名古屋-東海道本線、中央本線、関西本線
ということで、朝一の新幹線で名古屋にやってきた。
大都会である名古屋駅の新幹線ホーム、早朝でありながらかなりの人がいるわけだけど、なぜかずぶ濡れのサラリーマンがいた。
周囲の天気は快晴、雨が降る要素は一切ないにも関わらずずぶ濡れ。ずぶ濡れであること以外はピチッとした格好で出張の装いで、朝まで飲んでいてベロベロで噴水みたいな場所に落ちたというわけでもなさそう。では、なぜ彼はずぶ濡れなのか。
もしかしたら異世界転生みたいなものをしていて、そこで水の都を治める水の神サナルバストリと戦ってきたのかもしれません。その死闘でずぶ濡れだった。なんとか勝利し、向こうの世界を救ったところでこちらの世界に戻されたのかもしれません。ちょっと「サナ」って呟いている感じがしたもの(サナは水の都で出会った女性で、都では災いを呼ぶとされている太陽の日の生まれで、向こうの世界住人に迫害されている。それを救って「ヤハウェ(古の勇者に仕える者)としての栄誉を与えたのが彼」)。ということがあったのかもしれない。
そう、この旅も6日目を迎えて完全に脳がぶっ壊れている。
ここからは亀山に向かい関西本線(亀山-加茂)をとりにいく。さあ、残すは3路線、はりきってとっていこう。
目次
47本目 7:27 名古屋発 関西本線 普通 亀山行き
(44-46本目は東京経由によるもの)
4両編成
乗客50人くらい
名古屋と亀山を結ぶ路線は乗客も多く、途中駅での乗り降りも多い。やはり名古屋都市圏にあたるでの利用者は多い。
朝日駅あたりではビート板をもった小学生の集団が乗ってきた。ビート板を小脇に抱えて電車に乗るなんてなかなか経験しないことだ。ビート板集団は河原田という駅で降りていった。近くに大きなプールでもあるのだろうか。
そんなこんなで1時間半ほどの乗車時間で亀山駅へと到着した。
9:01亀山駅-三重県亀山市:関西本線、紀勢本線
関西本線の所属駅であり、紀勢本線の起点駅でもある。JR東海とJR西日本の境界駅となる。駅は亀山市街の中心から少し外れた場所に存在する。貨物の引き込み線などがあったため駅構内は広い。駅前ロータリーには能褒野神社のコンクリート製の鳥居がある。
およそ1時間30分の乗車だった。けっこう時間がかかってしまった。イメージ的に亀山は名古屋の小脇みたいなところにあると勘違いしていたけど、そこそこ距離があるみたいだ。さてここからは維持困難路線である関西本線(亀山~加茂)をとりにいく。
亀山駅は和歌山方面へと向かう紀勢本線との乗換駅でもあるので大きな駅だ。建物も立派で多くの人が行き来している。ただしなんだかガランとしている印象だ。もしかしたら売店などのテナントが撤退したのかもしれない。とにかく駅の規模に合わないガランとした感じがした。
関西本線のここまでの区間は名古屋都市圏に含まれ、利用者も多かったし、電車の設定も多かった。しかし、ここ亀山駅からは少し様子が異なる。
だいたい、1時間に1本くらいの頻度だろうか。ガクッと減ってしまうけどこれまで訪れてきた維持困難路線の中では多い方だ。
48本目 9:09 亀山発 関西本線普通 加茂行き
1両編成
乗客 30人ほど
けっこう接続が良く、亀山に降り立って8分ほどの乗り換え待ちだった。列車に乗り込むとすでに満員だった。とはいっても立っている人はおらず、座席が埋まる程度の満員だ。印象としては日常的に使っている人が多そうだ。あと、大きな荷物を持った人が数組いたので、飛行機なり新幹線なりで名古屋に到着した人が、この路線を使って帰宅する感じだった。
ちょっとこれまでの維持困難路線とは様子が違う感じがした。
車内では「ここでJR東海からJR西日本に切り替わるので境界を越えてICカードは利用できません」と何度もアナウンスしていた。やはり会社の境界を越えてのICカード利用はまだまだ難しいようだ。
