【谷根千散策をよりディープに】メシ・観光・土産・呑み全解説版、谷根千を別視点で丸1日観光するプラン
谷中、根津、千駄木の頭文字から「谷根千(やねせん)」と呼ばれるエリアは散歩、散策にもってこいと人気の東京の下町です。今回は「別視点ガイド」でおなじみ松澤が、ランチ、飲み、観光、おみやげなどにオススメのスポットをたっぷりご紹介。谷根千で胃袋を満たす食事、スイーツから遊び、観光名所、さらには珍スポットまで一通り取り上げています。これさえ読めば、谷根千、谷中銀座の観光ルートが組めるはず!
夕焼けだんだんからこんにちは、観光会社「別視点」代表の松澤です。
平素は、へんちくりんなスポットを紹介するWEBサイト「東京別視点ガイド」を書いたり、スペシャリストをガイドにまねき町歩きをする「別視点ツアー」をやったりしてます。ネットでリアルで、王道ではない観光地をガイドすることをライフワークにしております。
- 「メシ」を食う
- 「観光」する
- 「ひとやすみ」する
- 「おみやげ」を買う
- 「呑み屋」でしめる
この5つの切り口から、浅草&秋葉原のおすすめスポットを徹底ガイドいたしました。
(【メシ・観光・土産・呑み全解説版】浅草を別視点で丸1日観光するプラン)
(【メシ・観光・土産・呑み全解説版】秋葉原を別視点で丸1日観光するプラン)
今回は同じ5つの切り口で、谷根千(やねせん)をガイドしようと思います。
谷中、根津、千駄木あたりのエリアを、その頭文字をとって「谷根千」といいます。昔ながらのいい味が出ているお店もあれば、活気あふれる商店街もあって、都内屈指の人気お散歩エリア。テレビや雑誌でもよくとりあげられています。
王道の有名店からどまんなかの珍スポットまで、好きな場所を厳選しました。各項目1店舗ずつ選んで巡れば、谷根千を丸一日堪能するプランになりますよ。
メシを食う
肉のエアーズロックを目撃せよ「大木屋」
まずご紹介したいのがもんじゃ焼きの「大木屋」です。日暮里の夕焼けだんだんをくだり、右手の路地へ曲がると姿をあらわします。
この写真、閉店してのれんをさげてる状態ではございません。開店バリバリ営業中の外観なのです。家というか倉庫というか、とてもお店には見えませんが大人気のもんじゃ屋さんでいつでも満員。
看板ものれんもありません。扉に小さく貼られた「もんじゃ大木屋」の千社札が目印。
変わっているのはその見た目だけではありません。5人以上でなければ入店すらできないのです。
人数を充たしてはじめて開かれるなんて、ハンターハンターの一坪の海岸線の入手条件みたいで燃えますね。
というのも、メニューがもんじゃのコース料理1択で、その量が尋常じゃあなく多いんです。1人、2人じゃ到底食べきれません。人数に応じたコース料理を、5人なら19,000円、6人なら19,600円、7人なら21,700円とセット料金で提供してくれます。
どんな料理がでてくるのか、一部お見せしますね。,
ドンっ!!
