【男はつらいよ】休日の散策やデートにおすすめ!葛飾柴又の観光スポット

葛飾区柴又のおすすめ観光スポットをご紹介!帝釈天参道の食べ歩きに適したお店や、うなぎを食べるなら訪れたい老舗の川魚料理屋・川千家、デートにも使える山本亭などを実際に訪れてレポート。散策の際にお役立てください。

みなさんどうも初めまして。新潟県出身、下町大好きのおでかけライター、フザワリューセイ(@fuzawaryusei)です!

 

今回ご紹介するのは、映画「男はつらいよ」の舞台として知られている柴又。

地名を聞いたことがある方は多いと思うのですが、実際に観光した方って東京に住んでいる人でも少ないと思うんです。

作品の舞台として興味がある方にはもちろん、休日の散策やデートにおすすめしたい柴又観光。帝釈天参道ではお団子やせんべえ、芋羊羹などを食べ歩きできるほか、江戸川沿いには世界が認めた庭園や、東京に唯一現存する江戸川の渡し舟「矢切の渡し」があり、見どころ満載のスポットなのです。

そんな柴又の観光スポットを、葛飾区に3年住んだ私がご紹介していきます。

柴又へのアクセス

柴又駅は京成電鉄金町線の駅で、羽田空港の国内線ターミナル駅から乗り換え1回だけで1時間程です。東京駅からおよそ40分程で、渋谷・新宿からは、押上(スカイツリー前)経由で1時間、横浜からも1時間程度で行くことができます。車内は混雑することもなく、ゆったり椅子に座ることができます。

 

柴又駅前~帝釈天参道まで

改札を降りると早速、寅さんと妹のさくらの銅像があります。2017年に置かれたさくら像。まるで寅さんを見送っている様に見えます。さくらの履いてるサンダルにはそれぞれ「さ」・「ち」と書かれています。このサンダルを右左と順に触ると「幸」が訪れるのだとか。訪れた際には確認してみてくださいね!

 

柴又帝釈天まで200m程続くこの道では、食べ歩きを楽しむことができます。さらにここでは、浴衣のレンタルをしている店舗もあるので、風情ある街並を浴衣で歩くのも楽しいかもしれませんね。デートで行くのもよし、インスタ映え間違いないでしょう。

 

帝釈天参道の道を歩いていくと、団子屋さんや駄菓子屋さん、せんべえ屋さんなど食べ歩きの出来るお店が並んでいます。どのお店も創業100年以上を超える建物ばかりで、良い意味で新しいもののないレトロ街並みです。店から店へ数歩歩いただけで美味しそうな沢山の種類のお菓子が目に入って来るので、歩いて眺めるだけでもワクワクしますよ!

 

寅さんの実家は実在した!?御食事処「とらや」

それでは参道で食べ歩き出来るお店を紹介して行きます。

明治20年に「柴又屋」として創業された「とらや」は、創業130年以上の老舗です。こちらは「男はつらいよ」の第1作目に使用され、第4作目までは寅さんの実家として撮影が行われていました。現在、店舗内は食事処になっており、店頭では草団子を売っています。柴又といえば草団子。

 

とらやではその日についた餅をその日かぎりで販売しています。草団子は1150円。130年以上もこだわり続けてきた味をぜひ堪能してください!

 

4つの団子に餡子がどっさりのっかっています! 歯応えがしっかりしていて弾力があり、癖になる食感です。餡子も程よい癖のない甘さで団子との相性ばっちりです!

とらや
住所:東京都葛飾区柴又7-7-5
電話番号:03-3659-8111
営業時間:平日10:00~17:00 土日祝日9:00~17:30 ※不定休
公式サイト:http://www.toraya.info
参考サイト:食べログ

 

築200年の木造店舗で営業中!「い志い」の芋ようかん

さて続きまして、帝釈天参道で最古となる、築200年の木造店舗で営業している「い志い」をご紹介します。

 

こちらでいただいたのは芋ようかん(1本150円)。ずっしりとお芋が詰まっていて、重量感があります。

 

お芋がずっしり詰まっていて、しっかりとした食べ応え。優しい甘みが口いっぱいに広がります。これはボリュームがあって空いた小腹にはちょうどいいです!い志いさんでは他にも、米米ロール(1,250円)、大粒あまおう大福(360円)などのスイーツもあるので、甘党さんにはおすすめの店舗です!