関西本線(亀山~加茂)営業係数685 輸送密度 722人/日
JR名古屋駅とJR難波を結ぶ路線である。関西本線は路線の途中でJR東海とJR西日本が切り替わる。亀山からの区間はJR西日本の管轄となる。該当区間は非電化で山間部が多い。大和街道に沿って走っている。途中、加太越えと呼ばれる急勾配の難所がある。
関駅-三重県亀山市(無人駅):関西本線
京阪神エリアの駅ではもっとも東京駅に近い。旧東海道関宿から1キロほど離れた場所にあり、駅には道の駅「関宿」がある。旧東海道関宿は歴史的な街並みを残しており、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、観光客にも人気がある。
亀山駅から走り出して最初の関駅は静かな印象の駅だった。ここでは数名の人が降りていったが誰も乗っては来なかった。
今日は本当に快晴で雨の気配が一切ない。それを思うとやはり名古屋駅でのサラリーマンが不可解だ。やはり本当に異世界転生をしていて、ヤハウェ……いかんいかん。そんなことを語りだすと気が付いたら終点の加茂駅に着いていたなんてことになりかねない。
加太駅-三重県亀山市(無人駅):関西本線
かつての鉄道の難所として知られる「加太越え」の急勾配にほど近い駅。1936年から残っていた木造駅舎はJRより撤去の申し入れがあったが、駅の歴史的価値を重視する地元が存続を希望、無償で譲り受け市が3700万円をかけて改装を行った。
改装された加太駅の駅舎は歴史的でありながら綺麗だった。
1つ前の関駅もそうだったしこの加太駅もそうなのだけど、1両編成の列車が来るだけの無人駅なのにやけにホームが長い。昔はもっと長い編成の列車がきていたということだろうか。
駅では数名の人が降りていく。座席に余裕が出てきたのでそろそろ座れそうだ。やはり日常的に使われているのだろう。これが、珍しい路線に乗りに来た剛の者で占められた列車だったら終点までいっさい乗客が降りない。
車内には旅行に来た感じの外国人のおじさん2人組がいた。2人は車窓から見える景色の写真を撮りまくっていたのだけど、途中でラブホテルと思われる巨大な建造物が山間にポツンと見えたときに狂ったように撮影していたのが印象的だった。
柘植駅-三重県伊賀市(無人駅):関西本線、草津線
三重県で最初に開業した駅。旧伊賀町の中心駅でもある。関西本線のほかに草津へと向かう草津線が乗り入れ、かつては乗換駅として賑わっていた。駅の南には旧伊賀街道とその宿場町が残るが、駅周囲には特に市街地は形成されていない。
大きな荷物を持った人はだいたいここで降りた。おそらくではあるけども、もしかしたらこのあたりが境界なのかもしれない。飛行機なり新幹線で名古屋駅や中部国際空港を利用するパターンと、新大阪駅や京都駅、関西国際空港など関西の施設を使うパターンの境界だ。ここまではだいたい名古屋駅を起点に移動を考えるが、これより先は関西の方を起点に移動を考えるのかもしれない。
新堂駅-三重県伊賀市(無人駅):関西本線
改札内の行き来に用いていた跨線橋を改修し、改札外からでも利用できる自由通路に用いている。旧駅舎は取り壊され、現在は簡易待合所のみがある。周囲は住宅街で商店などもある程度あるが駅前は少し寂しい。
跨線橋が見える。もともとはホームを繋ぐものだったけど、駅の両側を繋ぐ自由通路に変えたので、むりやりフェンスの外に持っていっている。ちょっとわかりにくいけど、そこだけホームがめちゃくちゃ狭い。
佐那具駅-三重県伊賀市:関西本線
昔ながらの面影を残すレトロな駅舎がある。川を挟んだ向こうには古い街並みをそのまま残す住宅街があり、そこには商店などもひととおり揃っている。
駅舎がレトロでよい。
伊賀上野駅-三重県伊賀市:関西本線、伊賀鉄道伊賀線
