日本最古の映画館「高田世界館」がある街。レトロな上越観光へ出かけよう!
「高田世界館」がある新潟県上越市高田は、お花見でも有名。日本三大夜桜のひとつ高田公園があります。高田は歴史ある城下町として有名な地域で、レトロな旅行が楽しめること間違いなし。この記事では、日本最古の映画館を運営されている支配人に聞いた、地元民おすすめの観光地を回りました。新潟旅行ならではの海鮮グルメもおすすめです。
新潟からこんにちは。ライターのルリ子(@ruricocoa)です。
雪の残る寒空の下、新潟の高田という街にやってきました。早くも春の訪れが待ち遠しい今日この頃。
高田といえば思い出すのは、高田公園のこと・・
高田公園は、約4000本の桜が夜を彩る日本三大夜桜のひとつなんです。写真は私が昨年撮影したものですが、お堀の水辺に映り込んだ桜と高田城の美しさは、それはもうため息もの!
今年2017年のライトアップは、4月1日〜17日に予定されています。上野から新幹線で約2時間の上越妙高におりたてば、高田公園行きのシャトルバスが運行しています。
そんな高田は歴史ある城下町でもあり、レトロな街歩きにもうってつけ!
ついカメラのシャッターを切りたくなるような、どこか懐かしさを感じる商店や町家が、あちらこちらに現れます。
新潟のおいしいお酒が飲めるお店もたくさん!
昼はシャッターが閉まっていたお店も、夜にはおいしい呑み屋さんに早変わり。知らない土地で、しっぽりとお酒を交わすのも旅の楽しみのひとつ。
今回は春の桜とあわせて楽しんでほしい、のんびり気ままな街歩きに、アナタをお連れしたいと思います✿
目次
レトロな街歩きへ出かけよう!
高田の特徴は、雪の多い地域でよく見られる、雁木(がんぎ)と呼ばれる通り。
雪が積もっても、家々の連なるひさしの下を歩いていけるようにと考えられた通路なんです。雪国のなかでも、高田の雁木は総延長が日本一の約16キロもあります!
歩いていると、江戸時代の末期に創業した醤油味噌店や、
なかにはこんな古い建物も。
めちゃくちゃ味のある、文房具店の木製看板。
このほかにも、
レトロ感満載のキンチョール、アース渦巻き、かとりせんこうの看板や
ダンディコーナー イカリヤ
接着剤の王様 ボンド
こんな風に、レトロな看板がつぎつぎ現れるので、ついシャッターを切りたくなるんです!
日本の歴史を感じられる風景が、ここ高田には残っているんですよ。
明治に建てられた「旧師団長官舎」へ行ってみよう
こちらの建物は、明治43年に軍人・長岡外史(ながおかがいし)さんによって建てられた、数少ない洋風木造建築です!
今では洋風の建物といっても珍しくないかもしれませんが、明治時代に、見よう見まねで西洋の技術を修得して建てたというのだから、当時はすごいことだったんですよ?
なかに入ってみると、こーんな、おしゃれな洋間が! とってもエレガントなのに、この部屋、男子応接室なんですよ?? 素敵すぎます。
この建物は、結婚式の前撮りや、コスプレイヤーさんの撮影場所として使われることがあるんだそうです。見学だけなら入館料は無料ですよ〜!
婦人応接室は、鮮やかなピンク色の壁!
2階には、とても可愛らしい月と星のマークが。
なんと裏側の和室から見ると、ふすまに陽の光が差し込む、粋な演出に! これにはうっとりです。
住宅街のなかにあるので少し見つけにくいですが、無料で入れるので、ぜひ抑えておきたいレトロなスポットですよ!
