも、この八掛天井には全て形状が異る五百人もの神様が鎮座しているそうです。

ここまだ前殿ですよ?このあとメインの本殿が控えているのに、前殿の段階からフルスロットルでこだわりまくってるのが聖天宮スタイルなんですね。

八掛天井の左右に広がる天井もこの通り、かなり凝った造りになっています。

柱、梁、天井と建物のすべてに豪華絢爛な装飾が施され、まるで宮殿の中にいるような気分に。ここが埼玉の田舎町であることを忘れさせてくれます。

本場台湾の本格運勢占い体験

前殿では、1回200円(子供100円)でおみくじを引くことができます。

日本の神社のおみくじとは違う、独特な手順を踏んだ台湾式のおみくじを体験してみました!

手順①まずはおみくじを引く前に礼儀として本殿に向かってに合掌、一礼します。

手順②筒の中の棒をよく混ぜ、一本引き抜きます。棒に書かれている番号を覚えたら、筒に戻しましょう。

手順③神様の意思をお伺いする道具、神杯を丸く「陽・陽」に揃え、先程の番号を念じながら床に落とします。(神杯には陽と陰の面があります)

手順④床に落とした神杯の面に神様の意思が表れます。「陽」は「始まり」、「陰」は「終わり」を表しています。

「陰・陰」→終わりを意味するので、手順①からやり直します。

「陽・陽」→始まりを意味するので、手順③からやり直します。

「陰・陽」→終始が揃ったので、手順②で引いた番号のおみくじを引く許可がいただけました。該当の番号の引き出しからおみくじを引きます。

私は一発で「陰・陽」が出ました。幸先いい!

棒に書かれていた番号の引き出しから、おみくじを取り出します。はたして運勢は!?

結果は中吉!運勢的には追い風が吹いているとのことでした。頼むぞ……追い風!

おみくじは持って帰って読み直すのが台湾の風習だそうですが、何処かに結びつけないと気がすまない日本人のために、結んでOKスペースが設けられていました。良かった~。

いよいよ本殿へ

門と前殿を堪能したあとは、いよいよ本殿へと進んでいきます。

でかい!豪華!とにかく凄い!

黄金に輝く屋根、色彩豊かな華々しい装飾、透かし彫りによる見るものを圧倒する石柱。それらが組み合わさり、まるでおとぎ話の宮殿にいるような感覚に陥ります。

そして屋根の下のカラフルな文様が、すごいエキゾチック!

日本の寺社仏閣は、侘び寂び精神の為かこういった豪華絢爛な建物はあまりないので、新鮮に映ります。

毎度おなじみ超絶技巧の透かし彫り。あちこちにめちゃくちゃ凝った透かし彫りがあるので、彫刻が好きな方はもうコレ目当てで来ても満足できるんじゃないでしょうか。

こちらの何気ないカゴを模した装飾も……

中に球体があって、更にその中にも球体があって……という、げきむずボトルシップみたいな構造になってました。どうやって作ってるんだコレ。

本殿の中には、人間界の運勢を司る、道教最高位の三神とされている神々が祀られています。

非常に細かい装飾が施され見ごたえがありますが、本殿で最も見るものを圧倒する驚異の造形が天井にあります。

それがこちら。釘無しで組まれたドーム状のらせん天井です!

非常に高度な技術を要し、一流の宮大工でないと作ることができないというこちらの天井。太極天井といい、渦を巻く構造が全ての始まりを表しているそうです。

極彩色に彩られ、螺旋状にうずまく怪奇な造形は、吸い込まれるような強烈なインパクトを見るものに与えます。

ちなみに、神前は2~3歩引いたところからしか撮影ができないため、このように写真では一部のみしか収めることができません。

撮影しなければ、神前から天井を覗き込むことができますので、天井の全体を見たいという方は、是非実際に足を運んで見てみてください。マジで凄いです。

本場台湾の本格参拝体験

本殿では、1000円でお線香と神紙のお焚き上げによる本格参拝ができます。係員の方が詳しくやり方や作法を教えてくれるので初めての方でも問題なし!私も本場台湾式の参拝体験をしてみました。

