【都内で日本一周!?】アンテナショップを使えば1日で全都道府県を制覇できる
東京に点在する地方自治体のアンテナショップに行くと、東京都内にいながらにして各県の特産品を買ったり、グルメを楽しんだりできます。よく足を運ぶ方も少なくないとは思いますが、さすがに全都道府県のアンテナショップを利用した人はそうそういないでしょう。今回は、ライター・patoが、都内のアンテナショップで日本一周を目指します。
日本橋エリア
東京駅から歩くとすぐに地下鉄日本橋駅の入り口が見えてくる。そのほど近くにアンテナショップが存在する。
日本橋長崎館(長崎県)
大きなビルの1階に長崎県のアンテナショップがあった。かなり新しく、開店前だというのに明るい。調べてみると、2016年の3月にオープンした比較的新しいアンテナショップらしい。
店内は物販ゾーン、飲食ゾーン、観光案内ゾーン、イベントゾーンに分けられていて、その中央に船をイメージした船形什器があるらしい。
長崎では、中国の旧正月を祝う行事、春節祭を起源とする風物詩、長崎ランタンフェスティバルがある。それに関連したディスプレイもきちんとあった。ここの展示は季節ごとに変わっていくのかもしれない。
- 東京都中央区日本橋2-1-3 アーバンネット日本橋二丁目ビル1階
- 10:00~20:00
地名ではなく橋の方の日本橋を渡って三越前の方に行くと、三越のど真ん前に富山館の本店が出現する。もう富山はカウント済みだが紹介しておきたい。
日本橋とやま館(富山県)
交通会館にあったとやま館の本店にあたる。和食レストランやバーラウンジなどを兼ね備えた本格的アンテナショップだ。
- 東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
- ショップフロア 10:30~19:30
三越前を通る大通り沿いには銀座に負けず劣らず、多くのアンテナショップが集積している。歩き出すとすぐに発見することができた。
奈良まほろば館(奈良県)
特産品の販売はもちろん、観光案内、おまけに文化講座まで行っているらしい。残念ながら開店時間前ということで、人の気配はなかった。
マスコットキャラクターせんとくんも檻に幽閉されているみたいになっていた。
- 東京都中央区日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル1F・2F
- 10:30~19:00
この奈良まほろば館、衝撃的事実が存在する。どうか驚かないように心臓を叩いてから見てほしい。奈良まほろば会館を別角度から撮影すると。
ファミマ。
二軒隣にファミマ。これはもう絶対になんかある。アンテナショップの隣か2軒となりにファミマありがち。この国家に蠢く大きな陰謀の深淵に近づきつつあるのかもしれない。闇に飲まれぬよう気を付けねばならない。僕は唇をギュッと噛みしめた。
気を取り直して通りを歩いて行くと、すぐに別のアンテナショップが登場する。
にほんばし島根館(島根県)
東京に島根がまるごとやってきた! をコンセプトに展開されるアンテナショップ。特産品販売では出雲そばが人気らしい。キッチンステージもあり、実演販売なども行っている。観光案内や定住雇用相談まで行っているらしい。
ショップの横にはお食事処「主水(もんど)」がある。主水とは、天皇にささげる水をつかさどる人のことらしく、そういった清らかな水を活かした料理を提供するという想いがあるようだ。こちらで地酒や出雲そばも楽しめるらしい。
- 東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル1階
- ショップ 10:30〜19:00
さらに通りを進んでいくと、日本橋エリア最後のアンテナショップが登場してくる。
三重テラス(三重県)
そろそろ開店時間が近いのか、店の中に人がいて忙しそうにしている。そうだよな、アンテナショップって開店するものなんだよな。忘れていたことをまた思い出させてくれた。