いきなりどうですか。肉塊です。あらびきコショウがふられた800gの肉塊ですよ。「それは肉というにはあまりにも大きすぎた。ぶ厚く重くそして大雑把すぎた」とテロップをつけたいですね。
寺門ジモン原作のマンガ「ネイチャージモン」では、肉のエアーズロックと命名されております。
地球のへそと呼ばれるエアーズロック。この肉塊、地球とまではいかなくとも日暮里のへそとはいえそうです。
焼き方にこだわりあり。スタッフさんから「分かってると思うけど肉には絶対触らないでね!」と忠告がはいります。
焼きあがるまでの待ち時間、ニンニクをいじくって、いい塩梅にしあげておくのが客の役目。ニンニクと肉の焼ける匂いが食欲をそそってたまらない気持ちになりますが、肉はおさわり厳禁です。
表面にしっかりと焼き目がついたあたりで、ざくざく切っていきます。
あまりにでかくて分厚いので、出てきた瞬間は「食べきれるの、これ?」と不安でしたが、柔らかくておいしいのでぺろっと食べ尽くしてしまいます。むしろ、おかわりしたいぐらい。
牡蠣のバター焼き。このうまさ、説明不要ですよね。季節によってコースメニューの内容は変わるのですが、自分が訪れたときには、カツオのたたき、にぎりこぶし2つ分ある特大メンチカツなども出てきました。
おいしい肉に新鮮な魚介類をたっぷり堪能して、腹八分目をこえたあたりで締めのもんじゃ焼きがでてきます。
これがまたデカいのなんの。ボールいっぱいにもんじゃ入ってますからね。
鉄板すべてを埋めつくしても一度ではのりきらず、2回にわけて食べました。キャベツ、紅ショウガ、ちくわ、揚げカス、魚肉ソーセージと具だくさんです。
「生で食えるもんしかいれてないから、さっと焼いてすぐ食べな!」と店長さんが威勢よく言い放ちます。こういうやりとりも店の雰囲気にマッチしますね。
大木屋はCOREDO室町と市ヶ谷にも支店があります。日暮里本店は座席数もかぎられてるし、土日は予約がなかなかとれないこともあるので「どうしてもこの日に行きたい!」という方は、そちらを選択肢にいれてもいいかもですね。
大木屋
住所:東京都荒川区西日暮里3丁目13−5
参考サイト:ぐるなび
ごはんが隠れるぐらいのラムパクチー丼「深圳(しんせん)」【閉店】
パクチーをこよなく愛するわたくし。胃袋にパクチーを詰めこみたくなる夜ってありますよね。そんなときにぴったりなのが中華料理「深圳(しんせん)」のラムパクチー飯です。
このお店、中華料理店のわりにはメニュー数がそれほど多くありません。
ですが、そんなの関係ないのです。なぜなら、客のほとんどがラムパクチー飯を頼むから。ほんとうまいんだ、これが。
これ、パクチーしか見えてないですけど、サラダじゃないんですよ。下層にラム肉の炒飯が隠れております。
ながめていたら視力が回復しそうな緑一色の世界。パクチーファンにとっての役満です。
ラムもパクチーもクセのある匂いだけど、一緒に食べるとものすごく合うんです。
夜しか開いてないお店ですが、タイミングがあったらぜひぜひ一度ためしてみて!! まじウマいですよ。
深圳【閉店】
住所:東京都荒川区西日暮里3丁目14−13 日暮里コニシビル1F
参考サイト:ホットペッパーグルメ
ケーキ屋さんなのに大勝軒系つけ麺をつくっちゃった「サブロン」
ラーメンフリークのみなさま、お待たせいたしました。手打ち麺がもっちもち「馬賊」、焼き石システムを開発した「つけめんTETSU本店」など、谷根千エリアにもラーメンの名店が数々ございます。
その中から今回おすすめしたいのが「裏サブロン」です。
なぜ”裏”なのか?
じつはこのお店、表の顔と裏の顔をもっているのです。
表サブロンは洋菓子屋さん。レンガ造りで、入り口にお花をかざったカワイイ外観です。
しかし、裏手に回ると無骨なラーメン屋「裏サブロン」の入り口があって、ランチタイムのあいだだけつけめん屋さんを開店しているのです。
排気口からはケーキの甘い香りがただよってきます。
学生のころ通いつめた池袋大勝軒の味が忘れられず、2009年にケーキ屋兼業でつけめん屋を始めたというシェフが、1人で両店舗をまわしてるので、表サブロンが忙しい時は休業もあるようです。甘さと雄々しさをそなえた、2つのしのぎを持つ男。マフィア感があってかっこいいですね。
大勝軒創業者・山岸さんも「おどろくほどうまい」と評したとか(夜も不定期で営業してるので、裏サブロンTwitterの告知をごらんください)。
本業が洋菓子屋とはおもえないクオリティーのつけ麺です。
大勝軒系のぶっといラーメンが大好きなのであちこちで食べていますが、そのなかでもかなりウマいほうだと思いました。
洋菓子屋さんなので締めにプチデザートを注文できる。
しっかりしたイチゴのミルフィーユ。緩急がすごい。
裏サブロン
住所:東京都荒川区東日暮里5丁目1−2
Twitter:https://twitter.com/urasablon
参考サイト:ぐるなび
薬膳カレーで疲労回復「じねんじょ」
このあたりのお気に入りのメシ屋を紹介してたら、きりがないんですけどあと1軒だけ!