まずはお供えものを持ってきている場合は、神前にお供えします。

台湾では日々食する物をお供えし、参拝後はご利益があるので持ち帰って食べるそうです。さらに料理に使うため、食用油をお供えすることもよくあるんだとか。

ということで、用意の良い私は食用油を持って来ていたので、神紙と一緒にお供えします。

このサイズの油を持ってくる人はあんまりいないようですが、どうぜご利益をいただけるのなら大容量のほうがお得じゃん!ということで迷わず1.5キロのサラダ油を持ってきました。マジ重かった。

台湾の学生は、お弁当をお供えして参拝後に近くの公園で食べるそうです。台湾ではお供えを長く置いておく必要はなく、足を運んで何かを持ってくるという点が重要とのことでした。

お次は神前での参拝です。線香の煙でお願いが神様に伝わるといわれているので、お線香を持ったまま参拝をするのが台湾式。

心のなかで、お願いをするご本尊の名前を唱え自己紹介をしたあと、日々の報告とお祈りをします。台湾ではお願いを詳しく具体的にする風習のためにお線香が長いそうで、日本の2倍はありました。

お願いをしたあと、天公炉と呼ばれている炉の中にお線香を上げます。

聖天宮では道教最高位の三神とされている神々が祀られているため、お線香の数も3本に。

再び神前に戻り、お願いのあと12回お辞儀をします。12には十二支、12ヶ月、12時間常にお守りいくださいという意味が込められています。

最後に、神前にお供えした神紙を炉で焚き上げます。神紙は、お願いをするときやお願いが成就したときにを焚き上げるそうです。

こちらが壽金亭と名付けられた炉。

ここに日をつけた神紙をいれるのですが、この神紙には金箔が貼ってあるので、ちょっともったいないような……。

ああ……!金箔を燃やしてしまった……。

けどこれで、神様にもお願いの強さが伝わるはずです。頼む、伝わってくれ……!

以上が本格参拝の流れになります。手順が結構あるので、これはご利益も期待できるのでは?

なぜ日本に?聖天宮の不思議な誕生秘話

しかし、なぜ日本の田舎にこんな立派な道教のお宮が作られることになったのでしょうか?そもそも、こんな豪華で手間のかかる建物を一体どうやって立てたの?

ということで、気になる謎や聖天宮の魅力を、広報担当のコウさんに教えていただきました。

 

――なぜ日本にこのような建物が建てられたのでしょうか?

コウさん:それは、聖天宮の建て主 康國典大法師が授かったお告げが由来しています。

建て主である康國典大法師(右側)

――お告げですか!?

コウさん:康國典大法師は40歳半ばで不治の病を患いましたが、ご本尊の神様「三清道祖」へ参拝したのを期に一命をとりとめ、完治しました。

この経験から、誰でも神様のご利益にあやかれるお宮を自ら立てようと建造の地を探していたところ、なんと生国の台湾ではなく日本のこの地にとお告げを授かりました。

――それでこんな畑に囲まれた田舎に建造されたんですね!それにしても、縁もゆかりもない外国の田舎町に、こんな豪華なお宮を建造するのは相当大変だったのでは……?

コウさん:当時は今以上に田舎で、最寄の若葉駅はもちろん、正面の道路さえありませんでした。雑木林だった土地を整地し、台湾の一流の宮大工を呼び寄せ、15年の歳月をかけようやく完成に至りました。

今も田舎だが、着工を開始する前は中央の道路すらなかった。

――台湾から宮大工を呼んで15年!それだけの手間と時間をかけたから、こんなに豪華絢爛なお宮ができたんですね。中国・台湾にもこのようなお宮は多いのでしょうか?