物販コーナー、レストラン&カフェ、イベントスペースを有する大きなショップだ。松阪牛、牡蠣、伊勢醤油、伊勢うどんなど歴史と伝統に裏打ちされた魅力を伝える商品をラインナップしている。
どうやらこの時期は生あおさの限定販売をしているらしい。欲しいけど、店に入ることは鉄の掟によりできないし、まだ開店時間でもないので諦める。
- 東京都中央区日本橋室町2-4-1 「YUITO ANNEX」1F・2F
- ショップ10:00~20:00
さて、これで新橋、銀座、有楽町、東京駅、日本橋と、アンテナショップが密集するエリアを制覇することができた。これまでの制覇状況を地図に確認しておきたい。
結構地図が埋まってきた。あと14県だ。
まだ全ての店が開店前という早朝なのにその大部分を訪問し終わった。このペースで行くと午前中どころかあと1時間くらいで終わってしまいそうな勢いだが、こんなに駆け足で消化してきたのには訳がある。そう、47都道府県制覇アンテナショップの旅、ここまでの展開は完全に序章に過ぎない。ここからが本番なのである。
ここまでは、アンテナショップも分かりやすい位置にあり、おまけに密集していて見つけやすい。難易度で言うならEASYレベルのものばかりを攻略してきたことになる。ここからは移動距離も長く、見つけにくい難易度NORMAL、難易度HARDのアンテナショップが続く。心して攻略していきたい。
新富エリア
地下鉄「新富町駅」にやってきた。これから青森のアンテナショップを攻略していくわけだが、都内に青森のアンテナショップは2つあり、一つが飯田橋の「あおもり食彩館」、もう一つがここ新富町の「青森特産品センター」だった。どちらを攻略するか迷ったが、日本橋からの距離を考えて新富町の「青森特産品センター」にした。
行ってみてわかったが、まず駅からそこそこ歩く。そして場所が結構分かりづらい。おまけに、どのアンテナショップも目立つように看板なり店構えが派手だったりするのだが、青森特産品センターはそこまでド派手ではなかった。
この交差点にあるはずなのにおかしいなーと思いつつ、よくみると右側に写っている建物が「青森特産品センター」だった。
青森特産品センター(青森県)
青森県特産品センターと小さく書かれていて「りんご」はかなり大きく書かれている。まだ開店時間前なのでシャッターが閉じられていて目立ちにくいのかもしれない。
と思ったら、定休日が日曜日だった。営業時間関係なく、この日はお休みだ。店名より大きく書かれたりんごの購入がきっと可能なはずだ。
- 東京都中央区新富1-3-9東光ビル1F
- 平日 10:00~18:30
- 土曜日 10:00~15:30
- 日曜祝日定休
ここからスカイツリーにリベンジすべく、地下鉄に乗って押上駅へと向かった。
押上エリア
朝10時にして本日二度目のスカイツリーだ。
ソラマチもしっかりと営業開始している。よかった。入ることができる。目的のアンテナショップがある4階まで一気に駆け抜けた。
とちまるショップ(栃木県)
ここに来て、ついについに開店状態のアンテナショップに辿り着くことができた。感慨もひとしおである。
開店してすぐだというのに、すでに何人かのお客さんが店内にいた。人気があるみたいだ。もちろん、店内には入らない、という鉄の掟があるので、床の色が違う境界線みたいな場所から先に一歩も入らなかった。
想像していたよりフロアは大きく、多種多様の商品を販売していた。個人的には宇都宮餃子が欲しかったが、店には入らないので指をくわえて見ているだけだった。
- 東京スカイツリー・ソラマチ イーストヤード4F
- 10:00~21:00
さて、これで懸案だったスカイツリーリベンジを片付けることができた。この勢いでもう一つの懸念事項である、「行方不明の徳島」を片付けることにする。そのまま地下鉄で「秋葉原」へと向かった。
秋葉原エリア