旧師団長官舎
- 住所:新潟県上越市大町2丁目3−30
- アクセス:高田駅から徒歩約16分、車で5分(えちごトキめき鉄道)または上越妙高駅から車で10分
- 休館日:月曜(月曜が休日のときは翌日)、休日の翌日、12月29日~1月3日、冬季休館(1月上旬〜2月下旬)。観桜会期間中は無休
- 営業時間:午前9時~午後4時30分
- HP:旧師団長官舎
日本最古の映画館? 「高田世界館」へ行ってみよう
次にやってきたのは、「高田世界館」。一見なんの建物か、外からは想像がつかないでしょう?
なんとここは、明治44年創業の日本最古の映画館なんです!!
俳優・松坂桃李さんの番組で取り上げられ、本人が訪れたことで話題になったり、
古き良き映画館。#高田世界館 pic.twitter.com/l1jZ7pVPdT
— 松坂桃李 (@MToriofficial) 2016年2月21日
上映されている「この世界の片隅に」を見た人たちからは、「映画館と映画の雰囲気があいまくる!」と、評判の嵐!
ずっとずっと行きたかった高田世界館にて、念願の『この世界の片隅に』を観賞。日本最古級という映画館の「場所」のパワーがまず凄いし、上映される映画とのシンクロ率がハンパないし、その内容もとんでもなく素晴らしいもので、我に返って今が2017年とかホントに意味わかんなかった pic.twitter.com/mwVleypgcB
— しぅこ (@shuuco) 2017年1月2日
「この世界の片隅に」を初めて観て涙…
高田世界館の雰囲気が一層この映画を感慨深いものに見学ツアーにも参加して、高田世界館の歴史を知ることができ、フィルム映写機も見れて勉強になりました
次は2階席で観たい
また来ます#高田世界館 #この世界の片隅に #Negicco #愛かま pic.twitter.com/JJI7d0AJfa— 静かな夜かましたいの紀伊水道☆広報活動中 (@negiroad) 2016年12月25日
ロビーのどこを見ていても、哀愁が漂ってきます……! スタッフの方に声をかければ、写真撮影もOK。
そんな高田世界館では希望に応じて、2階にある映写室の見学ができちゃいます!
ドアに書かれた手書きの文字がなんとも愛らしい……! さっそくなかへ入ってみましょう。
今ではデジタル化が進み、ほとんど見ることができなくなった、フィルムの映写機が並んでいます!
これを見てすぐ思い浮かんだのは、映画館が舞台となったニュー・シネマ パラダイスという映画。ご存知ですか? 映写室に入ると、まるで昔にタイムスリップしたような感覚に!!
そんな高田世界館の運営を任されているのは、29歳の上野迪音(うえのみちなり)さん。
館内放送がない高田世界館では、上野さんが自ら地声で「これより上映を始めます。最後までゆっくりお楽しみください」と、上映のアナウンスをしてくれます。アナウンス後、すぐさま2階の映写室にかけあがる苦労を思うと、ぐっとくるものがあるんです。
高田世界館で上映される映画は、支配人・上野さんによって選ばれていて、たまに他の映画館では上映されない、ロマンポルノの上映も行っているんですよ〜!
観客席は、1階と2階あわせて約180席。木造の建物なので、冬場はとくに冷え込みます。訪れるお客さんは、それを知ってか知らずか、しっかりと暖かい服装を身にまとい、映画を楽しんでいるんです。
少ないスタッフで運営しているので、映画館の定番であるポップコーンはありません。
あるのは、「高田世界館を温めて下さる映画好きの皆様に感謝を込めて」というメッセージが書かれた愛情たっぷりのコーヒーや、
「この世界の片隅に」にあわせて販売されている、昔ながらのミルクキャラメル。こういったレトロな雰囲気も含めて、映画を見に来てほしいんです……!
普段はクールな支配人・上野さんですが、グルメの話になると大盛り上がり(笑)。高田周辺のグルメにめちゃくちゃ詳しくて、一押しの呑み屋さんを教えてもらいました。さっそくあとで行ってみることにしましょう!