い志い
住所:東京都葛飾区柴又7-6-20
電話番号:03-3657-1749
営業時間:平日8:30~17:00 日・祝日8:30~18:00 ※不定休
HP:http://shibamata-ishii.net/index.html
参考サイト:食べログ

 

明治から続く団子屋「髙木屋老舗」

続きまして、明治と大正時代から続く老舗「高木屋老舗」さん。

お店が向かい合わせで、お土産等の販売店と喫茶店の2店舗を構えています。

 

見てくださいこの綺麗に積まれたお餅たちを 。1つ1つ形が違うことから、調理師さんが手作りしていることが分かりますよね。

 

焼き団子1本160

 

磯おとめ1160円。

 

草団子1160
手のひらに乗せたらフワっとした感覚がしました。フィルムごしでもその柔らかさが分かります。

食感もやわらかく、口の動きに合わせてお団子が形を変えて、ふわふわと気持ちの良い噛み心地でした。小豆もそのお団子と程いい甘さで味を加えてくれます。

髙木屋老舗(たかぎやろうほ)
住所:東京都葛飾区柴又7-7-4
電話番号:03-3657-3136
営業時間:7:00~17:30
公式HP:http://www.takagiya.co.jp/about2.html
参考サイト:ぐるなび

 

江戸時代から260年続く老舗「川千家」

食べ歩きグルメを一通りご紹介したところで、次は柴又に来たなら必ず食べて欲しい「川魚料理」をご紹介して行きます。

柴又は江戸川に隣接しているため、古くから川魚料理が盛んなエリアです。これからご紹介する「川千家」をはじめとした、江戸時代から続く老舗の川魚料理屋さんが複数営業しているエリアでもあります。

今回は創業260年の川魚料理屋「川千屋」に訪れました。創業以来変わらない味をここで堪能することができます。こちらが参道沿いの入り口です。

 

国道307号線沿いにも入り口があるのですが、そちらは個室と宴会場用の入り口になっています。ご家族で訪れる際にはこちらの個室を利用して、ゆっくりと寛ぎながら食事を楽しむのもいいかもしれませんね!4〜8名可能な個室と、10〜30名まで可能な宴会場が用意されています。

 

参道口の食堂には、風情溢れるお店の中庭を眺めながら料理を楽しめる席も用意されています。他にも座敷とテーブルの席があり、全部で120席ほどです。

 

うな重定食には梅(3,100円)、竹(3,600円)、松(4,500円)の三種類があります。
今回はうな重定食の「竹」を注文。待つこと20分程、じっくりと焼かれた香ばしい蒲焼の匂いがします。

 

うなぎはフワッとした食感のわりに中身がギュッと詰まっていました。骨が少なく食べやすくて、もちもちしたお米との相性もよかったです。作り手のこだわりを感じた一品でした。ああ、おかわりしたかった…。

畳敷きの和の空間でゆったりできて、田舎に帰った様な気持ちになります。なんなら畳の上で夕方まで寝ていたかったくらい。それくらい落ち着く空間です。

川千家
住所:東京都葛飾区柴又7-6-16
電話番号:03-3657-4151
営業時間:11:00~19:00 ※ランチタイム有
公式HP:https://www.kawachiya.biz/floor/
参考サイト:ぐるなび

 

昭和レトロな雰囲気を味わえる「寅さん記念館」

柴又といえば、やはり「男はつらいよ」の舞台であることが有名ですよね。江戸川沿いにある「寅さん記念館」では、『男はつらいよ』の世界に触れられるだけでなく、映画を見たことのない人も昭和のレトロな雰囲気を味わうことができます。日本人の心、古き良き人情を感じることのできるスポットです!

