KAGANHOTELはアートを楽しめる、京都観光の拠点となるホテルだった

初めまして!大阪市在住ライターの藤井七菜(@nana7fujii)です。

JR京都駅から1駅、梅小路京都西駅(JR嵯峨野線)にやってきました。駅周辺の“梅小路公園地区”は今どんどん開発が進んでいる注目スポットです。

そこから徒歩5分、下町情緒たっぷりの京都中央卸売市場のすぐ西側にある『KAGANHOTEL-河岸ホテル-』さんの魅力をお届けします!

※取材日 3月中旬

すごくオシャレな雰囲気。

それもそのはず、こちらは【現代アートの若手芸術家向けシェアハウス】【アートを楽しめるホテル】が一体化しているのです!

しかも!

1階は【カレーがおいしいカフェ】になっているんです。

京都旅行を考えている方はもちろん、地元の方も要チェックですよ!


アートと共存する『KAGANHOTEL-河岸ホテル-』

京都中央卸売市場のトラックやフォークリフトが走る、下町情緒あふれる路地に面して立つ『KAGANHOTEL-河岸ホテル-』。

一歩足を踏み入れると、そこは全くの別世界。アート作品の中に入りこんでしまったような心地さえします。デザイナーズカフェのよう!ホテルの受付カウンターもシンプルで素敵。可愛いモチーフが浮いています。

施設のご紹介

『KAGANHOTEL-河岸ホテル-』は地下1階、地上5階建て。建物は築45年で、元は青果貯蔵施設と社員寮だったものを若手芸術家たちと一緒にセルフリノベーションしたのだそうです。(1階と5階はプロのリノベ)

大まかに分けて、5,4,2階は宿泊者用、3階と地下1階が入居者用、1階は共有部分になっています。

地下1階ギャラリー&スタジオ

入居アーティストの作品が常時飾られています。展示スペースとして貸し出しもしています。作品はときどきで違うものになっているそう。奥には24時間使用可能なスタジオがあり、制作に集中できる環境です。

1階飲食店&イベントスペース

カフェ『KAGAN TODAY』。食べ物や飲み物の提供を通じて、アーティストとゲストが出会うきっかけを作る場所です。ギャラリーや講習会にも使えるそうです。

(photo by Hanako Kimura)

2階ドミトリー

(photo by Hanako Kimura)

2段ベッドが12台あり、低価格で宿泊できます。ワンフロア貸し切りでの予約も可能。合宿、イベントにぴったりです。現在は、作品展示やグループでの宿泊型イベントができるように改修中です。

3階シェアハウス

(photo by Hanako Kimura)

若手の現代アーティストの住居フロア。個室は10個あります。入居者は地下1階のスタジオも使えます。希望者はホテルやカフェのスタッフとしてアルバイトもできます。

4階ホステル

セルフリノベーションとは思えない綺麗さ!どこか温かみを感じますよね。一般の宿泊はもちろん、制作活動をするアーティストの一時的な滞在もできます(6か月未満)。執筆活動などにぴったりな、大きな机がある部屋もあります。脚本を書く方などが泊まられるそうです。バストイレは共同です。こちらは洗面所。むき出しのパイプがカッコいい。

5階ホテル

いよいよ最上階です。ちなみに、ここまでずっとオーナーの日下部さんが案内してくださっています。(この写真に映っている方です)部屋番号の表示もおしゃれで、でも落ち着く雰囲気。

(photo by Hanako Kimura)

ツインとトリプルがあります。まずはトリプルのお部屋から。すごい、素敵……!! ファブリックもアート作品になっています。壁にももちろんあります。すべて『KAGANHOTEL-河岸ホテル-』の入居アーティストの作品で、宿泊を予約する際に好きなものを選べます。こちらはツインのお部屋。部屋ごとに間取りも作品も違います。宿泊しながらアートを鑑賞できて、まるで作品を買ったような気分を味わえますよ。私自身、旅行にはよく行きますがいつもビジネスホテル。こんなホテルでゆっくり過ごす旅も良いなぁ……としみじみ思いました。今後は心を入れ替えて、ホテルもこだわってみようと思います。

気軽に現代アートの世界に触れられる場を

こちらの施設をプロデュース&オーナーである、株式会社めいの日下部淑世さんにお話を聞きました。
日下部さん
株式会社めいは、私と夫の二人で始めた会社です。『職住一体』という、住む場所で働ける仕組みを作りたいと思い運営してきました

藤井
あっ、ホテルではなく住居が先なんですか?

日下部さん
そうなんです。若手の現代アート作家の活動を手助けするようなシェアハウスを、と考えていました。この建物は、作品づくりにはいい環境なんですがあまりにも大きすぎるので、入居者以外にも利用してもらえる仕組みとして、宿泊施設をくっつけることにしたんです

藤井
なるほど、シェアハウスありきで生まれたんですね!

日下部さん
そうすれば、入居しているアーティストは自分の作品を多くの人に見ていただけますし、希望する方には宿泊施設やカフェでアルバイトをすることもできますしね

藤井
実際には、どんな方が住んでいるんですか?

日下部さん
基本的には“現代アーティスト”という定義でメンバーを選考しています。今の入居者は7名で、画家や写真家、書家もいますよ

藤井
宿泊で来られるお客様もアート好きが多いんでしょうか?