コウさん:中国は政治的に宗教活動を制限しているため、台湾・香港の方がこういった建物は多いです。ただ、聖天宮ほど豪華な造りのお宮は、台湾・香港にもそうそうないでしょう。

台湾の職人による非常に凝った造りの調度品も聖天宮の魅力の一つ。自由に座ってOKだが畏れ多くて気軽に座れない。

――聖天宮では龍がたくさんいますが、道教では龍はどういった存在なのでしょうか?

コウさん:龍は神様の使いです。日本のように龍自体を祭ることはありません。聖天宮では、正式名称「五千頭の龍が昇る聖天宮」の通り、描いている龍も入れますと5千頭の龍がいます

――(五千頭の龍って、ガチの数字だったんだ……)最近では、コスプレの聖地として話題になっていますね。

コウさん:事前に予約が必要ですが、コスプレイヤーの方もよく撮影に来られます。その他、ドラマなどのロケ地として利用されることもあります。

→Twitter「聖天宮 コスプレ」検索結果

→コスプレ撮影の案内はこちら

15年の歳月をかけ、一流の宮大工たちが己の技術の粋を注ぎようやく完成した聖天宮。なぜ埼玉の田舎に?という謎に対しては、「神様のお告げに従ったから」というまさかの回答を頂きました。

この場所が選ばれた理由は、「神のみぞ知る」ということか……。

台湾スイーツを味わおう!自販機グルメ

聖天宮を参拝し終えたら、お土産&スイーツを楽しみましょう!自販機にいろんなスイーツや飲み物が売られているのですが、日本では見かけない物がたくさん並んでおり、ここでも台湾気分が味わえます。

こちらの自販機の真ん中の段に並んでいる缶たち、ドリンクに見えますが……

実は全て缶に入ったスイーツなんです!缶詰のように蓋を開けて食べます。

高級食材である燕の巣ドリンクなるものもありましたが、残念ながらこのときは入荷待ち。

その他おみやげも売られています。

私はタピオカミルクティーとピーナッツスープと書かれたスイーツ缶を購入しました。ピーナツスープ、一体どんな味なんだろう……?

ちなみに、ピーナッツスープの蓋のうらには折りたたみ式スプーンが仕込まれています。コウさんによると、気づかず捨ててしまう人が多いそうです。ここにスプーンがあるとは思わないもんね……。

スプーンを組み立て、ピーナッツスープをいただきます。

おお!ピーナッツが甘い!そして柔らかい!

ピーナッツ=硬いものという固定概念があったので、フニャフニャのピーナッツは新感覚でした。

タピオカミルクティーも自販機のものとは思えないくらい本格的な味で美味しい!

でも、タピオカミルクティーではおなじみのぶっといストローがないため、途中まではミルクティーばかり飲んでしまい、最後の方でタピオカが一気に畳み掛けてくるという、缶コーンスープあるあるみたいな展開が不可避でした。

気軽に台湾気分を味わえる聖天宮

以上、埼玉の台湾こと聖天宮の魅力をお伝えしました!

見た目の雰囲気はもちろんのこと、台湾式のおみくじや本格参拝、自販機スイーツなど、気軽に台湾気分を味わえます。

なかなか海外に行けないこんなときだからこそ、聖天宮で映え写取りまくって、タピって、サラダ油持参してご利益も頂いちゃおう!

もちろん、コスプレ好きな人にもおすすめです。スタジオを借りることを思えば、かなり安価ですごい雰囲気のある写真が撮れちゃいます。

ぜひ足を運んで、写真じゃ伝わりきらない異次元の豪華絢爛さを体感してください。

 

五千頭の龍が昇る聖天宮

●拝観時間:10時から16時(年中無休)

●拝観料金:大人 500円/中学生 250円/小学生以下 無料

●公式サイト:http://www.seitenkyu.com/index.html

●アクセス:東武東上線 若葉駅 から徒歩20分~30分/圏央自動車道 坂戸ICから1.5km