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

入り口前では早速、館内の看板文字を取り付け作業をしている寅さんが出迎えてくれます。

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

入り口入ってすぐには「男はつらいよ」の制作現場があります。制作スタッフの仕事をパネルや映像で紹介しています。

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

実際に撮影時に使われていたカチンコやメガホン、山田洋次監督が使っていた椅子などが展示されています。

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

こちらは本当に映画内で使われていたセット。そのまま寅さん記念館に持って来たそうで、映画の世界を現実に見ることができます。ちゃぶ台や黒電話も置いてあって、細かい所まで作り込まれています。小道具も昭和30年代からそのままで、よりリアルに昭和の雰囲気を感じることができますよ。(落ち着くので、くつろいじゃってます)

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

こちらは先ほど歩いた帝釈天参道をイメージした模型です。 細かい所までしっかり作られているのは、松竹芸能の美術さんが1個1個丁寧に作っているからなんです。

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

この記念館にはふとしたところに面白いネタが隠されています例えば、壁を見ると「男はつらいよ!」の山田洋次監督と、さくら役の竹下景子さんのサインがあります。また館内に時間の止まっている時計があるのですが、これが10時15分(アナログだと10と3)の位置で針が止まっています。これには10(とら)3(サン)の意味があるそうです。こういう些細な所に発見があるので、宝さがしをしているような気分になります。是非訪れた際には、サインと時計を探して見てくださいね!

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

4つあるパノラマには、1つ1つに感動のドラマが用意されています。覗き込むと、人形はもちろんのこと、夜空や星までもが細かく作りこまれていました。「男はつらいよ」の本編には出ない話なのでファンにはたまらないものでしょう。スイッチ1つで簡単に見れるこのパノラマ。いつの間にかストーリーに見入ってしまうことでしょう。

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

こちらは京成線の改札口模型です。ここ実はすごいポイントなんです。何がすごいのかというと、当時使われていたダッチングマシン(紙の切符に日付を押印するもの)や京成に関する書類、デスクなど中に展示されているものがほぼ本物なのです!

ダッチングマシンに関しては京成電鉄でも3つしか残っておらず、その中でも一番状態のいいものがここで使われています。さらにすごい話が、そのダッチングマシンは寅さん記念館が出来る1週間くらい前に見つかり、ここに展示されることになったんだそうです。ミラクルですよね。 一角のスペースでこれだけこだわりがある話を聞くと、何気なく目に入ったものに興味を惹かれます。

 

葛飾柴又寅さん記念館©️松竹(株)

こうやって昔の電車の中にいると、昭和にタイムスリップした気に。

なおこちらの寅さん記念館、3年に1度リニューアルをしていて、2019年の4月にまた新設コーナーが増えるとのことです。「男はつらいよ」のことをあまり知らない人でも、ここではレトロな雰囲気を味わえるうえ、柴又の歴史を楽しむことができるのでおすすめです!

寅さん記念館
料金:一般500円 児童・学生300円 シルバー400円
寅さん記念館&山本亭セット 一般550円 シルバー450円
住所:葛飾区柴又6丁目22-19
電話番号:03-3657-3455
営業時間:9:00~5:00 ※休館日は第3火曜日
公式サイト:http://www.katsushika-kanko.com/tora/

 

世界が認める庭園「山本亭」

次にご紹介するのは、合資会社山本工場の故山本栄乃助氏の住居として建てられ、今では洋風建築を取り入れた貴重な建築として、葛飾区が登録有形文化財に指定している山本亭です。こちらは庭園が素晴らしく、米国の日本庭園専門誌「Sukiya Living(数寄屋リビング)/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が実施しているランキング調査では常に上位評価されているほどです。

寅さん記念館からエレベーターを使って上がり、階段を降りると山本亭が現れます。山本亭のチケットは寅さん記念館のものとセットになっているので、寅さん記念館に行く際には必ず訪れていただきたいです。

 

山本亭は西洋建築を取り入れた和洋折衷の建物で、大正末期に建てられたとても古いお屋敷です。普段から様々な雑誌の撮影で使われるらしく、屋敷の中を一日中周って撮影が行われるとのこと。実際、建物内のどこも画になります。

 

畳部屋に入ったとたん、西日が神々しく差し込み、庭が明るくなりました。

 