伊賀鉄道伊賀線の共同使用駅でもある。伊賀鉄道の愛称は伊賀忍者にちなんで「忍者線」である。忍者ハットリくんの映画「ニンニンふるさと大作戦の巻」にて、この駅から三重交通バスに乗車する描写がある。伊賀市の中心駅ではない、中心駅は伊賀鉄道の伊賀市駅であり、この駅より鉄道で7分ほどかかる。
伊賀と言えば忍者だろう。伊賀上野駅はしっかりと忍者を使ってアピールしている印象だ。
ホームの看板からしっかりと忍者がいる。けっこういる。伊賀と言えば忍者だよね、という多くの人の期待に応えるホームの看板、じつはこれはけっこう重要な要素だ。ここに忍者の絵が1つあるだけで納得し、安心する。人間とはそういうものだ。
伊賀上野駅では僕以外の全ての乗客が下車した。しかし、貸し切りになるというわけではなく、この駅でも同じくらい乗り込んできた。ここで完全に乗客が入れ替わったことからもわかるとおり、この区間を乗りとおす人はほとんどない。そういう人は別の路線を使うのだろう。
そして、関西方面を見ているか、愛知方面をみているか、それが完全に入れ替わる駅なのだろう。
島ケ原駅-三重県伊賀市:関西本線
古い木造駅舎がある。キャンプ場やカヌー場などを供える入浴施設「やぶっちゃランド」が2kmほど離れた場所にあり、駅より送迎バスも出ている。
味のある駅舎だった。僕のいた位置から駅舎側を撮影することはできなかった。駅舎がある方向の窓ガラスに鳥がウンコをしたからだ。逆側ホームにある待合所も駅舎に負けず劣らず味がある感じだったので撮影しておいた。
というか、鳥のフンは由々しき問題だ。こちら側の撮影が全滅してしまう。ずっと鳥のウンコがフレームインしてしまう。できることなら降りていって拭き取りたいのだけど、なかなかそんなチャンスはない。拭くものも持っていない。
月ケ瀬口駅-京都府南山城村:関西本線
京都最東端の駅である。京都の駅ではあるが駅名通り、奈良県奈良市の月ヶ瀬地区への入口としての役割を持っている。梅林が有名で春には多くの人が訪れる。周囲には道の駅「京都みなみやましろ村」もあり、ニュータウンも造成されている。
やはり、来る列車の規模に足してホームが長かった。月ケ瀬口の駅自体は静かなもんだったが、駅前に見える道の駅は大繁盛だった。車社会が加速し、鉄道の駅は閑散としているのに道の駅は大繁盛、そういった格差はこの路線巡りの各所で見られた。
この月ケ瀬口周辺は、僕のスマホが圏外になってしまったので、レーダーで取るしかなかった。
大河原駅-京都府南山城村:関西本線
京都府南山城村の玄関口となる駅。村役場のある中心的集落からは少し外れた場所にある。近くの木津川には、水量が増えると沈んでしまう沈下橋「恋路橋」があり、その橋を渡った先には縁結びで知られる恋志谷神社がある。
笠置駅-京都府笠置町:関西本線
駅の北側の川沿いに大きなキャンプ場があり、ホームから眺めることもできる。春になると駅周辺に桜が咲き、満開時には絶好の撮影スポットとなる。2017年に駅舎のリニューアルが行われ、駅舎内にコミュニティカフェとネイルサロンが開業し、ストリートピアノも置かれている。
駅のホームからキャンプ場が丸見え、そんな駅だ。
10:34 加茂駅-京都府木津川市:関西本線
かつては関西本線と奈良方面に向かう片町線の接続駅だったが、現在は奈良方面への接続は木津駅に譲っている。
加茂駅へ到着した。これで関西本線(亀山-加茂)クリアだ。
残りは2路線。岩徳線と紀勢線だ。どちらを取りに行くか悩ましいけど、たぶんどちらを先にとっても大変さは変わらないだろう。ここ加茂駅からは木津へと移動し、そこから京都駅へと移動する。新幹線に乗って広島まで行き、岩徳線をとりにいくためだ。
49本目 10:43 加茂発 大和路快速 大阪行き
車両数 たくさん
乗客数 多数