秋葉原はいつ来ても活気のある街だ。電気街、電脳街、オタクの街と知られるここ秋葉原に、地方の魅力を発信する商業施設があるらしい。
JR秋葉原駅に向かい、そこからAKB48カフェやガンダムカフェといった秋葉原特有の濃厚なカフェの前を抜けていくと、高架下にある店舗があるのが見えてくる。
日本のいいものを集めた逸品市場、CHABARA内にあの銀座でいくら探しても見つからなかった徳島のアンテナショップが移転してきている。そんな情報をキャッチしていた。
ええもんあるでぇ徳島(徳島県)
もう営業時間内なので開店しているのだけど、CHABARA自体が入り口に店内撮影禁止をでかでかと掲げていたので、一歩も入ることなく、外から撮影することにした。
外から見る分には物販スペースももちろんあるが、それよりレストラン&カフェバーにかなり力を入れているように感じた。
よかった。これで徳島の民に攻め入られることはない。実は交通会館でも徳島と香川の共同アンテナショップを見つけていたが、もともとはこちらの「ええもんあるでぇ徳島」が銀座にあったようなのでこちらを取り上げることにした。
- 東京都千代田区神田練塀町8-2 CHABARA(ちゃばら)内
- 11:00~20:00
懸念事項も片付いた。ここから山手線に乗って一気に池袋へ。
池袋エリア
池袋駅も人でごった返していた。東口に向かい、地上に出てそのまま人の流れに乗っていれば次なるアンテナショップに辿り着くことができる。
宮城ふるさとプラザ(コ・コ・みやぎ)(宮城県)
かなり人気があるようで人の出入りが激しかった。宮城県の特産品販売だけでなく、これから販売を考えている新商品のテスト販売などもやっているらしい。入り口横にはソフトクリームなどの軽食を販売する窓口もあった。
また、2階には飲食コーナー「伊達の牛たん本舗」があるらしい。
- 東京都豊島区東池袋1丁目2番2号 東池ビル1・2階
- 11:00~20:00
ここ池袋エリアのアンテナショップはこれでおしまい。次は新宿を目指して移動する。
新宿エリア
世界最大のターミナル駅、新宿を擁するこの新宿エリアは意外にもアンテナショップが少ない。実に3つしかなく、さらにちゃんとした路面店のショップは1つしかない。まずはそこを攻略しにいく。
新宿駅の南口の方、台風とか来たら中継をするあたりを目指すと、目の前にバスターミナル「バスタ新宿」が見えてくる。
このバスタ新宿の裏手に目指すアンテナショップがある。
見えてきた。あれだ。
新宿みやざき館KONNE(宮崎県)
KONNEとは宮崎弁の「こんね」で、いらっしゃいの意味だと思う。アンテナショップとしての歴史も古い。2階ではさすが焼酎王国宮崎と唸るほどの品揃えを誇る焼酎コーナーがあるらしい。
1階は軽食コーナーも備えており、宮崎の味を楽しむことができる。
宮崎名物冷や汁も食べることができる。お腹も減ってきて食べたかったがグッと我慢した。
- 東京都渋谷区代々木2丁目2番1号 新宿サザンテラス内
- 10:00~20:00
- 観光相談は18:30まで
新宿を南口から西口へと抜けていく。今度のアンテナショップはやや難易度が高い。西口の繁華街を抜けて郵便局がある辺りにそのアンテナショップが存在する。
これである。ナチュラルローソンじゃねえか。コンビニだろ、と思うかもしれないが、これが正真正銘のアンテナショップである。
ナチュラルローソン新宿駅西店(埼玉県)
ここナチュラルローソン新宿西口店はもちろんナチュラルローソンとしての販売を行っているが、コンビニ内アンテナショップとして埼玉県の特産品も販売している。中をうかがい知ることはできないが、コンビニ内の一角を特産品販売コーナーとして使っているのだと思う。ここが見紛うことなき埼玉のアンテナショップである。
こういったコンビニ内埼玉アンテナショップは日本橋のナチュラルローソンにもあるらしい。
- 東京都 新宿区 西新宿1-13-12
- 24時間営業
さて、ここからもう見えてしまってるので徒歩で東京都庁へと向かう。