常緑樹である松を基調としたお庭で、わざと季節感を出さない作りになっており、1年中青々とした景色を楽しめます。たしかに、ここにいると冬なのに不思議と暖かい気持ちになります。

 

どの角度で切り取っても美しい。静かな場所で、ゆったりとした雰囲気にまた時間を忘れることができます。日常を忘れてずっとここでゆっくりしていたい、そんな気持ちにさせられる場所ですよ。

 

山本亭では、喫茶メニューを楽しむこともできます。今回は抹茶(和菓子付・600円)を注文しました。綺麗な風景を眺めながら、お茶を楽しめるなんて贅沢ですね。

 

抹茶は和菓子の甘さを中和するかのような程よい苦味がとても美味しく、のどごしがとても気持ち良いです。魂も一緒に抜けていくのではないかと言わんばかりのリラックス効果です。こんな贅沢な空間でお茶を楽しめるなんて幸せすぎる…。

取材に来る前に、柴又でデートをしたという友人にどこが1番思い出に残ってるのかを聞いたところ「山本亭の庭園が綺麗で印象に残っているよ」と言われました。当初は半信半疑でしたが、いまは納得しています。柴又に行くなら必ず訪れた方がいいと思います。カップルでのデートにもおすすめです!

山本亭
住所:東京都葛飾区柴又7丁目19-32
電話番号:03-3657-8577
営業時間:9:00~17:00
※休館日は第3火曜日
料金:1人1回100円
公式HP:http://www.katsushika-kanko.com/yamamoto/

 

矢切の渡し

最後に、『男はつらいよ』第一作目のオープニングにも登場する「矢切の渡し」をご紹介いたします。

矢切の渡し舟は、江戸時代初期、地元民専用に対岸の農地への移動手段や、日用品購入・寺社参拝といった目的で運用されていた渡し舟です。当時からの渡し場として都内で唯一残っているのはここ柴又だけです。

 

取材した日はたまたま雨が降っていて、欠航するのではないかと心配していたのですが、乗船する頃には奇跡的に雨が上がりました。夏には30人程乗る場合のある舟を貸切状態で出航します。

 

舵手さんの櫂を漕ぐ音が「シャー、シャー」と聞こえ、それ以外の音は何も聞こえません。川の上は静かで落ち着いた雰囲気です。

 

到着するや否や舵手さんが「クマ、おいクマ!」

え、どこ、やば、クマ、え、熊!?

あわてて船着場を探すと子熊のように見える大きな犬がいました。マジでビビった。

写真中央にいるのがクマという犬です。ここの名物犬です。

 

そんなトラブルを切り抜けて、対岸である千葉県の松戸に到着。そこには秘密基地のような空間が。ちなみにこの先へ行くとゴルフコースが広がっていました。

綺麗な空気を吸い込み、一瞬だけリラックスして、すぐに折り返そうとしたところに、

またあのクマちゃんが!このクマちゃん、渡し舟が大好きで一緒に舟に乗ってくれることもあるそうです。この時は、乗るか乗らないか惜しいところまで来てくれましたが、人見知りした様子で乗船せず、見送りだけしてくれました。運が良ければ犬が渡し舟に乗る不思議な光景を見れることもあります。舵手さんに頼めば乗せてくれるかも?

それにしても、人力の船に乗るのは心が洗われます。静かな音で揺られるのは心地がいいですよ。

矢切の渡し
住所:東京都葛飾区柴又7丁目18
電話番号:047-363-9357
営業時間:3月中旬から11月は毎日。12月から3月上旬は土日祝日のみ
※天候や水位によって運休する場合もあるので、電話での問い合わせをお勧めします。

 

 

いかがでしたでしょうか。

山本亭の庭園や寅さん記念館など、時間がゆっくりと進んでいるようなスポットが多く、充実感を感じること間違いなしの葛飾区柴又。新しいものより、たまには歴史あるものに触れる方が逆に新鮮さを感じることもあるはず。レトロたっぷり詰まった柴又で、普段とは違う1日をまったりと過ごしてみてはいかがでしょうか!