加茂駅からは関西本線の名称が大和路線とかわる。ここからは電化された区間で、やってくる電車もかなり車両数が多いもものだった。完全にそのまま大阪の中心に行くタイプのやつだ。さきほどまで1両編成で移動していたこと考えると、この駅を境に急に様子が変わり戸惑ってしまう。
10:49 木津-京都府木津川市:関西本線、奈良線、片町線
5分ほどの乗車で木津駅に到着した。奈良方面や京都方面、大阪方面、そして加茂方面とあらゆる方面の列車が集中する交通の要衝だ。いろいろな電車がひっきりなしにやってきている。ここから新幹線に乗る場合、京都駅に行くパターンと新大阪駅に行くパターンと、どちらを選択してもそこまで変わらなさそうなので、なんとなくで京都駅を選択した。つまり、ここ木津駅で京都方面に行く電車に乗り換えだ。
50本目 11:01 木津発 みやこ路快速 京都行き
車両 いっぱい
乗客 多数
さすがにこのあたりの電車はわけがわからないくらいに乗客が多い。
11:42京都駅-京都府京都市:東海道新幹線、東海道本線、山陰本線、奈良線
そしてここから新幹線移動となる。一気に広島だ。
51本目 11:46 京都発 東海道・山陽新幹線のぞみ 博多行き
(写真を撮り忘れた)
16両編成
乗客 多数
自由席に乗ったということもあって新幹線車内は混みあっていた。僕の後ろに座っていたカップルが楽しそうでめちゃくちゃ笑いあっていた。そのテンションで「なにかモノマネできる?」みたいな流れになったようで、男の方が「んー、犬の真似とかできるかな」「え、やってやって」みたいな感じになっていた。
僕はそのやり取りを聞きながら、「はいはい、どうせワンワンいうだけでしょ、それで彼女がキャーかわいいていうんでしょ」と冷めた感じでいたら男のモノマネが迫真に迫るもので本当にすごかった。そこに犬がいるのかと思った。本当にすごかった。犬という字を辞書で引いてそこに彼の名前を足しておきたいくらしすごかった。
13:23 広島駅(2回目)
運賃:13080円(新幹線自由席特急券4170円含む)
そんなこんなで、2度目となる広島駅だ。ここから山陽本線で岩国を目指し、岩徳線を取りに行く。
しかし、乗り換える山陽本線まではまだ時間がありそうだった。山陽本線自体は本数が多いので新幹線からロスなく乗り継げるけど、そんなに急いで行ってもその先の岩徳線の本数がかなり少ない。結局、岩国駅でかなり待つことになるので、それならば広島駅で調整して向かった方が良い。広島風お好み焼きを食べたいからだ。乗り換え時間は52分、余裕だろう。
広島駅は駅前再開発が施され、駅自体も大きく造り替えられた。僕が学生時代を過ごした広島駅の面影はもうほとんど残っていない。
「たしか駅ビルの2階とかに細長い通路みたいなお好み焼き屋あったんだよな」
と思ったけど、もうその駅ビル自体が新しくなっているので、それらの好み焼き屋がどこにいったのかわからなくなってしまった。ああいうお好み焼き街みたいなのもうないのかな。そう考えながら周囲の施設をうろつく。
あった。
駅ビルの飲食店が軒を連ねるエリアに「廣島ぶちうま通り」として広島風お好み焼きの店が並んでいた。よしよし、これで食べられるぞ。
うおー、めちゃくちゃ行列になっている。どの店もけっこうな長蛇の列で大人気だ。残り時間は45分ほど。列に並んで焼くのを待って、食べてホームまで走って……ギリギリかもしれない。問題はどれだけの速度で客が回転していくかだ。
客の回転が速そうな店を選んで行列に並ぶ。
死ぬほど美味い。行列で予想以上に時間をとられてしまったので4分で食べた。
食べ終わると同時にホームまで走る。新しくなった広島駅はとにかく広い。狂ったように走っているとズガーンと転んでしまった。その転び方が実に不思議で、つまずいたとか滑ったとかではなく、急に両足に力が入らなくなってしまったのだ。まるで糸が切れたマリオネットみたいに転んだ。そろそろ疲労がピークなのかもしれない。