威風堂々と佇む東京都庁、この中に東京都のアンテナショップがある。
TOKYO地域特産品売店 (東京都)
都庁1階の一角にある東京観光情報センターのさらに一角に、駅の売店みたいなスペースがあり、そこにこれでもかと言わんばかりに商品が詰め込まれていた。ここが東京のアンテナショップである。遠目に見ても江戸切子がキラキラしてきれいそうだった。
- 東京都新宿区西新宿2-8-1 東京都庁第一本庁舎1階北側東京観光情報センター右奥
- 10:00~18:30
- 月末は10:00~13:00
これにて新宿エリアはおしまい。いよいよアンテナショップ全都道府県制覇の旅も佳境を迎える。
表参道エリア
表参道駅にやってきた。
ここ表参道といえば、ブランドショップやオシャレなカフェが立ち並ぶ一大トレンディスポットだ。ハッキリ言わせてもらうと、初めて来た。完全に落ち着かない。
街並みがオシャレなのはもちろんだが、街行く人もみんなオシャレで、高そうなコートとか着ている。競馬場に馬券買いに行くみたいな服装で来た僕は完全に浮いてる。この街にいる場所なんてどこにもない。
道路のほうも、もはや名前すら分からない外車がビュンビュン走ってて、オシャレなカップルがそれを見ながら会話をしている、なんて光景が繰り広げられている。きっとこんな会話をしているに違いない。
「お、デッドーリのアナモンテニウス(よく分からない外車の名前)だ。かっこいいー」
「もう、高志ったら、いっつも車ばかり!」
「わりいわりい、おれ車が好きでさ、いつかあの真っ赤なアナモンテニウス(よく分からない外車の名前)を買えるようになってやるんだ」
「わたしと車、どっちが大切なのよ、プンプン」
「そりゃ車さ」
「え!?」
「絶対に車」
「…………そう」
「車が大切、でも、それは「れいCar」って車さ、麗華、お前の方が大切だ!」
「草」
こんな会話してるに違いない、そう考えながら歩いていた。けっこう疲れてきてるのかな。とにかくアンテナショップを探さないと。
くっそオシャレな通りを歩いて行くと、前方に巨大なアンテナショップが現れた。
表参道 新潟館ネスパス(新潟県)
でかい。とにかくでかい。もしかしたら今までのアンテナショップの中でも最大ではないかという大きさだ。地下1階、地上3階全てがアンテナショップだ。和食会席や食事処、物産販売スペースに観光センター、Uターン情報センターまで兼ね備えている。
店には入らないので入口から覗いてみるが、なかなか盛況な様子。
店の前では、新潟産コシヒカリを一合升100円で販売していた。山盛りの米から升でダイナミックにすくい取って袋に入れる。ちょうど上品そうなマダムが5合買っているところで、なんか7合くらい入れてんじゃないのってくらいオマケして入れてた。けっこうアバウトだ。
- 東京都渋谷区神宮前4-11-7(表参道ヒルズとなり)
- 10:30~18:30
ここ表参道エリアにはもう1つアンテナショップがある。しかしながら、今いるところとは完全に真逆で、地下鉄駅のはるか向こうだ。ヒーヒー言いながら歩いて行く。おまけにけっこう奥まった、オシャレなカフェなどが乱立するゾーンにあったので、見つけるのがなかなか大変だった。
ふくい南青山291(福井県)
実は銀座でも、ちょうど茨城のアンテナショップの斜向かいにも福井のアンテナショップを見つけていたが、開店しておらず、おまけにシャッターだけだったのでスルーしてこちらを取り上げることにした。
「291」と書いて「ふくい」と読ませたいようだが、率直に言わせてもらうとやや苦しい。ずっと国道291号線沿いのことなのかなとか思ってた。
名産の販売はもちろん、福井県がナンバーワンの生産量であるメガネのフレームも販売。おまけに福井県の老舗旅館が運営するレストラン「ふくい、望洋楼」を併設している。旬の季節ということもあるだろうが、かなり越前かにを推していた。
- 東京都港区南青山5丁目4-41 グラッセリア青山内
- 11:00~19:00