薬膳カレーの「じねんじょ」です。化学調味料も添加物も使わずに、野菜8種とインドスパイス11種、和漢生薬6種類をブレンドして基本となるルーを作っています。
添加物とか薬膳とかそういうのを気にしたことはないんですが、このお店はカレーとしておいしいから大好き。初めて食べた夜、お通じがゴンゴンきて「ひえ~デトックス~~」と体で痛感して以来、じねんじょのトリコでございます。
野菜カレー、鶏肉カレー、海鮮カレー、牛肉カレーなど種類が豊富。ごはんも五穀米に変更できます。さらにトッピングサービスで「風邪バージョン(生姜、紅花)」か「疲労回復バージョン(山芋、胡麻)」をのせることもできますよ。
優しいのにガツンとスパイシー。定期的に食べたくなる味ですね。
じねんじょ
住所:東京都台東区谷中5丁目9−25
参考サイト:ぐるなび
観光する
磨きぬかれた客イジリ芸に翻弄されろ!トルコ料理「ZAKURO」
谷根千の観光部門トップバッターにして最強スラッガーとしておすすめしたいのが「ZAKURO」です。
トルコ料理屋ですしごはんもおいしいんですけど、メシ屋のくくりではなくあえて観光スポットとして紹介します。
なぜなら、黙ってメシを食わせてはくれないから。イラン人店長のアリさんがお客さんをイジってイジってイジりたおします。
多いときで60人以上の客を相手どり、ずーっとからみ続けています。独壇場です。
わたしが初来店した際は入店するなり「みんな、聞いて~!チョコレートあげるよ~!」と大声をだし、チョコを投げました。「はーい、頑張ってー」「そこのデニム、いくよー」とかけ声つきです。
徐々にエスカレートしていき「社会のなかで、役に立て!」「お前は、死ねーー!」と叫び、全力でチョコをぶつけているのです。そして、客たちが面食らっているなか、1人の男性客につかつかと近づき「あなた、なんのために生まれたの?」と静かにつぶやき、厨房に戻ります。
まさしく静と動。突然の哲学的問いに男性客もぴたっと止まってしまいました。
こんな具合に男性客は罵倒しますが、女性客にはとても甘いのです。「はーい、そこの美人さん」「カワイー、結婚しよう」「荒川区役所、行こ」と口説きます。
インタビュー中もおかまいなしで、横でごはんを食べてる女性客に
「こんな男と話をするなら、あなたを1秒でも見つめていた~~~~~~~い」
と求愛していました。
こんな風に書くと、ヤバい店なのではと思われそうですが、そこはご安心を。
毒蝮三太夫みたいな芸としての罵倒で、相手によってセリフもからみ方もコントロールしています。間の取り方や表情で笑いにしていくのです。アリさんいわく「気持ちのこもってない『いらっしゃいませ』は悪口に聞こえるんだよ。それなら喜びいっぱいの『死ね~~!』のほうが愛情がつたわるでしょ!」とのこと。
毎日20時からはベリーダンスタイム。
プロの踊り手さんがダンスを披露してくれるのですが、そのあいだも「見てー! この男、ヨダレたらしてるよー!」「盛りあげてないやつは、晒し者にするよー」とずっと話しつづけています。
一緒に行く人は選んだほうがいいですけど、ここ、めっちゃくちゃ楽しいですよ。
ZAKURO
住所:東京都荒川区西日暮里3丁目13−2 スタジオ谷中
公式HP:http://nippori-zakuro.com/
参考サイト:ぐるなび
指人形のショートコントが観られる「笑吉」
「笑吉」はオリジナル指人形の制作・販売をしているお店です。
もともと30年間イラスト教室をしていたオーナー作家の露木さん。趣味でつくりはじめた指人形が楽しすぎてハマってしまい、いつしか本業になったそう。
指人形たちはどれも表情が豊か。やたらおじいさんの人形が多いのは「若者より老人のほうが良い表情してるから作りたくなっちゃう」からとのこと。
たんに完成した指人形を眺めるだけのスポットではありません。1人500円はらって3名以上のリクエストがあれば、指人形のショートコントを10本観せてくれます。