52本目 14:15 広島発 山陽本線普通 岩国行き
乗客多数
岩国行きの電車は混みあっていた。ほぼ満員だ。車内でものすごい大きな音で咳をしているおじさんがいた。ずーっと延々と咳をしていてこちらが心配になるほどだった。車内の人は怪訝な感じで、やはりこのご時世、リスクを感じている人が多かったように思う。途中の駅で降りていくそのおっさんの背中を見てみたらちょっとロック風なデザインのジャンパーにロック風なフォントで「No Risk anything」とか書いてあった。
15:13 岩国駅-山口県岩国市:山陽本線、岩徳線
山陽本線の駅であり、岩徳線の起点駅でもある。岩徳線経由で錦川鉄道錦川清流線も乗り入れてくる。駅周辺は駅前商店街などが広がり岩国市の商業の中心地となっている。市役所などの公共施設は駅から1 km離れている。新幹線の新岩国駅までは離れており、錦川鉄道錦川清流線を利用する必要がある。
1時間ほどの乗車で岩国駅に到着した。
岩国といえばやはり錦帯橋だろう。曲線が美しい錦帯橋の模型が駅構内にも置かれていた。
これから取りに行く岩徳線は山陽本線の迂回路みたいな路線だ。
山陽本線にのっても徳山まで行けるけど、岩徳線を使ってもいけるという路線だ。
岩徳線はこのように本数が少ない。2時間に1本といったところだろうか。広島駅で時間を調整してやってきたといっても、次の岩徳線まで40分ほどの待ち時間がありそうだ。
岩国駅は綺麗で新しい駅舎だ。駅前の広場も広く、ロータリーも綺麗に整備されている。
駅前通りは商業地になっており、多くの商店が軒を連ねている。アーケード商店街も存在して賑やかな絵印象だけど、シャッターを閉じた店は多い。
大きな通りやアーケード通りがあったかと思えばこのようにレトロな雰囲気の小さな路地もある。なかなか混沌とした雰囲気のする街だ。
その細い路地の先は飲み屋街みたいになっていて、その道路の中心ではスキンヘッドでガタイの良い強面の男が3人、揉めていた。店の縄張りとかそういうキナ臭い話かなと思ったら、3人で「いえいえ、ここはわたしが」「いいえわたしが」「いつもじゃないですか、それはいけません!」と伝票みたいな紙の奪い合いをしていた。なんらかの支払いを誰がするかで揉めているようだ。微笑ましいけど路上でやるな。バイオレンスな揉め事かと思って肝を冷やしたわ。
駅前通りのこの一角は妙に焼肉屋が多い気がした。数えたわけではないけど数件の焼肉屋が密集している。何か理由があるのだろうか。
そろそろ時間になったので駅へと舞い戻る。
岩国駅には錦川鉄道岩国清流線が発着している。その列車は0番線が使われるようだ。
53本目 15:51 岩国発 岩徳線普通 徳山行き
2両編成
乗客15人くらい
岩徳線(岩国-櫛ケ浜)営業係数394
岩徳線は岩国-徳山間の山陽本線の短縮経路として建設され、開業時はこちらが山陽本線となり、海沿いをはしる路線は柳井線とされた。しかしながら、高速化を推し進める中で、岩徳線側は複線化が困難であるなどの理由から、柳井線の方が複線化され、山陽本線となった。
岩国駅を出た岩徳線の車両はゆっくりと岩国の街を走り抜けていく。まだその街並みが終わらないうちに次の西岩国駅に到着した。
西岩国駅-山口県岩国市:岩徳線
川西駅から乗り入れる錦川鉄道錦川清流線の列車も利用可能な駅。岩徳線の部分開業時には終着駅のこの駅が岩国駅となり、現在の岩国駅は麻里布駅となった。その後、西岩国駅と改称し、麻里布駅は岩国駅となった。周囲には岩国刑務所があり、錦帯橋への最寄り駅でもある。駅舎は開業当時のもので国の登録有形文化財。
