これぞ有名ライターの底力?!「知らない駅で2時間以内に記事を書き上げる」エクストリーム執筆コンテストやってみた_PR
日本のおもしろWEB業界を代表するライターが一堂に集結!知らない駅に訪れて2時間で記事を書き上げる「エクストリーム執筆コンテスト」で、優勝賞金10万円をかけて争ってもらいました。
「お兄さん、ちょっとお茶しない~!?」新庚申塚駅で(ツマミ具依 × 新庚申塚駅)
いつかやってみたいけど、タイミングがないとやらないことってありますよね。
わたしにとって、その一つが「路上で知らない人をお茶に誘うこと」でした。
ちょうど新庚申塚駅という場所に強制的に行くことになりました。
なにをしたらいいかわからない状態なので、これを機にやってみたいと思います。
新庚申塚駅は、都営荒川線のJR大塚駅乗り換えて3駅のところ。
この画数の多くて、すっと頭に入ってこない感じ。
だれがどうみても見てもマイナー駅です。
地図でみるとただの住宅街なので、人に会えるかも心配していたのですが、幸いにも大通り沿いでした。
しかし、平日の昼間にイケイケの若者がいるはずもなく……
「おじいちゃ~ん、これから一緒にお茶しな~い?☆」
「すまないなぁ、いま脚が悪くてよ……」
「お、お大事に……」
「おじいちゃ~ん、これから一緒にお茶しな~い?☆」
「もううちがすぐ近くだからなぁ」
なんだよ、ここはやっぱり健全な街だな。
ぜんぜん相手にされない。
お、奇跡的に若者を発見!
「お兄さん! これからお茶しな~い?☆」
「ごめんなさい」
めっちゃ眉間にしわ寄せてたけど、日光がまぶしかったからということにしておきます。
冷静に考えると、ここが渋谷や新宿じゃない分、人から声をかけられるなんて余計警戒するに決まってるわ。
聞き込みで街の良さも引き出せたらいいなぁとぼんやり思っていたが、いまのところ新庚申塚駅が恐怖を増す要素にしかなっていなかった。
今回は記事と取材を含めて2時間のミッションなので、粘り勝ちという手法は使えない。
とにかく、わたしとだれかお茶をしてくれ!!!
と、そのときひとりのおばあさんが目に入りました。
花柄のワンピースに、たくさんのビニール袋。
経験がついたということなのでしょうか。
イケると直感。
「これからわたしとお茶しな~い?☆」
「いいわねぇ」
二つ返事でOK!!やった!
早速記念撮影。買い物に行く途中だったという60代後半風の女性。
名前はサチコさん(仮名)
お年を召していても、髪はツヤがあり、話の受け答えもはっきりしていて若々しい。
お店はどこにするの?といわれ、辺りを見るが、しまった。喫茶店がないじゃないか。
「あ……ごめんなさい。わたし今日はじめてここ来て。どこかお店知ってませんか?」
「それならあっちにいい喫茶店があるから」
そういうと、指差す方向に案内してくれました。
少し歩いた先にとても落ち着くカフェが。
「わ~! すてき、ありがとう!!」
席について、コーヒーとあまざけティー、パウンドケーキを頼みました。
サチコさんは、この辺りに住んで3年らしい。
昔は、主婦をしながら神奈川で工場でシールを貼る仕事をしていたと話してくれました。
「いまは、マンションに住んでるけどその前はボロアパートだったのよ」
「え、そうなんですか!」
「そう、離婚しちゃってね。7年前」
理由を聞くと、旦那さんが病気で下半身が不自由になり、自宅で生活できないため老人ホームに行くことになったからだそうな。そのタイミングで引っ越しをしたらしい。
でも、別に離婚しなくてもいいんじゃ?と深追いしたけれど、はぐらかされてしまいました。
新庚申塚の話を聞くと「う~ん、たいして思い出ないなぁ」とのこと。
でも、近くの地蔵通り商店街は、毎月4のつく日になると出店がでること、そこでたった150円で美味しいお好み焼きが食べられることを教えてくれました。
「今度ここに来るなら4のつく日だよ」
もっと話を聞きたいが、時間がない。
お茶に誘ったら次のミッションはこれしかない、と最後にお願いを。
「よかったら、連絡先交換しませんか?」
するとサチコさんはケータイを取り出し、番号ゲット!!!!
そしてサチコさんからこんな提案が。
「こんどお花一緒に見に行きましょう。アジサイがキレイなところ知ってるのよ」
サチコさん、ありがとう。じゃあ4のつく日にまた新庚申塚駅で。
* * *
いや、すごいね。ちゃんと足を使って調べてるし企画になってるのがすごい。
確かにね!確かに行動力とかすごいと思うよほんとに!でも、この企画ならどの駅だって成立しちゃうじゃん!ちょっとずるさが残るな~~。新庚申塚の良さもよくわからないし!
そんなことないですよ!ちゃんと4のつく日はお祭りがあるっていうPRも入れてます!
【編集部補足】都電荒川線「新庚申塚」駅周辺のおすすめスポット
巣鴨駅から程近い、どことなくほっとするような落ち着いた下町。大通り沿いにはサウナ好き御用達の銭湯「やすらぎの湯 ニュー椿」がある。
庚申塚方面にある巣鴨猿田彦大神庚申堂は、安藤広重の浮世絵にも登場した由緒ある仏堂だ。その先へ進むと”おばあちゃんの原宿”地蔵通商店街の入り口が見えてくるぞ。
エントリーナンバー7 原宿
では僭越ながら私が……。
原宿ちゃんは「オモコロ」っていう看板背負ってるからな。これは責任重大だよ。
余計な事を言わなくていいです。
「駅メモ!」と一緒に、知らない駅へ旅に出かけよう。
* * *