時間は約30分で、演目は「酔っぱらい」「ウォーターボーイズ」「50年後の冬のソナタ」など。つるつるのおじいちゃんが大活躍しますよ。
笑吉
住所:東京都台東区谷中3丁目2−6
参考サイト:http://shokichi.main.jp/
樹齢80年!植木鉢から育った「ヒマラヤ杉」
谷根千エリアのシンボル的存在、ヒマラヤ杉も欠かせません。お寺が密集するエリアにどかーんと根をはり、存在感をはなっています。
樹齢80年ちょっと、高さはじつに20m。驚くことに、もともとは鉢植えに植えた杉だったそうです。
根元にある「みかどパン」ではヒマラヤ杉をかたどったクッキーが買えますよ。
ヒマラヤ杉
住所:東京都台東区谷中1丁目6−15
ひとやすみする
日本で唯一のオーギョーチー専門店「愛玉子」
日本で唯一のオーギョーチー専門店です。店名は「愛玉子」と書いて、オーギョーチーと読みます。
テーブルも装飾品もすべてがレトロ、昭和9年製のボックス席もあって落ち着く空間です。
オーギョーチーは台湾の代表的デザートで寒天のような食べものです。やわらかくも弾力性があって、噛みごたえもそこそこあります。
甘いレモンシロップのなかに愛玉子が浸かっていて、涼しげな見た目。これから温かくなる季節にちょうどいいですね。
見た目によらず栄養素が高く、米に匹敵するそうなので、ウマいウマいと食べすぎないように注意しましょう!
愛玉子
住所:東京都台東区上野桜木2−11−8
参考サイト:ぐるなび
冬でも大行列のかき氷屋さん「ひみつ堂」
谷根千を代表する人気店といえば、やっぱり「ひみつ堂」でしょうね。
かき氷屋さんなんですけど、季節を問わずいつも行列ができています。真冬だろうが1時間待ち、2時間待ちは当たりまえの世界です。ハイグレードな次世代かき氷ってここ最近人気ですからね。
平日の開店直後を狙ったら、たまたま待ち時間なしで入店できましたが、すぐ満席になって列ができてました。
人気の秘訣は天然氷。湖や池から切りだした氷のことで、自然の寒さでつくられています。
氷が張るまでの2週間以上、ちりやほこりを巻きこまぬよう池のうえを毎日掃除したり、切りだした氷を保管庫でシーズンまで管理したりと、とにかく手間暇がかかった氷なのです。
さつまいもクリームキャラメルは1,000円。「かき氷で1,000円!? 高っ」と思われるかもしれませんが、ぜひぜひ一度食べてみてください。かき氷の概念が崩れさります。
あれはあれでうまいですけど、縁日のかき氷とはまったく別の食いものです。口にいれた食感がふわふわり~~んとしてるんです。初めて食べたときはびっくりして腰がぬけて目がテンになって「なにこれ?」って言っちゃいましたね。
ひみつ堂
住所:東京都台東区谷中3丁目11−18
公式HP:http://himitsudo.com/
参考サイト:ぐるなび
おみやげを買う
妖怪★いちご大福がかわいすぎ! 「江戸うさぎ」
谷根千に行くたびちょくちょく通っているお菓子屋さん「江戸うさぎ」。こちらには女性へのお土産にぴったりな、かわいすぎるイチゴ大福があります。
「妖怪★いちご大福」といいます。口からちょこんとはみでたイチゴ、つぶらな瞳が最高ですね。
谷中霊園から抜けだしてきたオバケという設定です。
江戸うさぎ
住所:東京都荒川区西日暮里2丁目14
参考サイト:http://shop.omiyage-daito.com/
ぶどうの量がいくらなんでも多すぎる! 「リバティ」
ビーバーのイラストがかわいいパン屋さん「リバティ」。
観光客のみならず地元の人も訪れる昔ながらのパン屋さんです。
お土産におすすめなのが名物のぶどうパン。
一見、なんの変哲もないパンなんですけど……
ちぎってみると……
このぶどうの量。
パン生地よりもぶどうのほうが多いんじゃないかってぐらい、ぎっしりぶどうが入っていて、注意しないとぽろぽろこぼれ落ちてしまいます。