駅舎がかなりレトロで外国の駅みたいな佇まいをしている。いまは裏側から見ているけど、たぶん表側からみるともっと外国風なのだと思う。
西岩国駅を出ると、川を渡る橋に差し掛かる。錦川だ。おそらくこの上流にあの錦帯橋があるはず。なんとか見えないかなと頑張ってみたけどまるっきり見えなかった。地図を見てみるとそもそもけっこう距離があるみたいで、見えるはずがなかった。
川西駅-山口県岩国市:岩徳線、錦川鉄道錦川清流線
この駅より錦川鉄道錦川清流線が分岐する駅であるが、錦川鉄道の全ての列車は岩国駅を発着するため、分岐駅としての存在感は薄い。駅名のとおり、錦川の西側に存在する。この錦川の上流には錦帯橋がかかる。
ここから錦川鉄道錦川清流に分岐していく駅のため、起点標みたいなものがホームの片隅にあった。
柱野駅-山口県岩国市(無人駅):岩徳線
ホームが長い。岩国市街から大きく外れ、山の中に入った場所にある駅のため利用者が大きく減少する。駅の周囲には錦川の支流である御庄川が流れ、その周辺にまばらに建つ住宅がある程度だ。
欽明路駅-山口県岩国市(無人駅):岩徳線
地元が全額負担して設置された請願駅である。いろり山賊が徒歩圏内にある。
欽明路駅を走り出してすぐのことだった。
いろり山賊の看板だ!
僕が大学生だったころは、広島の大学生はみんな深夜に車を運転してこの山賊にきていた。それがステータスだった。今でもそうなのだろうか。そうれだけ有名なドライブスポットだ。
真っ暗な国道沿いに煌々と灯りを焚いて光り輝く和風の建物たち。そこは深夜でも祭りの様に活気があって多くの人が押し寄せている。かがり火が揺らめく、太鼓の音、豪快な山賊焼き、それはもう幻想的で、別世界に迷いこんだかと思うほどだった(2022年時点では24:00閉店のようです)。
僕が大学生の時に、好きだった子を真夜中のドライブに誘ってこの山賊に来たことがあった。早い話、いろいろと勝負をかけようと意気込んでいて、「いやー、すっかり深夜だね」みたいな会話をして山賊に到着した。ここからが勝負やぞ!と意気込んでいたら、偶然にも彼女はこの山賊でサークルの先輩(彼女が片思い中)に会ったらしく、その先輩と帰るという。彼女、めちゃくちゃ笑顔だった。あのとき、もう注文してしまっていたのえ一人で食べた2本の山賊焼きの味を僕は絶対に忘れない。
玖珂駅-山口県岩国市:岩徳線
旧・玖珂町の中心駅。周囲には住宅が多く、駅利用者も多い。
周防高森駅-山口県岩国市(無人駅):岩徳線
レトロな木造駅舎が特徴。周囲に住宅が多く、利用者もそこそこにいる。
ちょうど反対側の列車とすれ違うところだった。
どうでもいいことかもしれないけど、向こう側のホームとこちら側のホームに微妙な距離がある。間には謎の空間があるので、かつては手前側にも線路があったのだろう。それが撤去されて、謎の空間だけが遺されている。
こういう感じで微妙な空間がある。
米川駅-山口県岩国市(無人駅):岩徳線
駅の周りに数件の住宅がある。少し離れた場所にはもう少し大きな集落があるが、それだけであとはほとんど何もない。岩徳線においてはここまでが岩国市で、この先は険しい場所へと入るため徐行区間が増えてくる。
高水駅-山口県周南市(無人駅):岩徳線
本州唯一のナベヅル飛来地である周南市八代地区の最寄り駅であることから駅構内にツルのモニュメントや剥製がある。付近に大きな住宅地があるため利用客はまあまあ多い。
駅名標の横にツルの剥製が展示されている。ただでさえ渋い感じの木造駅舎なのにツルの剥製がより渋みを加えている。
勝間駅-山口県周南市(無人駅):岩徳線
盛土上に造られた駅のためやや高い位置にある。こちらも近年になって開発されたと思われる住宅地が周囲にいくつかあるので、線内の他の駅に比べて利用者は多い。