日下部さん
興味ある方が4割くらいですね。予約した幹事さんだけアート好きで他の参加者の方とアートが繋がるきっかけをくださったりしますよ

藤井
普段はアートに触れてない方も多いんですね」

日下部さん
ホテルのほかに、1階はレンタルスペースで、トークショーやパーティー、入居しているアーティストによるワークショップも行われています。それらと組み合わせることで、アート初心者にも興味を持っていただける場所でありたいと思っています

(photo by Hanako Kimura)

本格スパイスカレーが大好評!

藤井
ついつい、現代アートって敷居が高そう……と思ってしまいますが、もっと気軽に触れていいんですねぇ

日下部さん
そうですよ~! 1階のカフェ『KAGAN TODAY(カガントゥデイ)』もその一環なんです。金曜と土曜だけですが、カレーやドリンクをお出しして、宿泊者以外も気軽に入れる場にしています

日下部さん
オープンしてすぐの頃にカレーを食べに来られた方が、京都情報ブログ『お墨付き!』の方だったんです。すごく気に入ってくださって『京都で1,2を争う美味さ!』とご紹介いただきました。それをネットで見てきてくださった方も多いんですよ

藤井
おぉ~、本格派のスパイスカレーなんですね!!

日下部さん
ドリンクを飲みながら入居アーティストと話をすることもできるので、アートに興味や親しみも持ちやすいかなと

藤井
作家が常に在廊しているギャラリーみたいですねぇ

日下部さん
そうなんです! しかも、普通の展示会は在廊していても作品が売れないとアーティストの収入にはなりませんが、ここならカフェのアルバイト代も入るのでアーティストも喜んでくれたらとカフェスペースにも入居アーティストの作品が飾られています。

藤井
現代アートっていうと、ちょっと難しそうな、よく分からないというイメージを持つ人も多い気がします

日下部さん
分かるか分からないかで言うと私も分かりません(笑)ただアーティストたちがどのように考えて制作したのか、それが分かるとうんとアートも近く感じられるようになると思います。難しく考えずに、ふらっと気軽にカレーを食べに来てくださったら嬉しいです!

軌道に乗りはじめた矢先の新型コロナウイルス

藤井
今回、新型コロナウイルスの影響がかなりあるそうですが……

日下部さん
昨年11月に開業したばかりで、ホテルの閑散期である1,2月を超えてようやく軌道に乗るタイミングだったので、しんどいですね……。宿泊やイベントの予約は、95%以上キャンセルです。本来3月は繁忙期なので、その期待値と比べるともっと差があります

藤井
95%以上……!それは厳しいですね……!

日下部さん
海外だとヨーロッパ圏の方が多いんですが、もともと日本の方の利用が7割くらい。大学生の合宿や卒業旅行の予約もたくさんいただいていたのですが……

藤井
うっ、それはつらい……

日下部さん
でも、つらいのは私たちだけじゃないんですよね。

学生さんたちも卒業式がなくなったり、芸大生は卒業展示ができなかったり。なので私たちも、卒業旅行のキャンセル料満額くださいとはどうしても言えず……、そこがちょっと困っているところですね

藤井
暖かくなって、みんな楽しいお出かけシーズンのはずが

日下部さん
気が滅入りますよね。状況が落ち着いてきて活動範囲を広げたいな、というときには、ちょこっとご飯を食べに来ていただいたり、ホテルに泊まりに来ていただいたりして。気分転換できる場所として使ってもらえたらなと思います

 

そのほかにも、宿泊や飲食以外でゲストが参加できる方法として、サロンメンバーの募集もスタートしたそうです。今後は宿泊に来られた方アート関係者の方々との映像配信なども考えているとのこと。

クラウドファンディングに協力することでメンバーになれるので、ぜひコチラをのぞいてみてください。

ホテル周辺のおすすめスポット

藤井
では、『KAGANHOTEL-河岸ホテル-』に泊まって京都を観光する場合、どこがおすすめですか?

日下部さん
近くに島原という元遊郭街があるので歴女としてはそちらがオススメです!

ホテル周辺の雰囲気も京都の中でも珍しい下町感に溢れていて面白いです。商店街6つに囲まれています。目の前の京都中央卸売市場では、朝ごはんも食べられるんですよ。バーベキューコートで新鮮な魚介を焼いたりもできます

藤井
あ~いいですね!

日下部さん
以前は業者向けの市場だったので一般開放されてなかったんです。それが開かれ始めて町全体が変わりつつある段階ですね

 

なるほど~。

大阪在住の私としては、駅前のスケートリンクでひと滑りしたあと、カレーを食べに行きたいところです。(スケート好き)

京都鉄道博物館、京都水族館からも歩ける距離なので、臨時休館が終わったらその帰りに立ち寄るのもアリですね!(鉄道も好き)

 

京都観光の拠点として、ぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。

 

KAGANHOTEL

宿泊のご予約・レンタルスペースの申込み・入居アーティストの募集はコチラ

カフェ「KAGANTODAY」

オープン日:毎週 金曜&土曜

営業時間:ランチ 11:30〜14:00 ディナー 18:00〜21:30