どこを食べてもぶどう、ぶどう。これで400円ですから。お得に贅沢な気持ちをあじわえます。
こちらも人気商品なので、夕方ごろにはほとんど売り切れています。絶対ゲットしたい方は、谷根千散策の序盤に入手しておきましょう。
余談ですが、アンパンマン(カスタードクリーム味)177円を買ったら
「形がうまくできなかったから100円でいいよ」と77円も割り引いてくれました。
リバティ
住所:東京都台東区谷中3丁目2−10
参考サイト:ホットペッパーグルメ
ビルのなかで生き残る駄菓子問屋「大屋商店」
日暮里駅東口の目の前にあるステーションガーデンタワー。
その2階に駄菓子問屋「大屋商店」があります。ビルのなかの駄菓子問屋って珍しいですよね。
戦後、日暮里には駄菓子問屋街があって、最盛期には50軒以上のお店がひしめいていたそうです。時代の移り変わりで次第にその数を減らし、今ではこの大屋商店1軒のみとなっています。
あんこ玉を大人買いしちゃいました。これ、子どものころ好きだったんですよねえ。
当時駄菓子屋に行くときは100円玉1つもって、なににいくら使うかたっぷり時間をかけて配分を考えたものです。
あんこ玉は1個10円と安かったので、とりあえずハズレのない甘味としてよく選んでました。
丸めたあんこにキナコをまぶしただけのシンプルなお菓子。1つ1つが小さくパクパクつまんでいるうちに、2日間で食べきってしまいました。
職場や飲み会のお土産になつかしい駄菓子はどうでしょう。
大屋商店
住所:東京都荒川区西日暮里2丁目25−1 ステーションガーデンタワー 2F
ゆるかわいい認め印をつくろう「邪悪なハンコ屋しにものぐるい」
食べもの以外のお土産も紹介しますね。
谷中銀座にある「邪悪なハンコ屋さん しにものぐるい」では、ゆるくてかわいいイラストつきのハンコを買えます。
300種類近くあるデザインから好きなものを選び、書体とインク色を決めるだけでOK。1本2600円。
アザラシを捕食するシャチなどが描かれた「捕食の風景シリーズ」、キャトルミューティレーションの場面やナスカの地上絵を描いた「世界のふしぎシリーズ」などハンコ感のないイラストもあります。
30分ぐらいでできあがるので、谷中銀座をふらっとしていればあっという間。
実際に使うには勇気がいりますが、認め印としても機能するそうです。
谷中霊園をデザインした認め印をつくってみました。連帯保証人になるさいに決死の覚悟で押してみたい。
(※ネットショップもありますよ)
邪悪なハンコ屋 しにものぐるい
住所:東京都台東区谷中3丁目11−15
参考サイト:http://www.ito51.com/
掘りだしものが見つかるよ「質屋おぢさん」
谷根千を散歩したら、かならず気になってしまうであろうお店。それが「質屋おぢさん」です。
谷中銀座にむかう途中に大きな看板があるし、電信柱にもちらほら質屋おぢさんの広告がうたれています。ただでさえインパクトの強いネーミングなのに、「おじさん」ではなく「おぢさん」表記でダメ押ししています。
わざわざ足を運ぶ観光客は少ないでしょうけど、行ってみると意外な掘り出し物があっておもしろいお店なんですよ。
チョウチンアンコウの疑似餌がごとく、軒先にルイヴィトンのバッグが吊り下げられていました。
モノグラムにつられてふらふらと食いついてしまいそうです。
おぢさんの定休日、めちゃくちゃ覚えづらい。毎月6・7・12・17・25・27日だそうです。
私立中学の受験で「この質屋さん、つぎに休むのはいつか?」と数列の規則性を問われそう。
「愛してマスカット」などの名曲CD10枚セットが100円だったり
スパンコールの華やかな帽子が500円だったり、ナイスな掘りだしものをちょくちょくゲットしています。
なぜこんなものを質にかけたのかを想像すると「まだ自分は大丈夫だ」という心強い気持ちになってきますね。
店員さんに「なんでおぢさんって店名なんですか?」とたずねたところ「質屋は英語でuncleっていうからですよ」と教えてくれ、合点がいきました。