このあたりから乗客が増えてくる。おそらくこの先の徳山市、あるいはさらに先の山口市に遊びに行ったりする人たちだろう。これまでずっと無言だった車内でも話し声が聞こえるようになってきた。
「ねえ、あーちゃんってどんな感じの人?」
2人組の女の子がいて、どうやら片方の子がもう一人の子に「あーちゃん」という友達を紹介するらしい。仲良く3人で遊びましょうという意図だろうか。紹介される子のほうはちょっと緊張の面持ちだ。おそらく人見知りとかするタイプなんだろう。
「んー」
もう一人の子は考え込む素振りを見せた。
「よくわかんないけど、なっちゃんとは気が合うと思うよ」
この第三者の「気が合うと思うよ」ほどあてにならないことはない。だいたい適当に言っているので気は合わない。どんどんなっちゃんの不安が大きくなったようだった。
「ほら、同じ高校だったんでしょ、どんな子だった?」
「んー?」
女の子は考え込む。
「あ、そうそうあーちゃんはね、弓道の経験もないし、高校に弓道場もないのに弓道部を造っちゃうような子だよ」
どんな子なのか分からない。何かアグレッシブであることは分かるけど、それ以外は何も分からない。
「そっか。仲良くなれそう」
なっちゃんもなんでそう思ったのか謎だ。本当にそれでいいのか。
大河内駅-山口県周南市(無人駅):岩徳線
山陽自動車道と国道2号線が交差する場所に駅がある。こちらの駅も周囲に住宅地が多い。
周防久保駅—山口県下松市(無人駅):岩徳線
レトロな駅舎。下松市の外れに位置するが周囲に住宅は多い。
どうでもいいけど、カーブにある駅のホームは美しい。
生野屋駅—山口県下松市(無人駅):岩徳線
地元の請願により設置された請願駅。周囲に住宅が多い。山陽新幹線の高架が見えるようになる。
ここで新幹線の高架が見えるようになる。おそらく徳山駅が近いのだろう。「新幹線の高架をみるの久々だな」と、ずいぶんと遠くにいっていた新幹線が間近に帰ってきてくれた印象を受けるけど、実は新幹線はこの岩徳線に沿うように走っている。ぜんぜん離れてなんかいない。ただ新幹線はもうちょっと山の中をほぼトンネルで突き抜けているので姿が見えなかっただけだ。
周防花岡駅—山口県下松市(無人駅):岩徳線
周囲に高校があるため通学利用者が多い。住宅が多い。
櫛ケ浜駅-山口県下松市:岩徳線
運賃:1690円(徳山まで)
山陽本線と岩徳線の接続駅。線路上では岩徳線の終着駅となるが、岩徳線を通る全ての列車が徳山駅まで運行する。出光興産の巨大工場などが駅から見える。
山陽本線との合流駅ということで、山陽本線側のホームには人がたくさんいる。やはりメインで使うのはそちらのようだ。
櫛ケ浜の駅からは巨大な工場群が見えたりしてなかなか迫力がある。岩徳線の全ての列車は徳山駅まで乗り入れるけど、路線上の岩徳線はここ櫛ケ浜駅でおしまいだ。
ということで岩徳線(岩国-櫛ケ浜)クリア!
あとは紀勢本線(白浜~新宮)を残すのみ。山口県の中央付近から和歌山県まで行かなくてはならない。めちゃくちゃ遠い。何度も言うけどなんでこんな取り方しちゃったんだ。
ということで、ここから和歌山県へと移動して最後の区間を取るわけですが、そこまでで本日の移動は終了となるでしょう。ということで6日目のまとめはこちら。
制覇した維持困難路線(累計29/30)
関西本線(亀山-加茂)、岩徳線(岩国-櫛ケ浜)
アクセス駅数 466駅※東京-名古屋も含む(累計1036駅)
総移動距離 1344km※東京-名古屋も含む(累計3639 km)
すぐにでも最後の区間を取りに行きたかったのですが、またもや別件で東京に戻る必要がありましたので、日数間隔が空きます。ここから和歌山駅に移動し、最終日は和歌山駅から始まるという想定でご覧ください。
ということで最終日につづく!
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