高田世界館
海鮮丼がうますぎる「軍ちゃん」
せっかくなので、新潟の海の幸をいただきましょう。期待値を上げておきますが、ここの海鮮丼はやばいです。とりあえず思い当たる海鮮丼を、想像しておいてくださいね?
どん!!
これが新潟の海鮮丼です!
「どんだけの魚がのっかってるんだ!?」と一瞬目を疑いますが、錦糸卵がそえられたご飯と味噌汁もついて1500円! 同じものを東京で食べたら、めちゃくちゃ高いはず。それに食後にサービスのコーヒーもついてきます!
一般的な海鮮丼というと、ご飯の上に魚がのっていると思いますが、軍ちゃんは鮮度を保つため、別になっています。
そのまま味わってもよし、ご飯と一緒に食べてもよし。どれも魚の歯ごたえがあって、とにかくうまい。
魚の種類が書かれた紙がついているので、ひとつひとつ確かめながら、しっかり味わえます。これでアナタも魚通!
そしてこちらは、ずわい蟹の石焼飯!
かにミソを取り出して、ご飯と混ぜて、
水分が蒸発するように、中央をあけて食べます。そんじょそこらのチャーハンとは、比べ物になりません……。カリッとしたおこげが香ばしく、かにの風味が広がって、これまたうまい!!
カニ缶や、カニカマのチャーハンを食べてる場合じゃないですよ?
日本酒は地酒の呑み比べセット(1000円)がおすすめです!
軍ちゃん 高田店
夜はしっぽり、雁木亭へ!
まずは17時半にオープンの雁木亭へ行ってみましょう! 高田世界館の上野さんも絶賛のお店です。
カウンター席に座れば、お店のおばちゃんたちと会話がはずみます。こちらは地酒のスキー正宗。高田はスキー発祥の街でもあるんですよ。
新潟でよく食べられている、深海魚の幻魚(げんぎょ)!
歯が鋭く、顔が怖い。
私が驚いていると「生の方がもっとグロテスクだよ」とおばちゃんが教えてくれました……! 見た目によらず、味はししゃものような感じで、カリカリ香ばしくておいしいんです。
こちら、珍しいサメカツ。サメなんて初めて食べたけど、食感はやわらかぁ〜いお肉みたい。濃いめのソースが中まで染み込んでいて、ご飯がすすむ味!
新潟の郷土料理、のっぺい汁も。
にんじん、こんにゃく、里芋など野菜がたっぷり入った、とろみのある優しい汁もの。これぞおふくろの味!
このお店、とにかくメニューが多いんです!
このあとも飲み歩きはつづいて……。
雁木亭
ほかにも、おいしいお店がたくさん!
古民家を改装した「雀」。店内は落ち着いた雰囲気なので、カップルでのデートにもオススメ!
鮮やかに盛り付けられた白子ポン酢に
新潟のくびき牛というお肉を使ったお寿司。新潟は魚だけじゃなくて、お肉もおいしいんです。
お塩をかけていただきます。口のなかで柔らかいお肉がとろける〜!
四季料理 雀
- 住所:新潟県上越市仲町4丁目6−9 伍郎八館1F
- アクセス:「高田駅」(えちごトキめき鉄道)から徒歩約3分
- 営業時間:17:30~24:00(L.O.23:30)
- 定休日:不定休
- HP:http://joetsukankonavi.jp/
ほかにも、高田にはおいしいお店がたくさんあります。
普段は天ぷら屋さんなのに木曜だけラーメン屋になるという「天ぷら五郎」や、利き酒師が料理にあうお酒を勧めてくれる「わのき」など。
レトロな街歩きに、おいしいお酒。これから春になれば桜と、高田の魅力が3拍子揃います!!
駅周辺にはホテルがいくつかあるので、次の日のことは気にせず、夜の街へ繰り出してみてください。
これからの時期に、ぜひ新潟の高田にいらっしゃい!
ライター:ルリ子(@ruricocoa)
写真:クリハラ(@kurit3)