質屋 おぢさん
住所:東京都荒川区西日暮里3丁目14−4
呑み屋でしめる
ふわふわもっこもこ!初食感な明石焼き「三忠」
谷根千エリアには老舗の渋い飲み屋がたくさんあります。普通に飲むなら困ることはないでしょうから、ちょっと変わり種のお店を2つ紹介しますね。
まずは千駄木のタコ料理専門店「三忠」です。たこの吸盤からあげ、たこ墨で真っ黒になった丼メシなど珍しいタコ料理をいろいろ食べられます。
たこの踊り食いもありますよ。
運ばれてきたときはピクピク痙攣しているだけなのですが、レモンをかけるとはげしく踊りだします。こんな状態になってもレモン汁がシミるのでしょうか。口にいれるとほっぺの内側にひっついてきます。
タコを差し置いても、スタッフさんのサービスが心地いいし、店内も陽気な雰囲気なので、飲み屋として普通にいいですよ。人気店なので確実に入店するなら予約をしておくのがいいでしょう。
名物料理はこれ。なにかわからないですよね。
入道雲のようなモコモコっぷりですけど、これ明石焼きなんです。ふくらんだメレンゲの中にタコがたくさん入っています。
こんな風に少しずつ切りとりながら、だし汁につけて食べていきます。
箸をいれると、マシュマロのようなほわっとした弾力。他のどの食べものとも似ていません。まさしく新食感。一度ご賞味あれ!
三忠
住所:東京都文京区千駄木3丁目1−17
参考サイト:ぐるなび
150種類の変わり種サワーを制覇せよ「兆治」
さて、最後に紹介しますのが最高の居酒屋「兆治」です。おしるこサワー、上戸彩サワー、味噌サワー、辛口カレーサワーなどなど変わり種もふくめてサワーが150種類もあるんです。
メニューのおもしろさもさることながら、店長さんのまったりとした人柄、ほんのり薄暗い店内のムードが大好きでことあるごとに足をはこんでいます。
カーテンのようにたなびく短冊にはサワーの名前が書かれています。ビルの一室に入居しているんですが、かれこれ30年間ちかくこのスタイルで営業しているそうです。
これだけ主張の強いお店にもかかわらず、店長さんはドリンクを作るとき以外は基本的にずーっとテレビをみていて、ほっぽらかしてくれるのも妙に落ち着くんです。
トイレも必見です。
ほかの飲み屋でもオヤジの小言が貼られていることはありますが、居酒屋兆治の張り紙量は異常です。壁、天井、ドア、すべてが手書きメッセージで埋めつくされています。
格言めいたものからエッセイのようなものまで内容はさまざま。
たとえば「夫婦ゲンカ」と名付けられた1枚には「ケンカ中に風呂入ったら、生卵ぶつけられて、カキタマができるところだった」と書かれています。「妻も好き よその奥さんもっと好き!!」と心の叫びを書きなぐったものも。
あふれるつぶやきの嵐。まるで店長さんのTwitterタイムラインにまぎれこんでしまったようです。
変わり種サワーの数々。おしるこサワーのように意外と飲めるものもあれば、キムチサワーみたいにマジで無理なものまで幅広い。
普通のサワーもたくさんあるので、そのときの気分やメンバー次第で攻めるもよし、守るもよしです。
兆治
住所:東京都文京区千駄木3丁目31−15 101 アーバンパレス千駄木 1F
参考サイト:ぐるなび
以上、「谷根千を別視点で丸1日堪能するプラン」でございました。
評判の有名店からど真ん中の珍スポットまで、自信をもっておすすめできるスポットをご紹介しました。それぞれの項目で1つずつ選んでいただければ、丸一日、谷根千を楽しめるはずです。
観光客はもちろんのこと、「しょっちゅう散策にでかけてるよ!」という都内在住のみなさんも、谷根千をもう1度巡ってみてはいかがでしょうか!
◎取材、文章:松澤茂信(別視点代表)
◎写真:齋藤洋平(別視点カメラマン)
東京別視点ガイド(@another_tokyo)
http://www.another-tokyo.com/